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財務省と大新聞が隠す本当は世界一の日本経済 上念司

高橋洋一氏とともに「いわゆるリフレ派の識者」と評されている経済評論家の上念司さんの本です。上念さんといえば日本長期信用銀行を退行し、勝間和代さんと共に「監査と分析」という会社を運営している方です。

時折メディア出演もされていて、虎ノ門ニュース、報道特注などネットTVにも積極的に出演されています。財務省やマスメディアがさかんに喧伝する「国の借金800兆円」と言うのは大嘘です、と言う事を様々な角度から論じている経済本です。

 もう少し踏み込んで表現するならば、日本の偏差値至上主義が生み出した、財務官僚エリートと、記者クラブ発表文のコピペばかりで記事を書く大手マスコミサラリーマン記者達が日本経済を滅ぼしかねない!警告の1冊である言えます。

「日本のネットベースの国債は200兆円以下」「国には借金はあるが金融資産が大半の600兆円以上の資産を持つ」なんでこんな常識を、新聞やテレビは伝えないのか?田中角栄の金脈問題では、立花隆氏がそれを解明した業績に対し、「そんなことは、みんな知っていた」と言い放った大マスコミの記者たち……消費税増税や金融緩和では、財務省や日銀の思惑を忖度してヨイショ記事ばかりを書いてきた。

なぜ「官報複合体」は、かくも強固に結束しているのか? 税率さえ上げれば税収が下がっても気にしない財務省に支配された大マスコミが日本経済をダメに見せている。この原因となっている、官僚、マスコミを理論的に論破しています。今までに読んだどんな経済書よりも真実がはっきりと伝わる本でした。縦割組織の中で省益を最優先する財務相の立場をそのまま垂れ流しするマスコミがどれほど日本の経済に害をもたらしているかを厳しく指摘しています。国民が正しい情報を得て、それに基づいて経済政策を判断してこそ、日本は繁栄することができるのです。この本は、マスコミが誤った情報を発信し続けることにより、多くの国民が誤解している事項を、Q&A形式により、1項目ずつデータに基づく解説でわかりやすく正してくれます。そして具体的、かつソースを明示して反論してくれていますとても説得力があります。何かインパクトがある危機を煽るメッセージが流行ってしまうと次第にながされてしまうこともありますが、素人にわかりやすく、具体的に説明があり理解でき、まだまだ力のある日本経済を知り大変勉強になりました。すべての日本国民が必読すべき素晴らしい本だと思います。


日本経済の潜在能力を再確認できる

日本政府は700兆円近い資産を持っている。人口が日本の約3倍のアメリカの政府資産ですら150兆円ほどしかなく、日本政府は世界で一番の金持ち政府であると言っていい。しかもその7割がたは金融資産であり、すぐに換金できるものである。

政府の借金は個人の借金と違って、すぐに完済する必要はなく、1000兆年後にでも完済する目途さえ立つなら、借金の総額は問題ないという。そして、名目成長率が上昇すれば、政府債務の負担は減っていくので、経済成長することが必要である。

日本の借金は1000兆円以上だと危機を煽る財務官僚は、ほとんどが法学部出身で、経済のプロとは言えない。また経済新聞の記者も、(上念氏が調べたところ)経済の専門的な教育を受けていない人ばかりだという。素人でもなぜ記事が書けるのかというと、財務省の記者クラブの発表を書くだけだからで、記者は他社より早くその内容を手に入れるため、相手の意向にある程度従わざるを得ない。つまり大本営発表を垂れ流しているだけなのである。

ある格付会社の日本国債の格付けは中国や韓国よりも下だが、信用している人はいない。かつてある格付会社が、発行されていない日本国債を格付けし、財務省から抗議され、謝罪したこともあるという。それくらい、いい加減なものなのである。
また以前は格付会社にまともな抗議をしていた財務省が、日本の格付け低下を利用して、増税の世論を盛り上げる方向に向かうようになった。財務省は、使えるネタは何でも使って、日本国民が「増税しなければならない」と思い込むように誘導している。

円高や円安は日本への信頼とは関係ない。金融引き締めをする国の通貨は上がり、金融緩和をする国の通貨は下がる。両方の国が金融緩和をしている場合は、通貨を刷るスピードで負けている国の通貨が上がるのである。

日本は25年連続で対外純資産が世界一、ダントツの一位である。日本が海外に積み上げた資産から受け取る金利も年々増加している。日本は「世界最強の金貸し」で、そんな金持ち国家がどうやったら財政破綻するのか?

10億円の借金を持っていても、10億円以上の資産があり、年収が1億円の人にとって、10億円の借金は大したことではない。だから、「国の借金1000兆円」も、資産や国の稼ぐ力と比較してみなければ、本当のことは分からない。

日本国の債務残高GDP比が200%を超えているのは異常でも何でもない。サラリーマンが年収の6倍の住宅ローンを組むのは普通の事である。この場合、債務残高年収比は600%である。年収500万円のサラリーマンが3000万円を35年ローンで借りた場合、月々の返済額は約92,000円で、この程度のリスクは平気で取るのに、GDP比200%くらいでビビるのはダブルスタンダードである。
景気を良くするためには、政府が財政支出という形でお金を投資し、徹底した金融緩和を行うことである。財政危機を煽る新聞の報道姿勢は、常に疑ってみる必要がある。
このように、日本経済は危機というより、むしろ世界一の経済を実現できる潜在力があり、正しく現状を把握すれば、日本の未来は明るいことが分かり非常に役に立ちました。

財務エリートに読んでほしい一冊


特に、読むべきはエリートたちだと思います。教科書やメディアを疑うことを知らず、日々新聞やテレビやキュレーションニュースで世界を知った気になっているエリートこそが読むべきだと思います。なぜ財務省や新聞各社が日本経済の本当の状況を明らかにしていないのか。早速まえがきで著者はその理由を明らかにしています。今ある程度の地位にいる財務省キャリア官僚は、働き始めのころがちょうどバブル期。民間企業の羽振りのよさに歯噛みしていたそうです。その恨みか、景気が悪い方が民間に対して権限を振りかざすことができると考えているのだとか。本当かよ!と言いたくなる話ですが、案外そんな理由なのかもしれません。そして、その官僚から情報をもらわないと記事を出せない新聞社は、官僚に頭が上がらない状況とのこと…。官僚に都合の悪い記事が書けないということなのです。

そういった社会の前提を踏まえたうえで、著者は世間で言われている日本への心配事について答えています。例えば、日本には膨大な借金があるがこれは完済しなければならないのかという質問に、返す必要はないと断言。なぜなら国は人と違って永遠に続くと考えられているため、借金の増えるスピードよりも収入の増えるスピードの方がわずかでも大きければいずれは借金を返すことができると判断されるからです。これは、名目GDP成長率>名目公債利子率 という不等式で表すことができる「公債のドーマー条件」と呼ばれる経済の掟なのだとか。
といった感じで、他にも経済に関する巷の認識とは違った事実が詳しく書かれているので、エリートたちに読んで欲しいです。

 

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財務省と大新聞が隠す本当は世界一の日本経済 (講談社+α新書)

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