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伝説のトレーダー集団 タートル流投資の魔術 カーティス・フェイス

この本は、伝説のトレーダー集団と呼ばれたタートルズの中で最年少にしてトップレベルの成績を収めたカーティス・フェイスが書いたトレード指南本です。優秀なトレーダー集団を作ることはできるか。優秀なトレーダーは育成できるものなのかという二人のカリスマトレーダーであるリチャード・デニスとウィリアム・エックハートの賭けから始まったプログラムでした。この本が出版されたのが2007年。そこからさかのぼること20年前にこのプログラムは始まりました。

リチャード・デニスとウィリアム・エックハートは先物取引を行うトレーダーでした。今でこそ投資と投機については一般的なマネーに関する本でも紹介されていますが当時はその差が曖昧でした。

投資とは、この場合は株式を例に挙げて説明しますと企業の価値に焦点を当てて行う取引になります。主に長期的に持ち続けるという前提で行い、企業の価値に焦点を合わせていますので配当や業績を重視して日々の株価も注意するにはするのですが企業の本来の価値よりも現在の株価が割安であれば買い増しをして保持し続けるというスタンスをとります。投機、トレードとも言いますが、こちらは業績や企業の価値のことは一切考えずあくまで注意するのは株価のみで短期的な売買で利益を上げていく手法になります。タートル流投資の魔術で前提とされているのはこのトレードになります。

トレードをするうえで最も必要なものである売買ルールとメンタルコントロールについてそれぞれの章で陥りやすい罠や対策を教えてくださいます。具体的には、売買ルールはトレードをする上でなくてはならないものになります。株を例にとって考えてみると一見無作為に動いているように見える株価も実は法則に従って動くことがあるようで、その法則を発見し売買ルールを作って取引することになります。と言っても売買ルールを作る際には様々な障害があります。

それは、必ずもうかるトレード手法というのはないからです。それについては理由はいくつかあるのですが最も多いのはトレーダーズ効果だと言われています。トレーダーズ効果というのはみんながみんなその手法を使うことによってその売買ルールが機能しなくなるということです。例えば、100円と150円を行ったり来たりしている株価があったと仮定します。通常こう考えるのではないでしょうか。100円で買って、150円で売れれば儲けられる。

しかし、株に限らず先物もそうなのですが売買できるのは売りたい方や買いたい方、別名売り気配、買い気配があるから取引できるのです。100円の値段がついていても100円で買うことができるとは限りません。もし、みんなが100円で買おうとしたら売り買いのバランスが崩れて100円では買えず売る時もみんながそのタイミングで売ろうとするので150円では売れずその下の値段でしか売れず当初より利益が下がってしまうのです。このほかにもさまざまなトレードで利益が上げにくい現象があるのですがそれについてまとめてあります。

売買ルールを設定し機能させることを学べる


役立った内容というのはやはり売買ルールを作るときとその作った売買ルールが機能しなくなる時があるということを指示してくれた章ではないでしょうか。売買ルールが機能しなくなるケースというのは大きく2つあります。まずはじめに市場自体の地合いといって相場環境が変わってしまい機能しなくなるケースです。例えば、ある株の動きがあるとしましょう。その株価は100円前後で動いており、半年くらいかけて1日に2~3円づつ上昇して200円に到達しまた下がるというような銘柄の場合はいわゆるトレンドフォローと言って株価に追随していく売買手法が機能します。長期的に見て安定しているし大きな株価下落や日々の株価の中でもほとんど値動きがないのでトレンドフォローのロスカットにも引っかかりにくいんです。ロスカットというのは買い付け価格よりもいくら以上下がったら売る、あるいは空売った株がいくら以上になったら決済するかというトレードの資産を守るための行為になります。

トレードにおいて最も避けなければいけないのは資金を失うか、トレードが続けられないような資金レベルになって取引を中止せざるを得ない状況になることです。そこで、設定するのがロスカットです。そして、相場の地合いの変化によって1日のうちに数十円も上がり下がりをするようになったらトレンドフォローではロスカットばっかりで利益が上げにくい相場になってしまうこともあります。ここで、この相場ではうまくいかないからトレンドフォローを辞めてしまうというのがトレードで陥る罠だと言っています。これは、統計学と確率で説明してくれています。30回の取引で25回負けたとしましょう。

