ユーザーレビュー

ビジネス関連書籍の紹介日記です

コンフォートゾーンの作り方 苫米地英人

本書は脳機能学者の苫米地英人氏の著作であり、目標達成のための方法が書かれた本です。目標達成の方法について自信の経験や根性論からではなく脳機能の観点から書かれた本で、脳がどのように外の世界を認知しているのか、脳が自我を維持するために行なっていること等を解説しながら、どのように目的達成のために脳に働きかけて行くべきなのかが説かれています。

前半は脳がどのように現実世界を理解しているのかが記されています。脳は人体の中で最もエネルギーを消費する器官で進化の過程でなるべく、エネルギーを使わずに効率よく働けるように進化しました。その進化の結果生まれたものの一つがスコトーマと呼ばれる機能で目や五感から得られる情報を全てピックアップするのではなく、自分にとって大事だと設定されている情報のみを認知する働きがあります。こうすることで、脳がエネルギーを使いすぎてしまうのを防いでいるのです。どの情報が大事なのかを定義するのが自我で、これは過去の経験からなるべく現状維持するために設定されています。過去に手痛い失敗をして悲しい想いをした経験等があると、なるべくその失敗を避けるような行動を取るようになることが例としてあげられます。この働きによって人間は自分にとって心地の良い現状維持の常態であるコンフォートゾーンに安住出来ます。

コンフォートゾーンは、悲しい失敗の記憶や、嬉しい出来事など強い感情をともなった情動記憶や、半分無意識に自分に向って語りかけるセルフトークによって強化されます。これは原始時代にまだまだ人間の身のまわりに危険がたくさん有った時代から残っている機能で、氏によるとこれらの働きは現代社会で目標を達成する時に妨げになってしまうことがあるそうです。原始時代とは違い生きるか死ぬかという状況はなくなり、時として挑戦したりリスクをとって成長した方が良い時でもこれらの機能によって現状維持を選んでしまうことがあるのです。

著者はこの状況を変えるために逆にそれらの機能を使って目標達成するための方法を本書の後半部分で書かれています。それが本書のタイトルにもなっている目標達成に必要な「コンフォートゾーンの作り方」です。どういうことかと言うと自分にとって安住な状況であるコンフォートゾーンを目的達成に必要な設定にすることで、本来現状維持に必要なスコトーマなどの脳機能を目的達成に使ってしまうというものです。コンフォートゾーンを目標達成に必要なものにするには前述の情動記憶やセルフトークを使います。情動記憶は強い感情を伴った記憶なので、嬉しい、楽しいという強い感情をイメージしてそれを自分の目標を達成したときのイメージと一緒に思い浮かべます。

これを定期的に行なうことで情動記憶が自分の脳の中のコンフォートゾーンをずらして行き、そのコンフォートゾーンを維持するためにスコトーマ等の機能が働き始めます。人間は脳の中のコンフォートゾーンと現状が一致するように行動するので、無意識にコンフォートゾーンに合うような行動をとるようになると紹介されています。


日常の思考・行動を変えていくヒントになる

この本が役に立ったこと、またこの本から学んだことは目標設定の方法と行動の起こし方、自分の脳がどのように機能し自分の生活や仕事に関する思考・行動をコントロールしているかについてです。

まず目標設定の方法と行動の起こし方ですが、なかなか目標を設定しても現状の行動を変えられないこともあると思います。本書の中でも記述されていますが、目標を立てても結局心の底からその目標を達成しようと思っていなければ行動を変えることができません。人間の脳は基本的に現状を変えることよりも現状維持を好むので、間違った目標の建て方をすると結局、無意識に現状を維持するような行動を取ろうとしてしまいます。

この本に書かれている方法が優れているのはゴールのイメージを自分に持たせることで自然に目標達成に近づいて行けることです。その方法は自分に取って心地よいという状況であるコンフォートゾーンを変えてしまうものです。脳の中で設定されているコンフォートゾーンが現実世界での自分の行動を変えてしまうので、行動を変える努力をするよりもコンフォートゾーンを変える努力をするべきである理由が書かれています。

