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ビジネス関連書籍の紹介日記です

「良い質問」をする技術 粟津恭一郎

この本は、エグゼクティブコーチとして10年以上も活動している著者が、コミュニケーションを行う上で欠かすことができない「質問」について、普段から考えていることを整理しまとめ上げたものになります。著者の職業であるエグゼクティブコーチとは、あまり馴染みのない職業ですが、著者によると「クライアントに質問をし気付きを与えることで報酬をいただくプロの質問者」という職業だそうです。

著者は、大企業の社長や役員といったエグゼクティブを相手に、コンサルタントのように何かアドバイスするのではなく、ただひたすら「質問」することで相手に気付きを与えることを仕事にしています。

人は誰かほかの人から指示されても、自ら動くことは少なりです。特にエグゼクティブのような経験豊富な人に対して、偉そうにアドバイスしても何も相手には伝わりません。そのため、著者の職業であるエグゼクティブコーチは、相手に質問をし、相手が自らその質問に答えることで、主体的な行動をとってもらうことを目指しています。

エグゼクティブコーチである著者は、どんな「質問」をすると相手に気付きを与えることができるのか、どんな投げかけをすると実際に行動に移ってもらえるのか、を普段から研究しています。この本では、「質問」することのプロである著者が考える「良い質問」とは何か、そして「悪い質問」とは何か、そして「質問を変えればコミュニケーションも変わる」ということを具体的な質問例やコーチング現場のエピソードを交えてわかりやすく説明されています。この本で紹介される「良い質問」をする技術は、エグゼクティブコーチのような質問のプロではなくても、ビジネスマンであれば当然身につけておきたい技術になります。ビジネスを行う上で相手とのコミュニケーションや関係性を良くすることは必須です。

「質問」を変えることで様々なビジネスの現場で行われるコミュニケーションがより良い方向に変わっていくことが、著者が経験した実際のビジネスシーンを挙げて説明されています。

また、この本では、ビジネスを行う上で有用な質問の仕方が様々な場面や状況に合わせて紹介されていますが、また単なるHow to本とは違い、「良い質問」とは何か、「悪い質問」とは何か、そういった概念的なものも説明されていますので、「質問」についての本質的な理解を与え、その理解があれば自分が置かれる様々な状況にも活用することができる知識を与えてくれます。

どういった質問が「良い質問」なのかが具体的事例で説明されている

この本の中には、様々なビジネスの現場を例に、「良い質問」や「悪い質問」について具体的に紹介されています。また「悪い質問」の時、相手がどういった心理状態になったのか、どういった「質問」を行うとよかったのか、著者が実際に経験した場面などを交えながら説明されています。

そのため、相手とのコミュニケーションが上手くいかなかった時の自らの経験と照らし、自分が行った質問の何が悪かったのか、どのような質問をすればよかったのかなどを考えさせてくれます。また、著者曰く、「良い質問」とは「相手が答えたくなり、かつ、気付きがあること」としています。当然、質問の相手や状況に応じて、どんな質問が「良い質問」になるかの正解は変わります。しかし、この本にある「良い質問」の考え方を参考に自分なりの「良い質問」のテンプレートを用意することで、多くの場面でより良いコミュニケーションを実現することが可能になります。

ビジネスの現場でコミュニケーションを取らなくていい状況は多くありません。上司や部下、取引先など様々な相手とコミュニケーションを取る必要があります。そのコミュニケーションの基本が「質問」であり、その「質問」がかわればコミュニケーションの質が変わります。そのために必要な「質問」の仕方や内容、そして考え方が紹介されていますので、この本を読んだ次の日から仕事の現場で実践したくなります。どれも難しい方法や考え方ではなく、非常にシンプルなものであるので誰でも実践することができるものばかりです。「良い質問」をするためには、特別な知識や経験は必要ありません。

「質問」することはコミュニケーションの基本中の基本ですので、誰でも、またどんな場面でも活用する機会は多くあります。特に、チームを率いるリーダーや、顧客とのコミュニケーションが多いビジネスマンであれば、この本は手許に置いて何度も読み返すべき教科書のようなものになります。

コミュニケーションを良くし、ビジネスを上手く回すために必要な基本的なスキルが「良い質問」をする技術であり、その基本がこの本にはたくさん紹介されています。そして、「良い質問には人生を良い方向へ変える力がある」という言葉の通り、相手にする質問を変えたり、自分に投げかける質問を変えることで、それぞれの考え方や行動が変わることが説明されています。単なるコミュニケケーションのHow to以上に自分の生き方そのものを見直すきっかけを与えてくれる内容になっています。


コミュニケーションを取る機会が多いビジネスマンにおすすめ


この本は、エグゼクティブコーチである著者が実際に経験したコーチングの現場での例が多く出ていますので、具体的な事例はビジネスのシーンが多いです。そのため、上司や部下、同僚や取引先といったコミュニケーションを取る機会が多いビジネスマンにとっては、コミュニケーションの教科書のようなもので、繰り返し読み返すべきものです。

 

しかし「質問」はコミュニケーションの基本であるため、この本に紹介されている質問の仕方や考え方は、ビジネスだけでなく普段の生活の中でも使うことができるものばかりです。色々な人とコミュニケーションを取って仲良くなりたい、苦手な人と上手く付き合えるようになりたい、自分はコミュニケーション能力が低い、そう思っている人は少なくないと思います。「質問を変えればコミュニケーションも変わる」とあるように、コミュニケーションが変われば相手との関係性も変わっていきます。そして、「良い質問」が良いコミュニケーションを生み、良い社会、良い人生を与えてくれると著者は言っています。

そのため、ビジネスでコミュニケーション能力を上げたいと思っている人にはもちろんのこと、普段から自分のコミュニケーションに悩んでいる人には非常におすすめしたい内容になっています。この本には「良い質問」するために必要な考え方が、シンプルでわかりやすくまとまっていますので、誰にでも明日から実践することができ、また実践したくなるような内容になっています。

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「良い質問」をする技術

「良い質問」をする技術