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ビジネス関連書籍の紹介日記です

グズをなおせば人生はうまくいく―ついつい”先のばし”する損な人たち 斎藤茂太

グズだと自覚してる方は思いの外多い傾向にあると精神科医である筆者はいいます。ちなみに辞書をひくと、はきはきしないで動作や決断が鈍いこと。また、そのような人やさまを表現する言葉とあります。しかし、グズにも様々なタイプがあり、悩みも症状も十人十色、皆バラバラで違います。筆者はこのグズというものについて多方向からアプローチを図り、アドバイスを4章にまとめて書いています。

 【第1章 今やればいいとわかっているのに…】では、原因を探りつつ自身の心がけで解決可能だと希望が書かれています。その中で興味深いエピソードがあります。ある老人ホームで医師や看護師から「責任をもってみなさんを介護しますから安心してください」と言われた病棟と、ホーム長が一貫して「入居者の自己責任で自分の身の回りや花の世話などをするようにしてほしい」と訴えた病棟がありました。1年半後、前者のスタッフが至れりつくせりだった等は44名のうち13名が死亡。一方自己責任を求められた棟は47名のうち7名が死亡しました。消極的になり、誰かの世話になって生きていくか、積極的に明るく自立して生きていくかでこのような差が出たといいます。グズにとってぬるま湯は居心地が良すぎて出られません。ぬるま湯はいずれ冷め、出なくてはなりません。

 

また、【第2章 内気でやさしい性格が、グズを育てている…?】では悩みが多いことは悪いことではないといいます。どういうことかというと、物事を深く考え、自分自身を反省したり、他人との関係を改善したりする”起爆剤”となるからだそうです。問題は悩みの解決に向けて行動しないことです。内気な性格のせいにして泣き言ばかり言ってみたり、社会や他人に自分の悩みの原因があると、誰かのせいにしたりすることが問題なのだそうです。自分の環境を思い切って変えて自身の内向性やグズな部分に風穴を開けてみるのもいいといいます。

 

そして【第3章挑戦する前に、「言い訳」するのはもうやめよう】は「やっても無駄」と諦めてばかりの人たちに向けて成功する人は皆努力を惜しまないと書かれています。愚痴や言い訳と決別し、前向きに取り組むことでプライベートだけでなく、ビジネスチャンスでも成功できることが書かれています。愚痴や言い訳のマイナス面として、言い出したらきりがなく、自分は無能ではないと主張できたという錯覚からくる満足感が得られ、習慣化しやすい”麻薬的効果”があるといいます。しかし、溜め込みすぎても毒なのでお酒の席や、「言いたくても言えなかった」ことを日記に殴り書きしたり、その場では抑えて、後で関係ない場所で発散させることが大事なのだそうです。

 

【第4章 グズをなおす、人付き合いの極意】は年を重ねるごとに「面倒臭い」と感じがちです。新しい出会いを”カンフル材”に生活のマンネリ化を防ぐため外出をおすすめすると記載があります。会社は学校ではありません。ただ通えば何か出会いや発見があるではと期待するのは思い違いです。新しい出会いや発見が欲しいのであれば積極的に外出・コミュニケーションをとることが重要です。思わず「自分のことを言ってる。そうそう、1日1日努力を積み重ねてるのに成果が出ないんだよ。なぜなんだろう」と共感できる内容も多いです。打つ手が無く、行き詰まってると感じてる方にもおすすめの自己啓発にとてもよく役立つ一冊です。

 

知ったかぶりのマイナス面を知り「知らないこと」を知らないままにしないようになる

【第3章 挑戦する前に、「言い訳」するのはもうやめよう】の・知ったかぶりはクセになる を読んで、私は自分の仕事での態度を見直すことができるようになり、大変助かりました。筆者いわく、知ったかぶりをすることがクセになると困る理由が3つあります。第一に相手に「あの人はなんでも知ってるんだから、話さなくてもわかってるよね」と思われ話が広がらず、せっかくの見聞を広めるチャンスを逃してしまいます。正直に知らないので教えて欲しいと伝えれば、相手は進んで知識を披露してくれます。また、あなたが興味を示せばさらに深めることができるかもしれません。