それぞれの取引で100円の損としましょう。すると2500円の損になります。しかし、残りの5回でそれぞれ500円以上の利益が出れば利益になるのです。トレンドフォローは、勝率が低い代わりに利益がその分大きくなる傾向になります。しかし、このトレンドフォローを使いこなせるかという話になると疑問符が付くそうです。

それは、このトレード手法を考案したとしてもそれを実行するのが、実行し続けるのが難しいからです。それが2つ目の売買ルールが機能しなくなるメンタルの問題です。その説明には私たち人間の心の話しに入ります。希望や恐怖、貪欲、絶望があるからです。これ以外にもさまざまな心の動きによるトレード阻害現象が起こりますがこの4つにフォーカスして説明しています。

希望とは買った後上がるように思うこと。恐怖は、損が続くとどうせこの次の取引も損で終わると考えて取引を辞めると言う事。貪欲はまだまだ上がるからとルール上は売らなければいけないポイントに来ているのに売らないということ、絶望はこのトレーディングシステムは機能していないと思ってトレードをしないこと。ここで重要なのは次のトレードと今回のトレードは何の関係もないということ。そして、重要なのは売買ルールは自分自身で構築したものであり、勝率などを計算して作ったものであればそのルールは安易にやめるべきではないというのが書かれていた内容になります。将来的にルールが機能しなくなるかはわかりません。だからこそ具体的にどうなったら売買ルールを見直すべきかを組み入れる必要があると記されています。
このように、売買ルールの構築にあたって売買ルール上の問題とそれを扱うトレーダーの問題について書かれており売買ルールの構築にとても役立ちました。

株式やFXや先物取引などのトレードを始めようと思っている方におすすめ


これから、株式やFXや先物取引などのトレードを始めようと思っている方にピッタリな本だと思います。個別の専門書と違ってトレードを行う上で初心者の方が陥りがちな問題点について網羅していますし、それぞれの章で要点をまとめているのでストレスなく読むことができます。

それぞれの章でもっと詳しい内容を調べたいと思ったらトレーダーのメンタルに関する本でもっと専門的な本で勉強すればよいと思いますし、売買ルールをもっと洗練されたものにしたいのであれば売買ルールをシステム化する手法や資金のうちどれくらいを一回の売買で使用したほうがよいかといった資金管理について書かれた本やそれぞれの投資手法やテクニカル分析について書かれた本があるのでそれらの本を読む道があります。ただ、これらの専門書をいきなり読むのは難しいと思います。

まず、書かれている内容が難しいということと特にメンタルの問題に書かれた専門書によるとかなり深いところまで書かれていたりするので初めに読んでしまうとトレードにおいて売買ルールとメンタルの管理は同じくらいに大事なのですがどちらか一方に偏ってしまう恐れがあるのです。そういったことをなくすためにも一番初めには売買ルールとメンタルについて横断的に書かれており、なおかつそれぞれがどのようにトレードに有利にまたは不利に働くかを学ぶことができる本がよいと思います。

また、トレードの中級者以上であっても日々のトレードに追われて、今の自分の立ち位置が分からなくなった時や全く利益があげられなくなってしまったときなどに改めて読むのもよいかもしれません。トレードというのは孤独な作業で誰もミスを指摘してくれません。だからこそ、利益を上げているときはまあ安心できますが損をしているときはとても怖くなる時があるでしょう。そんな折、この本を頼りに改めて自分自身を見つめなおすきっかけになると思います。

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伝説のトレーダー集団 タートル流投資の魔術

伝説のトレーダー集団 タートル流投資の魔術

  • 作者: カーティス・フェイス,飯尾博信+常盤洋二,楡井浩一
  • 出版社/メーカー: 徳間書店
  • 発売日: 2007/10/17
  • メディア: 単行本
  • 購入: 14人 クリック: 154回
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