ビジネス書籍ユーザーレビュー

ビジネス関連書籍の紹介日記です

マンガでやさしくわかる アドラー心理学 岩井俊憲 深森あき作画

この本は自己啓発のために本を読む方のためのものと言えます。「自己啓発の祖」とも言われる心理学者アドラーの視点を生かし、解説を加えながら編集されています。特徴的なのは難解な理論を中心にしたものではなく、マンガで分かりやすく、親しみをもって解説されている点です。その漫画の主人公は普通の若い女性です。

日常の様々な場面で悩み、考え、よりよく生きようとする主人公です。この主人公を通し、読者にアドラーの考えや理論を伝えようとしています。

アドラーは次のような言葉を残しています。「人間は自分の運命の主人公である」と。この言葉が象徴するアドラーの主体的で、自由に生きていける自分を作っていくための考え方を学ぶ、その一助にしようという姿勢を感じることのできる本と言えます。

分かりやすく読むストレスの少ない漫画に、解説が添えられているというのがこの本のスタイルです。登場人物を挙げましょう。先に書いた28歳の女性はある年のお菓子屋さんで働いています。この女性が主人公として描かれています。彼女は同僚にライバル心をもつ勝気な人物として描かれています。その女性が困難な場面に遭遇した時に登場するのが、年齢不詳のアドラー先生です。この漫画では幽霊として扱っています。面白いところです。

他に29歳で、主人公の同期の同僚、加えて44歳の女性店長、最後に部下思いの上司が登場します。この職場で主人公は対人的なストレスや、仕事上のストレスと戦いながら生きています。この本を通して期待されることは、アドラーの心理学の全体像がつかめるという点です。ひいてはそれを生活の上で実践できるという点が挙げられます。こうした点が読者を勇気づけると言っても過言ではありません。本の構成を見てみましょう。

このような流れと言えます。アドラー心理学の全体像に目を向ける。同心理学の理論的側面を理解する。アドラーの人格や、人となりを理解する。日常生活における課題に目を向ける。原因を探るという視点ではなく、目的に向かってどう進むかという視点を見に着ける。自分自身を認めることのできる心を育んでいく。以上が主な流れです。このような導入から、次第に詳細な論点を提示しながら、かつ、マンガで分かりやすく解説します。つい人が持ちがちな思い込みや、人の感情のことにも触れながら、幅広く生活の中で直面する困難さに対処できるものの見方が描き出されています。

巻末にはアドラー心理学の特徴的な一面「勇気づけ」にふれ、自己と他者の交流への基礎となる考え方を解説しています。分かりやすく、楽しみながら大切なことが学べる本と言えます。

短所を長所に置き換えるアプローチ


コンプレックスに代表される自己意識としての自己評価は、長い間に培われるものと言えるでしょう。この困難な側面に意外な点からのアプローチがこの本の解説文にあります。「短所を長所に置き換える」ことを勧めています。

例えばこうです。先にマイナスな言い方を描いてみましょう。あの人はおしゃべりだ。それをあのひとは情報発信力があると言い換えてみます。あの人は短気だ。それを言い換えてみます。あの人は思いをそのままストレートに表すことができる。もう一つ挙げてみます。あの人は威張っている。言い換えてみます。あの人は指導力がある。このような見方をこの本で紹介しています。なるほどと思います。

こうした見方をすれば、日常生活で出会う困難な状況や、困難な相手に対して、断定的な思いも和らぎ、公的的な思いも湧いてくるというものです。この見方はずいぶん役立ちました。項目をもっとたくさん作っていけば、目に浮かぶストレスを感じる人に対する思いも変化するかも知れません。決めつけても仕方ないと。その向こうにまだ見えていない、相手のいいところがあるのかも知れません。また、ストレスの大半を占めるかも知れない対人的なストレスについてです。本書にはこのような点に役立つものも見られます。憎しみや拒否感の中では困難かも知れませんが、次のようなアプローチを勧めています。相手も人間の尊厳という視点からすれば、尊敬に値すると思って接することだと。

そうかも知れません。こう思うだけで巻き込まれなくなって、客観的に相手を見れます。また、一緒に問題解決をしていると気付く、これによる仲間意識が、ある困難さを解くかも知れません。心ひとつで生活は変化するのかも知れません。この本には示唆に富む記事がたくさんあります。一番最後に、人へのストロークの出し方という記述があります。ほめる、良い点数を相手に与えながら関わる、今やっている「プロセス」を大事なことだと考える。失敗を悔やまずに肯定的に受け入れてみる、どれも冷静になればできそうだと感じます。心理的な葛藤を振り返って認識することはなかなか難しいものです。そのような辛い時間に身を置き続けることより、このような本を読みながら、新しい視点や「思い」のきづいた方が価値はあると思えます。先に書いたように、この本は心理学的な分野でその地位を確立しているアドラーの心理学を基本に執筆されています。その意味でも読むに値する良書だと思います。


まじめすぎる人におすすめ

この本をどんな人に勧めることができるだろうかと考えてみました。すぐに浮かんで来たのがまじめすぎると言われる人です。このようなタイプの人はきっと何かに適応することを価値のある大事なことと思っておられると思います。適応だけでなく貢献もです。半面、心のどこかで自分を大事にしない傾向はないでしょうか。そういう方にはこの本はお勧めです。対人的な場面で、常に相手を優先しているととても大変です。気持ちは分かりますが自分を守ることは大事なことだと思います。この本を読んでいくと、登場する主人公の、課題に直面した時と、一呼吸おいて省みて、スタンスを買えて新しく物事に向かっていく様子が良く分かります。

このことを見ていくと、今までの自分と、これからの自分を考えて、より肯定的に自分を見る心を養い、進むことの大切さを感じることができます。繰り返しになりますが、まじめすぎると言われる人にお勧めです。読書は時間がないとなかなか難しいものですが、この本がマンガで読みやすい点が貴重です。

心はある外的な要因で刻々と変化するものと言えるでしょう。しかしそのように、一喜一憂せず過ごしたいものです。そのためにも新しい視点を取り入れることは有効です。年齢や、生きてきた中での生活体験、性格、性別などについて考えた上で、総合的な判断もしやすくなることでしょう。

一概にくくった言い方は慎むべきでありますが、、この本をめくった方は、そのような断定的なものにはあまり関係のない本だとすぐに判断されることでしょう。その意味でも貴重な本だと思います。柔軟な思考、認識へといざなってくれることでしょう。

lifehack2ch.livedoor.biz

マンガでやさしくわかるアドラー心理学

マンガでやさしくわかるアドラー心理学