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日経1年生! 長谷部瞳と「日経1年生!」製作委員会

『日経1年生!』は、祥伝社黄金文庫より2008年4月20日に出版された書籍です。
著者は、「長谷部瞳と「日経1年生!」製作委員会」。
本書は、2008年当時累計200万ダウンロードを記録した大人気ポッドキャスト『長谷部瞳と「日経1年生!」』を文庫本として再編したものです。

『長谷部瞳と「日経1年生!」』は、“世界一わかりやすい経済の番組”を理念として掲げていた番組です。配信当時の身近な話題――百貨店再編、サブプライムローン、東証――などを足がかりとし、それらニュースを経済的な視点でわかりやすく解説していました。

 番組は、先生役のパーソナリティ・西川靖志さん(日本経済新聞社)が、ゲスト役である経済的知識のほとんどない「日経1年生」であるタレントの長谷部瞳さんに対して説明していくという番組でした。
長谷部瞳さんは、日本経済新聞社のイメージキャラクターに起用された他、「王様のブランチ」や映画「ハッピーフライト」のキャビンアテンダント役として有名です。

同番組を書籍化した『日経1年生!』は、ポッドキャストの形式に乗っ取り、対話方式で構成されています。“わからないことはわからないと言おう”という合言葉のもと、「東証って何してるところなの?」という基本的なところから解説があり、対話形式のためとても読みやすくなっています。
また、書籍化に際し、番組の構成上省かれてしまった補足や図説、ちょっとした小話などが掲載されているため、経済・金融の知識のない方に対しても非常に親切なものとなっています。なにより、ポッドキャストと異なり読み直しがしやすいことは大きな利点と言えるでしょう。

日本経済新聞のコラムや、初心者はまずこの面だけ読め! といった日本経済新聞に特化した話もあります。日本経済新聞というと「難しい新聞」「堅い新聞」というイメージがありますが、同新聞を「面白く」読むための知識が目白押し――、ということですが、他紙やニュース番組などの理解に役立つ知識にももちろんなります。

また、同じく「長谷部瞳と「日経1年生!」製作委員会」から『日経1年生! NEXT』、著者を「「西川里美は日経1年生!」編集部」に変えて『西川里美の日経1年生! 腑におちるまでとことん経済を学ぼう』がシリーズとして発売されています。

特に、『日経1年生! NEXT』は、ポッドキャストでの内容を話題別に再編集してイラストや図表を配置し更に分かりやすくなった第二弾です。
第一弾を読んでいることを前提とした話題もあり、かなり長谷部瞳さんの成長もあり鋭い視点での経済問題への解説もあります。
経済・金融の基本的な知識に自身のある方は、こちらから読んでもいいでしょう。


経済・金融に関しての幅広い知識が得られる

『日経1年生!』は前述の通り、大人気ポッドキャストを文庫本化したものです。
あまり類をみないこの出自は、「リスナーからの質問」という形でその強さを発揮しています。
例えば、「上場ってどういうこと?」という項目の場合、まずは西川さんと長谷部さんのやりとりを通して「証券取引所での株の売り買いが可能になること。そうすることで、株の価格に客観性が出て、流動性が高くなる」という説明がなされます。
そこで、リスナーに対しても“わからないことはわからないと言おう”を掲げる同番組に、「未上場のデメリットは?」という質問が入ることで、より包括的で多角的な知識を知ることができるようになっています。
ちなみに、未上場の場合は、当人間の直接トレード(相対取引)となり、客観性が少なくなるため個人の「目利き」の実力差が大きくなってしまうというメリットとデメリットの両面がある解答がなされていました。

本書は経済・金融に関しての幅広い知識が得られる他、詳しく解説されている内容に関してはかなり深い部分まで知ることができます。
多くの人の質問に支えられている番組のため、その話題を自身が話さなければならない時に突っ込んだ質問をされても答えやすいのではないでしょうか。

一部ですが、『日経1年生!』には以下のような内容が書かれています。

◆ ジャスダックとは?
◆ 「ライブドア」はどこが問題だったのか
◆ 百貨店の再編でライバルが手を組んだ理由は?
◆ 「資産」ってなに?
◆ 日本の株価に、なぜアメリカのサブプライムローン問題が影響するのか
◆ 東京証券取引所では何が行われているのか
◆ 日本経済新聞の読み方、仕事や就活への活かし方

2008年に発行された文庫本のために、話題としては少々古いものも混ざっていますが、金融の基本的な知識は変わっていません。
全体を通して、ローンや株式、ユーロなど、お金そのものに関する知識が多いのも特徴です。
例えば、昨今話題に挙がっている株主優待制度のメリットとデメリットなども解説されている(株主優待により買われやすくなるが、株主優待を使った途端に売る人もいるため、発行額の小さい会社だと株価の乱高下を招く可能性がある)ため、現代の経済ニュースに対してもより深い理解ができるようになります。

本書を読むことで、“わからないことはわからない”がモットーの番組を下敷きにしているため、上司や同僚との会話で“わからない”が減ります。
また、それ以上に、本書に書かれている話題となった時にしっかりと“わかる”と言えることが増えることを実感できると思います。

続編の『日経1年生! NEXT』は更に“わかる”が増えるような内容であり、生徒役のパーソナリティが西川里美さんへと変わった『西川里美の日経1年生! 腑におちるまでとことん経済を学ぼう』は復習を兼ねて“わからない”が減るような内容です。
もし『日経1年生!』を読んで気に入った場合は、こちらもおすすめです。

 
日本経済新聞の読み方が分からない方におすすめ

『日経1年生!』が対象にしている読者は、やはり第一には「経済・金融の知識がなく、日本経済新聞の読み方が分からない方」です。
なぜアメリカの失業率や自動車販売数が大きく発表されるのか、日経平均株価とは何かといった、経済ニュースの内容が分かるようになります。

現在お勤めになられているサラリーマンの方はもちろんですが、「大人ならば知っていないと恥ずかしい」ような知識も多いため、ビジネスマンのみならず20代以上の方……あるいは、最近では18歳以上の成人の方全員におすすめできるといっても過言ではありません。
20代後半になり、ですが経済知識にあまり自信がない方はこの1冊、またはシリーズの3冊を読むことでかなり自信がつくのではないでしょうか。
特に社外の人間と話すことの多い部署の方は、恥が自身のものだけとならない可能性もありますが、反面、会社の顔として自身の知識が会社の評価へとつながるためその両面からおすすめできます。

また、個人的に読んでいただきたいのが就活を控えた大学生の方です。
就活につきものの面接時に話せるビジネスに関係する内容が多くなることで、「私の人生を変えた1冊」になるかもしれません。
書かれている内容と2008年発行という少々古い話題ということから、あまり10代の方には面白くないかもしれませんが、経済・経営学部への入学を考えている高校生の方にはぜひ読んでいただきたい1冊です。

全く経済知識がない状態から読んでも理解できるよう配慮のされている入門に最適の1冊ですので、大学生、高校生の子供がいらっしゃる親世代の方に関しても、大人びてきた子供に勧めるプレゼントとしての購入を検討してみてもいいのではないでしょうか。

blog.gururimichi.com

日経1年生! (祥伝社黄金文庫)

日経1年生! (祥伝社黄金文庫)