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イヌが教えるお金持ちになるための知恵 ボード シェーファー

著者のボード・シェーファーは1960年ドイツ・ケルンの生まれで、経営・資産形成コンサルタントをしています。
16歳で渡米し、20歳で最初の会社を設立、26歳のとき多額の借金をかかえて倒産しましたが、30歳で借金を完済し、経営コンサルタントとして成功を収めました。特にお金と資産形成に関する本の著者としても人気があります。

 この本のあらすじや内容は下記のような感じです。
主人公は、犬が大好きな、どこにでもいる普通の12歳の少女キーラ。
キーラの両親は住宅ローンを抱えていて、生活費のやり繰りにいつも苦労しています。
そのことで両親の夫婦げんかが絶えず、キーラはうんざりしています。

そんなある日、キーラはたまたま交通事故にあって、ケガをした犬を保護しました。
キーラはこの傷ついた犬に、マネーという名前を付けました。
そして自分がそれまでの飼い主に代わって、マネーのことを大切に面倒をみることにしました。

ある日、キーラがお金のことで悩んでいると、マネーが突然、人間の言葉をしゃべり出して、お金持ちになる方法をキーラに教えると言いだしました。
マネーは事故にあう前は、お金持ちの家で飼われていて、自分はお金持ちになる方法を、その飼い主から学んだというのです。
キーラは早速、その方法を忠実に実行しました。
マネーはステップを踏んで教えてくれたので、キーラはその方法を簡単に実践することができました。

やがてキーラがお金に関する実力をつけて、お金持ちの仲間入りを始めた頃には、もうマネーは人間の言葉を話すことはなくなりました。
お金持ちになることは、キーラとマネーのお別れを意味していました。
しかしその頃には、キーラはこれからもお金のことで困ることはないことに自信を持てるようになるまで、成長していました。

タイトルどおり、中学生くらいの少年少女に、お金とどう付き合っていったらいいか、お金を増やすにはどうしたらいいかを説いた、一種のHOWTO本です。
ノウハウは章ごとに整理してまとめられていますが、単にノウハウを伝えるだけではなく、物語形式になっている点がとても新鮮です。

このため、ノウハウを実践することによって、自分の身の回りにどのようなことが起こるのかを自然にイメージすることが出来ます。
またキーラが、信頼できる大人に相談したり、トラブルを乗り越えたりして成長していく、サクセスストーリーと捉えることもできます。
小説、物語としても楽しむことができるのも魅力の1つです。
さらに小説を読み進むと、お金に対する心構えやお金に対する接し方を自然にマスター出来る点が最大の魅力です。

HOWTO本は大人が読むと、自分が説教を受けているような気がして、本の内容がブロックされてしまうことがあります。

本書は、少年少女向けのやさしい物語ですので、大人が読んでも自然に内容を受け容れることができます。
コンテンツも、単にお金の稼ぎ方、貯め方だけではなく、株や投資信託のような「増やし方」まで言及していて、経済書としての奥深さもありました。


夢や欲しいものを明確にビジュアル化しておくことが大切

お金にまつわる様々な知識、考え方が1冊にまとめられています。自分の頭の中を、コンパクトにまとめて、整理することができました。またお金に対する自分の信念を作ることが出来ますので、今後はこれを基本として、様々な知識を増やしていくことが出来ました。
大人なら誰しも「お金を貯めよう」と思ったことがあります。しかし、こちらが期待しているほどお金が貯まらないということもまたよくあります。その原因は、そもそもお金を貯めること自体が目的化してしまっていることが、よくあります。それを防ぐためには、自分はお金を貯めることによって、何を買おうとしているのか、何をしようとしているのかという、「夢」「目標」明確にしておくことが大切です。

そこで本書で紹介されているような「欲しいものリスト」を作って、夢を書き出しておくとともに、夢がかなったところをイメージできるように、写真やイラストを貼って、ビジュアル化しておくことが有効です。

このようなリストは、作ること自体もワクワク楽しい取組みであると思いました。もしこれを若いうちに始めることが出来れば、一生の間に数多くの夢を実現することが出来るに違いありません。

またさらに、その「欲しいものリスト」に書かれた目標別に貯金箱を作って、おこづかいが入ると、分散して貯金することもノウハウとして紹介されています。最初は、お金が貯まるまではスローペースで進むと思いますが、いつか目標額に達することを楽しみにしながら、貯金をしたり、アルバイトに励んだりすることが出来ます。目標額には、目標達成が近づくにつれて、加速度がついてくるということも実感できました。
またお金を稼ぐ方法も、単なるアルバイトをするのではなく、自分の好きなことや、世の中の人が困っていることを解決することによって収入を得る方法を考えるように、アドバイスされています。物語の中では、キーラは犬が好きなので、近所で犬を飼っている家庭を回って、ペットの犬の散歩の代行や犬に芸を仕込むことを提案しました。お金儲けが苦手な人は、知らず知らずのうちに、お金そのものをけがらわしいものというイメージを抱いている方もおられます。「お金もうけは辛いこと」というイメージを打破することによって、お金を愛すべきものであることを教え、お金に対する肯定的なイメージを抱くことが大切であることを学びました。

加えて、物語の中では、株と投資信託の仕組みについても説かれています。株価は、市場価格で上下しますので、暴落することを考えると「危険なもの」というイメージを伴います。本書では、株が暴落しても、売却しなければ損はしないと説いています。さらに投資信託でも、募集してから年数が経過しているもの、さらにその間に上昇している実績のあるものを選べば、長期的には必ず得をすることを教えてくれています。株や投資信託と、出来るだけ低いリスクで付き合うコツを知ることが出来ました。


小学校高学年や中学生にもおすすめできる一冊

主人公と同世代の小学校高学年から中学生くらいの少年少女には、ぜひとも読んでほしい本です。資本主義社会では「お金とはそもそもどのようなものか」「お金を貯めるにはどうしたらよいか」「お金とは、一生を通してどのように付き合っていけばよいか」ということは、本来ならば初等、中等教育で、しっかり教えるべき内容です。しかし現在の義務教育のカリキュラムでは、そのような内容を教えるようなことをしていません。結果として、お金を稼いだり、貯めたりすることに苦手意識を抱いていたり、お金そのものをけがらわしく感じて、一生お金で苦労する人も少なくありません。小学校高学年~中学生のうちから、お金に対する基本的な心構えを、本書を通して育んでいってほしいと願っています。もし可能であれば、ぜひとも小学校の社会科の副読本や、中学校の社会(公民)の教材としても、採り上げていただきたい内容です。

また「お金のことは十分知っているつもり」の大人たちにも、もう一度、1から学び直すつもりで本書を読んでほしいです。大人になると、お金の知識は十分得ているつもりになっていますが、自分のたまたま経験したことや、たまたま自分の周囲で起こった事象を元に判断しているケースがあります。今一度、原点に立ち返るつもりで、お金の基本的な仕組みがどうなっているのか、本書を読んでとらえ直していただきたいと思います。また、自分よりも若い世代に人生の先輩として、お金とはどういうものであるのかということを正しく伝えられる大人になりたいものです。本書に出てくる「お金に関して間違った考え方をしている大人たち」は、“反面教師”にしようと思いました。企業の新入社員研修のテキストとしてもお奨めです。

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イヌが教えるお金持ちになるための知恵

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