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ビジネス関連書籍の紹介日記です

10年後の仕事図鑑 堀江貴文・落合陽一

数々の事業を立ち上げる屈指の実業家である堀江貴文氏(SNS media&consulting 株式会社ファウンダー)と、研究者・ 教授・メディアアーティストなど数々の肩書きを持つ落合陽一氏の二人による一冊です。

インターネット、AI(人工知能)、仮想通貨などの発展により、今後我々の生活にどのような影響が及ぶのかを、様々な仕事に具体的に当てはめて解説しています。
チャプター0では、今まで普通だった終身雇用などの慣習が、これからの時代に通用しないことについて言及し、”画一的な幸せのロールモデル”がこれからの時代に存在しないことを注意喚起しています。

チャプター1では、今までの慣習にあてはまろうとするのではなく、時代に合わせて、自身を常に変化させていくことが大事だと言います。また、AIに仕事を奪われることで救われる業界もあるとし、例えば深刻な人材不足が日本の課題としてあげられる介護問題も、低賃金などの環境の悪さも指摘した上で、介護の現場では人々の輸送や移動、安全管理に多くの資源を使いすぎているとしています。人間に出来ることは人間が行い、AIが出来る輸送や移動などの作業はAIに任せる「半人力半AI」の考え方で介護問題だけに止まらず、少子高齢化問題の多くを解決することができるとしています。

チャプター2では、「半人力半AI」の観点から、なくなる仕事、変わる仕事について具体例を挙げています。例えば、多くの職において管理するだけの管理職はAIで十分としています。また、過去の判例を元に判決を下す弁護士や裁判官も、AIの得意分野であり、これらに高い報酬が支払われる現状は淘汰される可能性があるとしています。他にも、公務員が現在行っている窓口業務も、スマートフォンで完結できるようになれば不必要とし「公務員=安泰」という方程式は今後数十年で崩れるおそれがあると言います。

チャプター3では、今後生まれる仕事、伸びる仕事について言及しています。まず、どの分野においても「その人にしかできない状況をつくる」ことが大切だとし、そのためには一つの分野に止まらず、強い分野を2?3個掛け合わせることで、その人にしかできない状況を作り上げることができるとしています。そのためには、勝ち負けではなく、好きなこと、没頭できることを見つけ、趣味のように取り組み続けることが大切だとしています。

チャプター4では、お金の未来について触れています。仮想通貨が始まった今、現金の必要性がなくなってきているとし、具体例として、露天商ですらQRコードを使ったスマホ決済に移行している中国を例に挙げています。また、クラウドファンディングなどのように、信用を簡単にお金に替えるツールが登場してきたことにより、これからはお金を貯めるのではなく信用を貯めるべきだと述べています。

チャプター5では、日本の未来の社会について触れ、現行の義務教育について否定的な意見を述べています。また、機械化により超高齢化社会も社会の無駄もなくなるとし、テクノロジーが社会を快適にしていくと言います。

チャプター6では、これらをまとめて、AI時代に求められる、人生における幸福について再定義しています。食べていくために嫌な仕事を選ぶのではなく、新たに登場した様々なツールを自分で駆使して、遊びを極めて発信して仕事にしていき、今を生きることに専念すべきだと訴えかけています。


未来を考えることで今を生きる意味を再認識できる

インターネットの発展やAIの登場により、10年後どころか2.3年後のことすら予想も出来ない今、未来の社会の生き方の見通しが立たず、この本を読むまでは正直未来のことを考えるのが不安でたまりませんでした。しかし、冒頭で堀江氏が、「未来を想像したところで、その通りに実現することなんてありえない。未来を想像して怯えるなんて暇人のやること」「今この一瞬に全力で向き合い、心の底から楽しむことが、命を与えられた私たちの使命なのではないだろうか」と力強く述べていた言葉に衝撃を受けました。その上で、今まで当たり前とされていた大企業信仰や現在の就活システムを否定し、これからの時代に必要な考え方を具体的に指し示してくれるような言葉がたくさん述べられてあり、非常に励まされるような内容でした。

