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世界を変えるデザイン――ものづくりには夢がある シンシア スミス

私達は朝から晩まで電化製品にかこまれて、おいしい水を飲みお金を払えば、好きなものを食べられる便利な生活をおくっています。しかし、そんな生活が出来るのは、世界でも少数派なのです。
実は世界人口の90%を占める人々が、電化製品やサービスに縁がないことはあまり知られていません。私達は自分の生活している環境を基準にして、物を考えてしまいがちです。

しかし、世界は広く、環境は多様なのです。綺麗な水が飲めない人々や、暗くて狭い家しかない人々のほうが、実は多いという事実には驚くかもしれません。
そんな人々に、私達はなにができるのでしょう。

何かできることがあるでしょうか。日本は恵まれた環境ではありますが、個人的にみても企業として考えても、余分なお金が有り余っているというわけではありません。

 毎日毎日、自分が生活することに追われています。そのため、発展途上国のことを考えるほど余裕のある生活ではないと、思えるかもしれません。

上下水道をひいて水がつつうらうらの地域で飲めるようにしたり、鉄筋の家を作るのは、お金や時間がかかります。
他国の環境を整えるには、膨大な資金が必要だと、通常は考えます。
でも、本当にお金がたくさんないと、何もできないのでしょうか。
この本は、そんな疑問を思い出させて、そしてその答えを教えてくれる本です。
この本を読むと、お金をかけなくても形やデザインを工夫することで、どんな製品を作ることができるのかを、知ることが出来ます。
世界の暮らしや、そこで生活する人々に、本当にニーズがある製品はどんなものなのかが理解できます。
日本人は工夫をすることが得意ですが、さらに驚かされるような工夫のこらされた製品が、世界にはあるのです。
形を変えることで、労力をへらすことができる製品、安くて機能を備えた製品。そんな製品が開発されれば、世界は少ない資源を活用してもっと簡単に豊かになると教えてくれます。
これは大きなビジネスチャンスにもつながる知見です。
自分本位ではなく、他国の本当のニーズを知り、提供する新しい方法がある、という提言の書でもあります。
世界人工の90%の人々に向けたビジネスというのは、とてもチャンスを感じさせてくれます。もしも人工の90%の人がほしがる製品が作れたら、大きなビジネスチャンスになるのではないでしょうか。そのため、この本は工夫された製品の紹介をした本でありながら、ビジネスの指南書でもあるのです。

他者のニーズを汲み取ることを再認識できる

この本はデザインを紹介する本です。デザインとは、製品を作るときには、必ず必要な工程です。通常、日本向けの製品を作るときのデザインは、日本人のサイズに合っているか、日本人が好む色であるか、などが主に検討されます。
そして販売する時に、製品ポスターやチラシ、パンフレットを作成する時に、主にデザインは必要とされます。

もちろんそのようなデザインも、大変重要なものです。デザイン力の高い製品は、付加価値が高くなり、高い価格で販売することが可能になる場合もあるためです。
しかし、この本はそのようなデザインの本では、ありません。

もう少し根本的な、「本当のニーズの把握と実現」についての本です。人が物を必要とするときには、何か欲望や理由があります。必要だから欲しいのです。
もしくは、何か困っている場合もあります。何かができない、とても不便だ、と言う時に、何かを強く必要とします。

例えば、遠くまで行かなければいけないのに歩いていくのでは大変疲れてしまう、という困難を解決するために、車ができました。
そのニーズは、時間がたってもなくなることはないので、車は何年たっても買い手が現れ必要とされています。
ニーズがあるところに、製品がある。そこにはシンプルは法則があります。
しかし、あまりにも便利な生活に慣れすぎると、私達はそのシンプルな法則を忘れがちに
なります。
もう少し、かっこよくしたら売れるかもしれない、他社よりも多機能を追求しよう。そんな方向性しか、見えなっていることも多いのでは、ないでしょうか。
一度原点にもどり、いままでの積み重ねを忘れてみることで、本当のニーズが見えてくるのかもしれない、そんなことに気づかされる本でした。

同じ美術関連でも芸術とは異なり、デザインとはそもそも他者の意向にあわせるところからくるものです。
芸術家は自分の思いを他者に伝えようとします。しかしデザインとは他者に必要とされるものを実現する、という方向性が必要です。
そのためにデザインにおいては他者のニーズを汲み取るという姿勢は、必要不可欠なのかもしれません。

しかし、その姿勢を究極的に突き詰めていくと、全く新しい製品が生まれることがある、そんな面白さがあることをこの本は教えてくれました。
このような考え方は、袋小路にはまってしまった製品開発者や、新製品開発に必要な姿勢なのかもしれません。
ものを作るとは本来どうゆうことなのか、そんな原点をもう一度思い出させてくれる本でもあります。


グローバルな環境でビジネスをしたい方におすすめ

日本を離れて、広い海外をまたにかけてビジネスで活躍したいと考えている若い方にも、おすすめしたい本です。海外とは、アメリカや中国やヨーロッパなどの先進国のことだけをいうのではありません。
もっと多種多様な国があるということを再認識することができ、そんな多様な国にまだまだたくさんのビジネスチャンスがあることが、見えてくる本でもあります。
幅広い考え方とニーズを汲み取る姿勢があれば、ビジネスチャンスはどこにでも、ころがっているのかもしれません。
また、発展途上国の人々になにか貢献したいと考えている人や、企業の方にも、支援とはなにかということに対して、柔軟な考え方を得ることできるために、ぜひおすすめしたいと思います。
またものつくりの国と言われる日本が、少し元気がなくなってきているように感じられます。
そんなときこそ、ものづくりの原点は何かを考え直すためにも、ものづくりにたずさわる方々にも、役に立つ本であると思います。

また、潤沢な資本金がなくてもアイディアや工夫があれば、おもしろい製品が作れるということ知りたいかたにも、おすすめします。

簡単な製品で制作費がかからない製品であれは、発展途上国で販売することも、不可能ではないのかもしれない。そんな海外とのビジネスの新しいチャンスについて考えてみたい方も、面白く感じられるにちがいありません。
デザインの本でありながらデザインにについて興味のないかたでも、ビジネスに興味があれば読める本なのです。

gigazine.net

世界を変えるデザイン――ものづくりには夢がある

世界を変えるデザイン――ものづくりには夢がある

  • 作者: シンシアスミス,槌屋詩野,北村陽子
  • 出版社/メーカー: 英治出版
  • 発売日: 2009/10/20
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
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