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30代でも定年後でも、ほったらかしで3000万円! 投資信託はこうして買いなさい 中野晴啓

本書は、2014年にセゾン投信株式会社の中野晴啓(なかのはるひろ)氏により書かれたものである。著者の中野氏は、2006年にセゾン投信(株)を立ち上げ、2本の長期投資型ファンドを設立した。
両ファンドの特徴は、販売会社を介さない資産形成世代に直接販売を行うものである。
中野氏は、両ファンドの運営のかたわらで、全国各地で講演やセミナーを行うとともに、本書以外にも多数の本を出版している。

これらの主な、目的は、現在の多くの日本の投資信託とは異なる、積立型の長期投資への理解を深めるることで、投資信託本来のあり方を訴えるものである。

冒頭で、2014年時点で、日本で購入が可能な投資信託が5000本を超える中で、資産作りに最適なものはたった9本であったということが述べられている。
この9本の投資信託を小額による積み立て投資にて運用することで、誰でも大きな資産形成が可能になるとの主張が書かれていいる。
本書では、幾つかの明確な主張が記されている。
・これからは投資が必須の時代になる
多くの日本人は、資産形成において、これまで預貯金しか経験してこなかったという事実がある。

しかし、今後は、物価のゆるやかな上昇に反して、預貯金のみの対応では資産価値を低下させてしまうことへの警鐘をならしている。
投資信託とは、本来は、小額により手頃に資産形成が可能となるものであり、きちんとリスクコントロールを行うことでお金を大きく育てることが可能となることができると述べられている。

積み立て投資のメリット

積み立て投資のメリットとして、以下の主張が書かれている。
1,ドルコスト平均効果が期待できる
投資信託とは、基準価格の安い時には購入口数が増え、高い時には購入口数が減るという特徴がある。
これを長期に継続すると、総体的に購入時の基準価格を低く抑えることが可能になるということである。
2,ほったらかしで良い
積み立て型の場合は、決まったタイミングにより、自動で投資が行われる仕組みである。
これを意図的に行おうとすると、どうしてもタイミング投資を狙ってしまうことになる。
しかし、投資において、タイミング投資ほど難しいものはなく、そもそも投資信託とはそのような方法に向いていない方法であると述べられている。
3,基準価格を下げた時ほどメリットが大
基準価格が下がった時ほど、多くの口数を購入することになるのが積み立て投資である。
このメリットは、安い時に多く買ったものが、基準額を上げた時にメリットを生むということである。
投資経験のない人は、価格を下げた時には往々にして狼狽売りに走ってしまう。
これを防ぐことも、積立型のメリットである。

その他にも、歴史を振り返った時に、あのリーマンショック後でさえ、世界経済は大きな回復を示していいることに触れている。
つまり、世界全体の株、債券などに広く分散投資を行うやり方は、長期の投資においては最終的にはゲインを生むことなどが主張されている。


投資信託をふくめた金融商品の知識を学べる

これまで、投資初心者や素人にとっては、投資とは怖いものというイメージしかなかった。また、巷では、投資信託への良くない評価というもの散見されている。
しかし、日本に投資信託の問題とは、銀行が窓口となり販売手数料を利益とする運用方式であることだ。
低金利時代の現在においては、銀行は新たなビジネスチャンスとして投資信託を拡販してきた。

しかし、その目的に多くは、銀行の収入源を確保することであることから、投資信託とはあまり儲からないものとの評価に至っているのだ。
しかし、本体の投資信託とは、長期の資産形成に向いているものである。
過去のどのような不況時代の後のおいても、世界経済は着実に成長を続けているという事実がある。
世界全体への分散投資をバランスよく行えば、投資信託は長期的にはメリットが高いものである。その恩恵を受けるには、現在の多くのファンドの運用方式では問題がある。
つまり、多くが銀行の窓口で手数料を多く支払って運用するものだ。
また、販売職員の勧めにより、毎月配当型などの意味のない商品に手を出すことも危険である。これらは、元金を減らすだけのものであり、長期の資産形成には向かない。
これを打破するには、本書でも紹介されている9本のファンドの中から自分に合ったものを選ぶしかない。現在は、預貯金だけでは資産が増えない時代である。
しかし、株やFXなどでタイミング投資により財産を築こうという方法は、ハイリスクでもある。

 

職業を持ち、日々を忙しく過ごす人々には、これらは向かない。これらの人々にとっては、長期運用の投資信託こそが、最も向いていると言える。積立型のメリットは、最初に仕組みを作ってしまえが、後はほぼほったらかしで良い点である。また、NISAの恩恵を受けることもできる。

本書に書かれている試算では、元金100万円、月々3万円程度の積み立て投資により、
30年後には数千万円の資産形成が可能となる。
これは、私も詳細に分析した結果、十分実現が可能な試算額である。
勿論、短期間で一攫千金を狙えるものではない。
しかし、忙しい日々の中でも、リスクを低く抑えつつ将来への資産形成を行うことが十分可能である。
本書の中でも、強調されているのは、長期投資は解約しないで持ち続けることが重要な点である。

日本人の投資に関するイメージは、どうしてもタイミングでの売り買いである。
マスコミなどの情報が必ずしも、金融商品の実態を示していない面もある。
これからは、我々消費者も賢く投資を勉強する必要がある。


長期投資の恩恵を得やすい特に若い世代が読むべき本

長期投資の可能性は、年齢が若ければ若いほど拡大する。もちろん、長寿社会の現代では、定年退職後から始めても十分なメリットを期待できる。
しかし、個人的には20代、30代の若い世代にこそ、投資を正しく理解してもらいたいと考える。
先日も、就職したばかりの娘が、生命保険や貯蓄への悩みを打ちけてくれた。
その時、私は迷わずに本書をプレゼントした。
現時点では、娘は内容が難しいと言っている。
しかし、働いて、実際の経済に触れることで、本書の内容はより具体的に実感できると確信している。

 

私個人も50歳代になり、本書の考え方に触発された。もう少しはやく気づくべきであったと、少し後悔している。しかし、気づいた時が始めどきである。
積み立て投資は、その人のライフスタイルに合わせて、理想的に設計することができる。ここが、銀行におまかせの方式とは異なる。
本書に書かれているように、まずは銀行の窓口を尋ねるのではなく、自分でネット口座を開設することから始めれば良いと思う。そのような意味では、今のネット社会において、パソコンやスマホに触れる機会が多い人であれば、誰にでも長期投資は可能と言える。社会的には、老後破産や下流老人などのキーワードが注目されている。
たしかに、社会保険制度や銀行預貯金に依存するだけでは難しい世の中になっている。
そんな時に、視点を変えてゆくには、積立型の長期投資は大変有用なものと考える。

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