私も最初は行動を変えることに注意を払っていましたが、この本を読んでからは自分が心地よいと感じる状況を変える工夫をしました。具体的には自分が達成したい未来と達成した自分の状況について詳しく書き出し、毎日目を通しました。その結果あまり抵抗なく英語と自分が本当に取り組みたい分野の仕事の勉強を始め、海外でその仕事を始めることが出来ました。以前はこうしようと決意しても、結局は現状に引き戻されてしまっていたのが、自分にとって心地よい状況、つまりコンフォートゾーンを変える工夫をするとなんだか目標達成に対する努力をしていないのが気持ち悪いようになりました。ですので、特に苦しい思いをせずに行動を変えることが出来ます。

自分の脳がどのように機能し、自分の生活や仕事に関する思考・行動をコントロールしているかについてですが、この本を読んだ後は自分が思った以上にこの本に出ているような脳の機能が自分に影響していると感じることが出来ました。例を挙げると情動記憶という概念が出てくるのですが、これは強い感情と結びついた記憶をさし、この情動記憶が自分のコンフォートゾーンを規定しているそうです。

確かに、新しい企画を考えて会社の上司に強い叱責を受けたり、ある失敗をして周囲から嗤われて恥ずかしい想いをした時の記憶等は自分の中に強く残り、もうこの分野で新しい企画を作るのはやめようと考えたり、もうこのような失敗をしないように注意しようと現実の行動に影響しています。

それが失敗を防ぐように良い効果を示すこともあれば、新しい挑戦から逃げ腰になってしまうという負の影響もあることを改めて意識しました。本書にはこれだけでなく、様々な脳の機能が現実の行動に及ぼしている影響について詳しく記載されています。これらの脳の影響を意識することは、自分の思考・行動を変えて行くヒントになるはずです

 

目標がある方た何かを達成したいと思っている方におすすめ

「コンフォートゾーンの作り方」は何か達成したい目標がある方、現状に不満を持っており何とか抜け出したいと考える方にはおすすめです。ゴールを達成するまでにどのようにゴールを自分の脳にしみ込ませるのか、目標を達成した世界こそが自分にとって心地いい世界なのだということを自分に教えるために有用だからです。

また自分は決して満足していないのにも関わらず現状にいつまでも居続けてしまう理由も本書の中では解説されています。なので受験を控えた中高生や、これから人生の方向性について考える大学生だけでなく、現状に不満を持った社会人にも有用な本と言えます。ただ、目標設定の方法こそが目標を達成にとって重要と書かれているので、どんな状況でも根性で切り開いて行くという考えの人にはあまり合わないかもしれません。柔軟に自分の脳の機能を理解しながら、無理なく道を切り開いて行きたい人には向いていると言えます。

今まで自己啓発本を読んでも中々自分の行動を変えられなかったり、望んだ目標が達成出来ない等の経験をした人にはうってつけです。目標を決めても正しい行動出来ない理由をこの本は解説しているので、今までの自分の失敗のケースを振り返りながら読んで行くと自分の行動と脳の機能の関係を理解出来るはずです。その上で、目標達成が行動を確実に変える方法を知ることが出来るでしょう。


また単純に我々の脳がどのような機能をもっており、仕事や生活の場面でどのような働きをして我々の思考や行動をコントロールしているのかに関心がある方にも是非読んで欲しい本です。

この本に書かれている内容は今日から実践出来る内容ばかりですので、この本を読めばきっと自分がもっている目標に沿って思考・行動を変えて行けることでしょう。

hikakujoho.com

コンフォートゾーンの作り方【聴くだけで目標達成できる!CD付】?図解TPIEプログラム?

コンフォートゾーンの作り方【聴くだけで目標達成できる!CD付】?図解TPIEプログラム?