 

AIに奪われる仕事、またAIの登場により新たに生まれる仕事や伸びる仕事について言及している部分においては、AIは現時点ではまだ脅威ではないが、AIが人間のように5本指を持ち始めてからが本当の脅威と語っています。また、AIの登場により、今ある仕事が「奪われる」と思っている時点で搾取される側の人間であると説き、自分の価値をAIと同じレベルに下げず、AIを使いこなして「価値を生み出す」側に立たないといけないと語っています。本書では、AIの登場や社会の変化に対してネガティブな表現はほとんど使っておらず、「だったらAIを利用して◯◯しよう」とか、「だったら提供しているコンテンツにもっと自分自身にしかない付加価値をつけよう」など、未来を切り拓くポジティブな表現が多く、こういった考え方が人生を豊かにするのだなと感銘を受けました。

 

特に、「お金」や「仕事」に対しての筆者達の考え方は新鮮で、お金ではなく信用を稼ぐという考え方は今までしたことがありませんでした。これからは、給料の額ばかりに捉われず、その仕事が自分の市場価値を高めてくれるものか、信用を作り上げるのに役立っているのかに着目しながら仕事を選びたいと思います。「好きなことに没頭するだけでいい。それが将来仕事になる。」という部分に対し、最初は懐疑的ではありましたが、「100人に1人になれる分野を3つ突き詰める。そうすることで100x100x100=1,000,000分の一の存在になれる」という考え方で納得がいきました。どう考え、何を掛け合わせて、どういう価値を生み出すのかを実際に発信して実行していくことが、急激に変化する今の時代に適応するための方法なのだと感じました。

 

今までは、想像もできない未来に対し、なんとなく不安を抱いてなんとなくもやもやするだけで、具体的な解決策も思い浮かばずその日その日をなんとかこなす毎日でしたが、本書を読んで「今を生きるべきだ」という意味がわかり、すごく生きることが楽しみに感じることができました。そして、未来に対してワクワクしながら迎えることができるような気がしています。それが、本書の中で一番役に立ったことです。

 

スピードの速い現在を生きるすべての人におすすめ

本書は言わずもがな、これからの多動の未来を生きていく全ての人に対して必読書であると言えます。誰もが予想できないAI時代の到来に、最新のロボットテクノロジーを研究している落合氏と、常にクリエイティブな視点で物事を切り拓く堀江氏との最強タッグで書かれた、未来への教科書であると言えます。

また、「10年後の仕事図鑑」というタイトルではあるものの、特に堀江氏が一貫して述べているのは、「今をどう生きるか」ということです。先ほども述べた通り、堀江氏は「未来を想像して怯えるなんて暇人のやること」であったり、「未来のことを考えるのが嫌いだ」とまで言及しています。

 

現状に満足していなかったり、やりたくもない仕事を嫌々やっているような人には、特におすすめできる一冊でしょう。今を生きるために、これからの多動の未来を生きていくために、自分の身にならないことをやり続けることがどれだけ意味のないことかを本書が教えてくれます。そして、もっと自分の「好き」と向き合い、やりたくてたまらないようなことに没頭し続けて、それが仕事に出来てしまう時代が到来するなんてことを知ってしまったら、今の環境を今日にでも変えたくなってしまうことでしょう。

ビジネスマンのみならず、将来の選択に迫られる学生の皆さんにも、読んでおいて損はない一冊でしょう。将来の道を親や先生に伝えた際、ステレオタイプな意見に押しつぶされそうになるでしょう。大企業に就職したり、公務員を目指したり、「これが正解!」とでも言うように道を示したがるでしょう。でも、この本を読めばそれが過去の産物であり、これからのステレオタイプではないことに気づくはずです。

本書はこれからの人生への不安をワクワクに変換してくれる、魔法の一冊であると言えます。

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10年後の仕事図鑑

10年後の仕事図鑑