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異次元緩和の先にあるとてつもない日本 上念司

日本銀行の異次元の緩和は、これから金融市場や実体経済にどのような影響を及ぼすのか。また、異次元の金融緩和によって、日本人の暮らしや仕事はどのように変わるのか。アベノミクスによる本当の経済の影響やアベノミクスで誰が得をして誰が損をするのか。また世界にどんな影響を与えるのか。リフレ政策の必要性を主張し続けてきた上念氏が大胆に予想し提言をしている1冊です。

第一章では、「超金融緩和で激変しはじめた日本経済」と題して、アベノミクスの超金融緩和によって、株価が上昇した事は、「金融緩和無効論がウソ!」という事を証明したと書いています。

第二章では、「脱デフレで勝つ企業、消える企業」と題して、デフレで暗躍したブラック企業は、アベノミクスで鉄槌を下され、消えると書いています。
第三章では、「非正規雇用の黄金時代がやってくる」と題して、アベノミクスによって、デフレからインフレになれば、人手不足になり、非正規雇用の待遇は改善されるとしています。

第四章では、「バブル再来とその崩壊の行方」と題して、1989年のバブルは、アメリカのプラザ合意によるものであること、バブルが崩壊したのは、日銀の早すぎる金融引き締めをしたからだとしています。
また、アベノミクスによって、バブルが再来するかは、持ち合い株を減らす政策が出来ているので、期待しない方が良いとしています。
そして、バブル潰しは、バブルよりもより、国民に不幸がおとずれるとしています。

第五章では、「日銀マネーが世界をこう変える」と題して、超金融緩和による円安は、韓国経済や中国経済にダメージを与えるとしています。
僕ら一般人の感覚では、デフレはそんな単純なこととは受け止められていないのではないだろうか?少なくとも安倍政権誕生前までの日本人は、そんな単純な図式では受け止めていなかった人が多かったと思います。「少子高齢化のせいでデフレが」「外国人労働者のせいでデフレが」「グローバル化のせいでデフレが」などと、色々な理由をマスコミ経由で聞かされ、「デフレは致し方がないモノだ」と納得させられてきたのではないでしょうか。

実際20年もの間、デフレで経済が停滞し、自殺者も多く、ブラック企業が暗躍し、生涯年収は下がり続けるような状態が続けば、「デフレで当然」と国民の多くが思っても仕方がない状態だったと言えるだろう。この深刻なデフレ問題に明確な論理にて見事に論破をしています。著者の上念司氏は、以前から一貫してデフレ脱却のために日銀の金融政策を訴え続け、国会にも呼ばれて持論を訴えるほどの経済の専門家です。アベノミクスを支える安倍政権の経済ブレーンである浜田幸一イエール大学名誉教授に学び、その持論はアベノミクスの金融政策のぴたりと一致する内容でした。今の日本で、アベノミクスを解説するのに最適な専門家は著者以上にいないと思います。


アベノミクスの金融緩和政策は正しかった

上念氏の持論である金融緩和は、黒田日銀による金融緩和と、その後の経済指標や株価の動きによって正しいことが証明されたと思います。デフレとは、モノとお金のバランスが、お金の不足によって崩れることです。つまり、何らかの理由によって貨幣供給が不足することです。モノとお金はつねにバランスしており、モノの量がお金より多ければモノの価値が下がり、お金の量がモノより多ければお金の価値が下がる、ということになります。「数が少ないものは価値が上がる」という、ごく一般的な感覚で考えればいいでしょう。デフレとは、お金の量が不足することによって発生する貨幣現象と考えられます。 本書で上念さんは、繰り返し「デフレは貨幣現象」と強調しており、非常に共感できました。

貨幣現象ということは、つまり、供給が足りていないお金を市場に大量に供給して十分行き渡らせれば、相対的にお金の価値が下がり、モノの価値が上がる、つまりデフレを脱却してインフレになる、ということを意味します。

この20年間のデフレの原因は、「日銀の徹底的に間違った政策のため、人為的に引き起こされたものだった」と上念さんは説明しています。貨幣現象であるデフレを退治するには、貨幣を市場に大量供給するしかないのに、日銀は意図的にかつ徹底的に貨幣の供給量を減らし続けました。その結果円は対ドル、対ユーロなどに較べ希少性を持ち円高が進み、日本経済はますます疲弊することになり、デフレは延々と放置され続けた。

しかし、第二次安倍政権が成立、そして日銀総裁が白川氏から黒田氏に交代したことで、政府と日銀の経済政策は180度転換しました。「黒田バズーカ」と呼ばれる日銀の政策により、大量の円が日本市場に供給され始めた。それに呼応するように株式市場も外為市場も大きく転換。民主党政権時には8,000円台だった日経平均株価は、24,000円近くまで上げ、ドル円レートも114円前後と大幅な円安・ドル高が進んできた。株高と円安により企業の業績も次々と好転し、大企業の一時金満額支給やボーナスの大幅増額など、僕ら一般の人間にも恩恵が出始めてきました。上念氏の見識が正しいことは言うまでもないです。
次の焦点は、消費税増税の施行の是非である。上念氏は、消費税増税によって景気は悪化し、安倍政権の致命傷になると述べている。安倍政権が消費税増税を強行するのか、上念氏の訴えどおり断念するのか注目していきたいです。さらにその先には、日本が世界一の1人あたりGDPになった1990年台に向けて、経済成長をまっしぐらに進んでいた1980年台の日本になるだろうというのが、上念氏の主張である。長年デフレと低成長に慣れてしまった自分にはにわかに信じがたい主張ではありますが、実際に日本経済の今後がどうなるのかを見守って行きたいと思います。


ブラック企業の経営陣に是非読んでほしい

株価が上がり企業の業績が上向き日本経済が復活する。それは良いことではないでしょうかか?しかし、大手マスコミを中心に、アベノミクスを無闇に批判している人たちがいる。日本は不景気のままでいて欲しい。日本が復活されては困る。そういう立場の人たちが世の中には存在することを忘れてはいけないです。

日本の景気が良くなると困る人たちの一つが、ブラック企業の経営陣です。ブラック企業は、劣悪な条件で従業員を強制的に働かせる。そのようなことが可能なのは、不景気で仕事がなく、従業員に他に勤める先が見つからないからです。しかし、景気が良くなると日本全体で人出が足りなくなり、労働市場が買い手市場になっていきます。すると、より良い人材を求めて、企業は好条件で人材を採用しようとします。

そうなると、ブラック企業で強制的に働かされてきた人たちは、我先に逃げ出すことができるようになる。ブラック企業は低人件費を武器に、「安い」ことをウリにして製品やサービスを販売している会社です。景気が悪い時には消費者も安いことに価値を置くので、ブラック企業の商品に人気が集まる。

 

ところが、景気が回復すると消費者は懐に余裕が生まれるので、安いことよりも品質が良いこと、付加価値があることを重視するようになる。ブラック企業はもともと品質は重視しておらず、価格で勝負する体質なので、他社との品質勝負にはついていけなくなるでしょう。ブラック企業の経営者、反安倍政権信奉者、大手マスコミには、自らの経済感覚を正す意味からもぜひとも読んでもらいたいです。

また、一部政治家は、中国共産党政権と深く結びついており、日本の景気回復を良く思わない人たちが、マスコミを通じて景気回復を阻止しようとする動きもあるようだ。
その辺りの動きについては本書を是非ご覧いただきたい。

 

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異次元緩和の先にあるとてつもない日本

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