ユーザーレビュー

ビジネス関連書籍の紹介日記です

友だちをつくるな 千田琢哉

この本は、「人間関係」「仕事術」「勉強法」等、数多くのビジネス書、自己啓発書を書かれている千田琢哉氏の著書です。「友だちをつくるな」という刺激的なタイトルですが、自分の人生を豊かにする上で、また仕事で成功する上で大切な心掛けについて、多くのヒントを得ることができる本です。
結論から申しますと、本のタイトルからは意外かもしれませんが、著者は決して、「友だちなんていらない」「自分一人の力で生きていける」などという浮世離れした主張をしているわけではありません。

 無理に「友だちをつくろうと」して、人数ばかり多くの友だちを建前上作っても、それは本当の人間関係ではないし、むしろ害悪であるということです。「友だちをつくろうと」して無意味な付き合いや、惰性の付き合いをするのではなく、個々人が孤高に努力をしたり、何かに打ち込んだりする中で、結果的に、一生ものの本当の友だちができると筆者は主張しています。

具体的には、「1 いま友だちがいなくても心配はいらない」の章では、筆者が本書で、読者に伝えたいことのダイジェストのような内容が書かれています。それは上記のような、本当の友だち、一生ものの人間関係とは何か、という点です。友だちをつくろうと、あくせく異業種交流会にいったり、名刺を配り歩いたり、気の合わない同僚・友人らと無理にだらだら付き合いをする必要など全くないということが書かれています。こうした「一般的」な付き合いをしていないと、確かに表面上は「友だちが少ない」状況になるかもしれませんが、筆者はそれで全く心配はないとしています。では本当の友人はどのようにできるのか、それについての筆者の経験をもとにしたエピソードも記されています。
「2 群れるから人生の悩みが増えるのだ」の章では、そもそも私たちはどうしてこんなにも、人間関係における悩みが多いのだろうか、という点について、筆者の考え、思考の転換の勧めについての記載がされています。その中で筆者は、人生における悩みのほぼすべては、人間関係にしがみつくことに起因していると分析します。そして私たちがしがみつきがちな人間関係とは、実はしがみつく必要など全くの無いものであるということを説明されています。

「3」「4」の章では、これまでの筆者の説明を前提にしたうえで、男女関係を例に挙げ、具体的に「こんな人間関係は避けるべき」という点について、筆者なりの分析・主張がなされています。
最後に「5 孤高に輝くと、人生はこんなに楽しい」の章では、つまらない人間関係の悩みに煩わされ、気乗りのしない付き合いに振り回されるのをやめ、孤高に伸び伸びと自分のしたいことをすれば、それだけで人生は豊かなものになるし、きっと素晴らしい人間関係に巡りあえるということが記されています。

群れる必要はない

私はフルタイムのサラリーマンをしながら、ある国家資格の勉強をしていました。結果的にその国家資格を取得することができ、無事、転職を果たしたのですが、働きながら勉強をしていると、人間関係の悩みは本当に尽きませんでした。具体的には、同僚や友人らから、「なんで遊ばないで勉強なんてしているの?」「ビジネスマンは仕事や勉強だけじゃなくて、人間関係が資本だよ」「飲み会からはじまるビジネスがあるんだよ」などと日々、揶揄されたり叱責されたりといった具合です。

この点について、本書で著者は、自分にとって無意味と思える友だち関係など継続させようとする必要はない、群れる必要はない、一生懸命自分のやりたいことに打ち込んでいれば、少数かもしれないが、本当の素晴らしい友だちに巡り合えるということを主張されていました。上記のような人間関係に悩み、働きながら国家資格の勉強を継続することに負い目を感じていた私にとって、本書は非常に大きな精神的支えとなりました。
実際に私は、本書での筆者の主張に共感し、今は自分の将来のための勉強に邁進しようと決意し、勇気をもって、惰性の付き合いは絶つようにしました。もっとも、それにより仕事にあからさまな支障をきたすようなことはありませんでした。中には、付き合いを断ることで、露骨な嫌がらせをしてくる同僚もいるかもしれません。しかしそうした人間は例外で、多くの場合、私が悩んでいたよりもずっと、私が付き合いを断ったからといって、周囲は何とも思っていないようで、惰性の付き合いの重要性は低いのだなと実感しました。それどころか、勉強に打ち込めば打ち込むほど、本気の勉強仲間が自然と集まってくるようになりました。それぞれに自分の目標に打ち込んでいるわけで、会う回数は少ないものの、おそらく一生ものといえる友だちができるようになりました。

また、筆者は、人生における悩みのほとんどは人間関係に関する悩みであり、そしてその大半は、人間関係にしがみつくことに起因する悩みであると分析しています。この主張にも、私は本当に励まされました。先ほど私は、「勉強を継続することに負い目を感じていた」と申し上げましたが、確かに思い起こしてみると、私の悩みのほとんどは、「今日も飲み会を断ってしまって悪かったかな」「付き合いを断り続けていると仕事もやりづらくなってしまうかな」「友だちが離れて行ってしまうかな」というものでした。前2者については、上記のとおり、結果的に、遊びに誘ってくる相手方は何とも思っていないようでした(結局のところ、その程度の人間関係であったということが明白になりました)。また、後1者については、確かに離れていった友人らもたくさんいました。しかしそれも、自分の成長のためには必要なことであるし、そこに「しがみつく」必要な無く、それで離れていくならその程度、と考えることができました。

結果的に私は資格取得を達成できましたが、周囲の「友だち」に惑わされて目標を諦めることなく、本書に励まされ、我が道を進むことができ、本当に良かったと思います。

目標があってそれに向かっている方におすすめ


本書は、現在、国家資格等の取得を目指して勉強している方、あるいは何か自分のやりたい勉強・趣味に打ち込みたいが、同僚や友人らの目が気になり、思う存分打ち込むことができていないという状況にある方におすすめです。特に、社会人で働きながら何かに打ち込もうとしているが、周囲の理解がなかなか得られないという方は、それに惑わされ、自分の目標を追うことを諦めてしまう前に、ぜひとも本書を読んでいただきたいです。

人生において何を重視するかは人ぞれ、正解はないと思いますので、日常の人間関係を重視するという考え方も否定はできないと思います。そうした生き方を否定するのでは決してないですが、もし何かをしたい、けれども周囲の目が気になって…あるいは妨害を受けているような気がして…と思う方は、ぜひ、一度本書を読んでみることをおすすめします。その上で、著者の主張に共感して進むか、あるいは著者の意見には賛同しかねると考えるか、その選択は人それぞれかと思います。
本気で何かを目指したいと考えている方にとっては、きっと、自分の目標を追うことの大切さ、そのために犠牲にするように見える人間関係は、それほど重要なものではないこと、むしろその先に、本物の人間関係が待っているという筆者の考えに、励まされると思います。
また、特に何かを目指しているわけではないけれども、職場や学校の人間関係に悩んでいる方にもおすすめと思います。著者のいう、人生における悩みの大半は、人間関係にしがみつこうとすること、という点に気づくことができれば、いま仮に友だちが少ない、なかなかできない、と悩んでいる方にとっても、きっと思考転換をするヒントになると思います。

gendai.ismedia.jp

togetter.com

友だちをつくるな

友だちをつくるな