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一流の睡眠ー「MBA×コンサルタント」の医師が教える快眠戦略 裴英洙

超多忙、不規則な生活、仕事のストレスなどによって「眠れない」毎日が続く中であっても、常に高いパフォーマンスを求められるのがビジネスパーソンです。本書は、「睡眠」を最も需要なビジネススキルであると位置づけをしていて、多忙なビジネパーソンに向けた効果的な眠り方について紹介しています。

著者は外科医であり、一日に複数回外科手術を行うなど、超多忙な日々を過ごしており、その自身の経験と医学的知見を交えて執筆されているため、非常に説得力のある内容となっております。

 本書の特徴は、冒頭から具体的なおススメの眠り方のテクニックが書かれているところです。本書では、最初から最後まで、自分の睡眠ログ(何時に寝て、何時に起きたかの記録表)を記録する重要性を説いていますが、第一章では著者自身が実施した睡眠ログが掲載されています。実際の睡眠ログの記録例が示されている点は本書の良い点であると思います。必要な睡眠量は個人差があり、睡眠の絶対解は存在しないというのが著者の見識で、睡眠ログは自分に適した睡眠量や睡眠パターンを知るために役立ちます。その他、それぞれのテクニックに具体的な方法が記述されているため、理解がしやすく実践に移行しやすいです。

睡眠ログ以外の本書で登場するテクニックの例として、ビジネスパーソンの方なら一日数杯飲むであろうコーヒーの適切な飲むタイミングや夕食の取り方が紹介されています。医師としての立場から徐々に睡眠の質を上げるテクニックやステップが具体的に説明されています。

もちろん、テクニックに説得力がついてくる睡眠研究の説明もなされています。睡眠研究の領域で出てくる専門用語の説明や、それを踏まえての睡眠効率の測り方、昼食後の眠気の原因、眠気に対抗するための方法など、ビジネスパーソンのみならず誰しもが興味を引く内容が盛り込まれています。
 睡眠に関する書籍は山のように書店で並んでいます。ただ単に医師としての立場で医学的な根拠から質の良い睡眠法を紹介する、という書籍ももちろん多数書店で並んでいます。

そんな他の睡眠に関する書籍が多数ある中において、本書の大きな特徴は、ビジネスパーソン向けの睡眠テクニックに関する本であり、ビジネスパーソンの立場に立って書かれているという点です。そのため、ビジネスパーソンのオーソドックスな一日のタイムスケジュールに沿って、朝起きるところから夜就寝するまでの起こり得る事柄とそのテクニックがスケジュール順に紹介されています。
 しかも、そのテクニックは全く難しくありません。「知識」と「意識」だけですぐに取り入れることができます。ビジネスパーソンにとってはありがたい話が多数含まれた一冊です。


睡眠の質が目に見えて改善する

本書のテクニックを取り入れたところ、睡眠の質の改善や規則正しい睡眠パターンになりと、効果が感じられます。
読んですぐにその日から本書で提案されているテクニックを実行しました。具体的にはまず、著者が推奨している「睡眠ログ」を実践してみました。睡眠ログについては本書で詳細に方法が書かれていますが、最初はメモ程度でよいと書いてあったので、夜寝るときに、ベッドに入った時間と起きた時間を紙に記入するところから始めました。
 また、可能であれば眠るに落ちる直前の時間もログに記入することで眠っていた時間が計算でき、睡眠効率を計算しました。すると、私は予想していたより睡眠効率が低いことが分かりました。これは睡眠ログをつける一つの目的であり、大きな発見でした。定量的に効率が数値で出てくるので、睡眠を改善しようと思うきっかけにもなりました。

私の場合、朝さっと起きるのが苦手でついつい布団の中で無駄な時間を過ごしていましたが、本書のテクニックで朝すぐに覚醒に持っていけるようになった気がします。特に、朝の光を浴びることを意識して電車で座るのではなく、立って朝日を浴びるなどを実践中です。睡眠改善は就寝直前の行動に目が行きがちですが、本書では朝起きるときから一日のサイクルを通して睡眠改善につながるテクニックが紹介されている点が、実際に効果が現れるポイントだと思います。朝日を浴びることを意識して行動すると、感覚的な意見ですが、体内時計を毎日しっかりリセットできているため、夜にしっかり眠気が来るように感じます。

睡眠改善の書籍として、「こうすればぐっすり眠れる」というようなするべき行動が挙げられることが多いですが、本書ではやめるべき行動についても言及されています。例えば、夕食のドカ食いです。夜遅くなって夕食をドカ食いしてすぐに眠るという行為は胃や腸などの消化器官に負担をかけ、また翌日のパフォーマンスにも影響する恐れがあるため、私は可能なかぎり夕食は就寝3時間前には食べるように改善しました。これはまだ、直接効果は実感していませんが、将来的に変わってくるものであると予想できます。

睡眠に関する雑学のような誰でも気になる話も多くあり、興味を惹かれました。たとえば、「飲み会の後にラーメンが食べたくなる科学的な理由」です。誰でも興味を持ちそうな小ネタ的な内容を科学的に説明してくれるため、読んだ先から頭から抜けていく、ということもなく、本書で読んだことは知識として記憶できています。

カフェインの話も誰しもが気になるところだとは思いますが、私もコーヒーや夜遅くまで頑張ろうという日には栄養ドリンクを飲んだりしています。もちろん、そこにも快適な睡眠へつなげるための睡眠テクニックがあり、非常に参考になりました。

睡眠に対する意識が上がったことで、睡眠の質が向上したように感じます。本書のテクニックだけでも快適な睡眠へ効果が得られました。

 

日中に眠気を感じる多忙なビジネスパーソンはおすすめ

本書のタイトルにある「一流」とは一流のビジネスパーソンのことです。もちろん多忙なビジネスパーソンを主な対象とした本でありますし、ビジネスパーソンは目を通すと参考になる点が盛りだくさんであると思います。著者自身の超多忙な中で仕事をこなしてきた経験を踏まえて本書が執筆されているので、かなり具体的にビジネスパーソンのタイムスケジュールを分析していて、最適な眠り方を紹介してくれています。最近睡眠がおろそかになっていると感じる多忙なビジネスパーソンは本書を読むことを強くお勧めします。

しかし、本書で紹介される睡眠テクニックはビジネスパーソンにのみ適用可能なわけではありません。日中に眠気を感じる人は何も多忙なビジネスパーソンに限った話ではないと思いますし、翌日朝から用事があるのに夜遅くまで飲み会でお酒を飲み、いつもより睡眠時間が確保できない日は大学生にだってあるわけです。すなわち、毎日どんなイレギュラーがあろうが質の良い睡眠をとることができている人はほんの一握りしかいないということです。

ですので、多忙な人ではなくても本書を読むべきです。日本人の3人に1人しか満足のいく睡眠ができていないと言われている中で、多くの人に役立つ本となっているはずです。睡眠は「知識」で改善できると睡眠研究者の間では言われるみたいですが、まさに本書を読むことで睡眠に関する「知識」が得られると思います。

日々の睡眠において、毎晩熟睡できていて朝起きてすっきりしている、日中の仕事のパフォーマンスも問題ない、という人は本書を手に取る必要がないと思いますが、そうでない人はどのような仕事、立場の人であっても、読んでみる価値があると思います。

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一流の睡眠―――「MBA×コンサルタント」の医師が教える快眠戦略

一流の睡眠―――「MBA×コンサルタント」の医師が教える快眠戦略