第二に「なんでもわかってるなら、私が協力するまでもないだろう」と思われ協力してくれる筈の人がいなくなって孤立してしまうからです。また、仕事でこれをやってしまうと知らないことに右往左往してろくな成果を上げられず、口ほどにもないグズだと蔑まれることになってしまいます。

第三に、知ったかぶりはバレることが多く、「鼻につくヤツ」と人から嫌われるからです。知ったかぶりをした為に突っ込んだ質問を受け、タジタジになってしまったという話は非常に多いそうです。統計をとらなくても容易に想像できますよね。バレたとわかった時点で「すみませんでした。つい知ったかぶりをしてしまいました」と素直に言えればまだマシです。痛い思いをしたことを教訓にもう知ったかぶりをするのはやめようと反省につながるからです。

しかし、最悪のパターンというのもあります。それは相手にバレたことがわからずにどんどん知ったかぶりを重ね、乗り切る事ができたと勘違いしてしまうことです。相手が意地悪な人だったら心の中で「どこまで知ったかぶりを続けるのだろうか試してやろう」と楽しむから、知ったかぶりを続けると自分の評価を落としてしまうのです。

自分の優秀さを誇示したい気持ちは誰にでもあることだと思いますが、知ったかぶりはマイナス効果しかありません。知らないことは知らないと素直に白状できるようになると得られるメリットは大きいです。まさに「聞くは一時の恥。聞かぬは一生の恥」なのです。自分があまり知らない話を聞く時や、相手に話したいテーマがある時にはあくまで主導権は相手に持たせるよう心がけることだそうです。なぜなら、人生の勝ち組と呼ばれる人々は決して優秀ぶらず、知らないことを知らないままにしておくことはしないのだそうです。

知識欲が旺盛なので「不勉強で申し訳ありません」や「恥を承知でお聞きしますが」といったクッション言葉を添えて正直に自分の無知を白状し、相手の懐に飛び込み、情報を得たり、協力を得るのだそうです。ずばり納得のいくお話です。しかし、いざその場になると取り繕うと、適当なことを思いつきで言ってごまかそうとして失敗したことがあります。そういう悪癖と決別するために私はデスクに付箋を貼ったり、どんな話でも仕事の時は一生懸命聞き、相手に感謝が伝わるよう行動するように取り組んでいます。

 

グズを治したい方には必読の本

グズをなおしたいと悩んでる方や人生を損してる方におすすめしたい本です。グズと思ってる、あるいはそうではないかと疑ってる方はなおりが早いです。自覚症状のある方は健康的であろうとする為医師のアドバイスも受け入れてくれやすいです。

反対に自覚症状が無く、自分は無関係だと思い込んでるタイプはなかなか改善するのが困難です。医師や周囲の心配を他所にどんどんこじらせてしまいます。このように書くとグズであることは悪い病のように思われるでしょうが、見方を変えればそのようなことはありません。何事にも長所は存在します。例えば、物事を考えるのが遅くてグズな人がいます。彼は自他共に認めるほどの優柔不断な性格です。

しかし、見方をかえると、決して取り乱さずに自分のペースを守り、どんな意見もまずは受け入れてくれる懐の深い人物だともいえます。このように長所もあるのですが、なかなか当時者はそうは考えられません。人によっては「あいつはただ思い悩んでる自分が好きなだけで、長く考えることで、自分は深く考える人だと思い込みたいんだろう。間違った決断をするのが怖いのを認めたく無くて無意識のうちに”考える人”の仮面をかぶるんだろ。」と思いもよらない評価をされてしまうことだってあるのです。そこで、グズであることで人生に自信をなくしたり、ビジネスチャンスをフイにしたり、必要以上に自分を責めたり、自覚無く他人に迷惑をかけてしまったりする。そんなトラブルに一つでも該当する・もしくは疑いのある方におすすめです。

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グズをなおせば人生はうまくいく―ついつい“先のばし”する損な人たち (だいわ文庫)

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