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ビジネス関連書籍の紹介日記です

「言いたいことが得ない人」のための本-ビジネスではアーサーティブに話そう! 畔柳修

この本は、ライフデザイン研究所所長の畔柳修氏の著書です。
職場のコミュニケーションにおいて、「言いたいことが相手にうまく伝わらない」「必要以上に厳しく言いすぎてしまう、または萎縮してしまう」など、ビジネスの場でのコミュニケーションは悩むビジネスマンは多いと思います。
本書では、「アーサーティブ」に話すことでビジネスでのコミュニケーションがうまくいく方法について書いてあります。

「アーサーティブ」とは、自分の気持ち・考えを「攻撃的になることなく」「萎縮することなく」適切に伝える態度・ふるまいのことです。

例えば、トラブルが発生し上司に事情を説明したいのに、上司がまったく聞いてくれず一方的に怒鳴られることはありませんか?頻繁にミスする部下に、上司として注意しなければならないのにどのように伝えたらいいかわからない人も多いのではないでしょうか。

 本来、ビジネスの場において、相手の意見を尊重しつつ、適切に自分の考えを表明することは、業務を円滑にするだけではなく、健全な職場生活に不可欠なはずです。
しかし、実際は自分の意見を押し通すために高圧的にふるまったり、相手に萎縮して自分の考えをうまく伝えられないことがしばしば起こってしまいます。
そこで必要なのが「アーサーティブ」というキーワードですが、本書では、自分と相手を同様に大切にしてコミュニケーションをとるための「伝え方のスキル」にとどまらず、本質的には相手とどのような人間関係を構築したいのかという「自分と相手との向き合い方」を考えるものです。
日本では、顧客の満足度ばかりが優先され、従業員の気持ちや考えはないがしろにされがちです。

しかし、サービスをする者とサービスを受ける者が同じ目線で対等に尊敬しあえる関係であれば、従業員の仕事への意識も高まり、顧客とのコミュニケーションが活性化し、意思疎通が円滑に進むことで、結果的に顧客満足度も上がるのです。
本書では、なぜ自分はアーサーティブになれないのか、という「考え方(受け止め方)」を知るための「気づきのノート」を知った上で、実践的な「会話法」を習得していきます。

  • 職場の人間関係を円滑にしたい
  • 組織を活性化したい
  • 創造性を発揮する環境をつくりたい
  • 顧客満足度を高めるためにまずは従業員満足度を高めたい
  • 課題や心の葛藤に有効にアプローチしたい

といった職場の悩みを抱えながらも、「アーサーティブ」に表現することが苦手なビジネスマンのためになる一冊です。


自分のことをまず考えて、その上で相手のことも十分考慮する「相互尊重」を学べる

日本では、自分の考えや欲求を伝えられないという人は多いと思います。
私自身も、従順で素直な人と受けとめれ「とてもいい人」と評価されることが、職場での人間関係をよくするものと思い込んでいました。
しかし、自分の考えや欲求を伝えられないということは、自分の実際にもっている影響力を過小評価していることだったのです。

しかも、相手には我慢していることがわからないため、我慢していても感謝されるとは限らず、「何を考えているかわからない人」と判断されることもあると知り驚きました。
私と同じように、職場では自分を押さえ込み、我慢することを良しとする考え方は、日本人に多い考え方のようです。

私自身、職場では自分を出しすぎず、周囲の人と協力して仕事をすすめることが大切と考えていたため、ストレスが溜まりやすく、考えのない人と思われていたということに気づいたことが衝撃的でした。
このようなタイプは、言わないことで恨みつらみがたまって爆発し、攻撃的言動に一転してしまうこともあるそうです。
攻撃的な言動とまではいかなくても、相手にはっきり言わずにムッとしたり、遠回しに嫌味っぽく伝えるやり方で相手との関係性が悪化してしまうケースは有り得ると思います。
また、度を越して過干渉に同僚や部下に口をはさみたくなってしまう人も、いくら相手のことを思っていたとしても相手には受け入れてもらえません。
自分のことをまず考えて、その上で相手のことも十分考慮する「相互尊重」の考えが大切になってきます。

ただし、実際には自分と相手との主張は折り合いがつかないこともあります。
ここで言う「相互尊重」は、自分の意思を押し通すということではありません。
対立が生まれたときこそ、自分も相手も尊重し、安易に妥協せず、お互いの意見を出し合い、譲ったり譲られたりしながら歩み寄り、納得のいく結論を導き出すプロセスが大切なのです。
また、私たちは無意識のうちに、「人を傷つけてはならない」「失敗してはならない」「人に好かれなければならない」などと考えてしまいます。
その無意識の考えが、アーサーティブなコミュニケーションの妨げになっています。
まずは自分が価値のある存在であると認めることが大切です。
そして、自分を素直に表現したり欲求を伝えてもいいと考えることです。
完璧な人間などいないのですから、失敗しても取り戻すチャンスを与えられたと考えられればいいのです。
この本を通じて、働くということへの意識が変わり自信が持てるように思います。

自分をうまく表現できない若い世代の方におすすめする一冊

社会で働くすべての人におすすめできる本です。
とくにまだ働いて間もなく、自分をうまく表現できない若い世代の方におすすめしたいです。
仕事でミスをしたときや、上司から高圧的な口調で言われたりしたとき、同僚に自分の欲求を伝えられないときなど、職場でのコミュニケーションに悩む人に役立つ本だと思います。
ビジネスの場では、「自分がいかに優位に立つか」や逆に「自分をどれだけ押し殺すか」という言動に支配されがちです。
「アーサーティブ」は優劣ではなく、競争ではありません。
しかし、これからの社会は「アーサーティブ」でなければ、発展しつづけることは難しくなっていきます。
「アーサーティブ」は、単なる自己表現の技術ではなく、基本的人権の問題やものの見方、考え方を含む非常に広い意味での自己表現です。
かけがいのないひとりの人間として、自分の持っている可能性を存分に発揮するために必要な考え方だとも言えます。
それは、長い社会人としての生活において、健康で生き生きと暮らしていくことにつながっていきます。
人口減少や人手不足で悩む経営者や人事担当の人にも、ぜひ読んでいただき、従業員が長く健康に働ける環境を整えていってほしいと思います。
「アーサーティブ」なコミュニケーションという考えは、ビジネスだけではなく、家庭や友人関係にも広く置き換えることができる考えです。
自分を大切にし、相手を尊重するという根本的なコミュニケーションができれば、人間関係はもっと円滑に幸福に暮らすことができると思います。

 

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「言いたいことが言えない人」のための本―ビジネスではアサーティブに話そう! (DO BOOKS)

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