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対人関係のイライラは医学的に9割解消できる 松村浩道

人間関係や仕事をする中で、誰しも日常的に"イライラ"と大なり小なり付き合いながら生きています。
それが些細なストレスであれば、不機嫌になったり泣いたりと表象化せずに忘れてしまうものですが、誰しも人生で一度は「考えても仕方ないのになぁ」とか、「また怒っちゃった、嫌われたかなぁ」なんて思って、自分で合理的でないと分かっていながら"こういう時いつもこうなっちゃうんだよなぁ"という部分を、イライラをはじめとして能動的に「こうすればそういった傾向を改善できるかも知れない」と、脳の神経伝達物質レベルから、いわゆる自己暗示とも言うべき「こういう時はこう考えるようにしよう」「こう捉えるようにしよう」という、よく効く"ただのプラス思考"のレベルをはるかに越えた考え方の尺度まで紹介している。

他にも、自分だけでイライラに対処しきる事が難しければ、周りへそれを理解してもらいやすい話の聴いてもらい方などが、脳科学・心理学的な知識をバックグラウンドに、筆者がいくつも例示している。この本を実際に手に取ってみて「他のよくある胡散臭いだけの自己暗示系啓発本と違う」と感じたのは、脳科学的な視点で、「~~なのに~~な時は、脳の~~のバランスが崩れているかもしれない」とか、それをただ筆者が推測して終わりではなく、睡眠や基本的な健康の習慣を見直す事で変えてみる事を提案してくれている。

こういった啓発本は私の印象として、「いや、それはあなたに合ってるってだけで、実際問題この本を手に取る私達の生活にマッチするかは別問題でしょう」と言いたくなったり、結局は根性論や努力主義の熱いトークで終わってしまっていたりと、そういう事がよくあると私は思う。しかし、筆者自身やその周りでの実践に基づいており、根性論で終わらせず、「そこで根性を出せないのは、脳の○○が△△だからかもしれません。

そういった場合、□□が盲点になっている事が多く、~~~~」というように、この類の本では珍しく、根性を出せない事自体にも救いの手を差し伸べてる。私は、ADHD(注意欠陥・多動性障害)を持っているので、いわゆる実行機能障害が日常的に起こっている。

だから、千円二千円払って、「本気でやろうと思えばできるはずです。意思さえあれば、どうにでも」という語り口でその章を終わられてしまうと、損した気分になる。実行機能障害についてはもちろん、「やらなければいけないのにできない」 「怒っても仕方ないのにカッとしてしまう」といった脊髄反射的な感情を、そういった脳科学や人体のホメオパシーの知識をバックに、アプローチの例を提案してくれている。筆者の経歴は簡単に調べられるので、調べてから試し読みなどをしてみるといいかもしれない。


やる気スイッチを意図的にオン・オフすることでストレスを軽減できる

私は、ADHD(注意欠陥・多動性障害)を持っており、その治療が医師の処方する薬だけでは対処をしきれず、日々、実行機能(いわゆるやる気スイッチ)障害や、不注意、突発的な発言などが自分の医師で統制できず、21年間もの間ずっと困っていた。この本を買った理由は、自分の脳内のどの神経伝達物質がちゃんと働いていないのか、あるいは、どれが過剰なのか。それを知る事でどの対処法が一番理に適っているのかという手がかりが得られるのではと感じたからだ。

こういった事は、人によって体質が違い過ぎるため、主治医もなかなか症状を病理学的に説明する事において"仮説"が伴う。そこから起こる患者の自分の症状に対する誤解を、医師は恐れているので、全く教えてくれないのだ。しかし、この本を読んで、自分の脳の神経伝達の向上性を疲弊させていたのは、ストレスを感じた時に副腎が分泌するコルチゾールによるものが大きかったという、おそらく確かであろう推測ができた。この本の説明を読んで、「そりゃそうなるだろうな」と、自分の過去の謎のイライラと脳の疲労感の正体に気付く事ができた。これは、私のように物心が付く前から謎の"できない"に悩まされ、怠けものだと大人や周りに言われてきた人間にとって、とてもワクワクするものだと思う。なぜ出来なかったのかが分かれば、どうすれば出来るかのヒントが得られる。しかし、その「どうすれば出来るか」の部分というのは、ほとんどが敷居の高いもので、簡単にできるものではなかったりする。

しかし、この本を読めば、多くの人がやる気スイッチを意図的にオン・オフにする事に対して、少しでもヒントが得られるものであろう。私は、この本を読んで、コルチゾールの分泌を抑制するサプリメントと、副腎の疲労を回復するサプリを購入した。結果、イライラに気付いたとしても、30分時間を貰えれば、軽くする事ができるようになった。サプリのお金はかかってしまうが、自分の中での緊急処置があるかないか。この部分で安心感が違うため、「イライラしちゃったら飲めばいいや」と、前よりも他人とのコミュニケーションに積極的な気持ちを抱くことができるようになった。

ストレスを感じて、コルチゾールが分泌されない人間など、この世に一人もいない。なぜイライラが起こるかというのは、決まっている事なのだ。だから、対象となるストレッサーにストレスを与えられても、少しくらいじゃコルチゾールが溢れないように、サプリで統制してしまえばいい。

極端だが、私の一つのストレングスたる考え方になった。これから、この方法がどれくらい私の人生で通用するのか考えをめぐらして過ごしているが、わからなくなってしまったらまたこの本を読み直し、自分の生活習慣の中で何が良くなかったのかを復習してから、一緒に読んだ家族と相談をしたり、その知識をもとに医療機関にかかったり、色々できる事が増えた。

 

やる気がでないと思っている人におすすめ

私は、うつ病を併発しているタイプのADHD(注意欠陥・多動性障害)だ。その私から見てだが、わかっててもコントロールできない気持ちの沸き起こりに迷っている人であれば、知っておいて損は無い知識が絶対にあると思う。それは、睡眠や食事を摂らずに生命を維持できる人がいないのと同じ理屈で、どんな人にも当てはまる脳の恒常性の観点から語っているからだ。

これは、私のようにうつ病やADHDを抱えている人に限らず、受験や資格試験などで勉強をしている人にもおすすめできる。「勉強しなきゃいけないのに、今日は何だかやる気が出ない」という状態も、なぜ何だかやる気が出ないのかに少しでもヒントが得られれば、学習の機会損失を大幅に減らしていけるだろう。

また、この本を手に取って、すぐに自分の生活の中で現実的に考えて組み込む構図が見えてこなかったとしても、全くただの理想論という印象にはならないと個人的に思う。知っておくだけでも、自分のメンタルヘルスの維持に対して、頭の中で「もしこうなったら」と対策のヒントを記憶に蓄積しておけると感じる。例えば、受験で勉強に対してやる気が出ない時に、よくコーヒーを飲む人がいるが、一方でしばしば「コーヒーーは記憶によくない」「一夜漬けは逆効果」といった言葉をよく聴く。

こういった事が、もっともっと具体的に書かれていて、さらにはここでいうコーヒーを飲むことの代替手段まで一緒に筆者が考えてくれる。こうした視点で、私は発達障害や心の病、そして勉強を思うように進められていない人にこの本をおすすめしたい。きっと、"変えられない部分"を少しでも前向きに捉え、今後の人生でのトライアンドエラーの質を向上できるはずだ。

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対人関係のイライラは医学的に9割解消できる (マイナビ新書)

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