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世界のエリートはなぜ、「この基本」を大事にするのか? 戸塚 隆将


本書は世界トップの企業で働き世界トップのビジネススクールで学んだ著者が、自らの実体験を元に「世界のエリートたちの働き方・考え方」を説く本です。

筆者が実際に体験した世界のトップの現場とは、世界有数の投資銀行であるゴールドマンサックス、世界トップのコンサルティングファームであるマッキンゼー・アンド・カンパニー、世界のトップビジネスマンを数多く輩出するハーバードビジネススクールの3つの事です。

 前者2つの会社ではグローバルなビジネスを動かすスケールの大きな仕事であるが故に、高いレベルの仕事が求められ、また膨大な量の仕事を効率的に処理するスピードも求められる、かなりハードな現場です。そういった中で仕事をこなす為に、著者は上司や先輩の仕事のやり方や姿勢についてよく観察し、また多くの事を教わったそうです。

また,ハーバードでは日本の大学と違いテキストを用いた授業は少なく、日々与えられた課題について生徒同士で議論するような授業が多いという特徴があります。その為、筆者は授業を通して、後のグローバルビジネスのエリートとなる金の卵達と交流を持ち、彼等の自己研鑽の仕方や人付き合いのやり方を見てきました。

 

こういったビジネス・学びのエリートが集まる環境の中で、「生の体験」として学んだ事についてまとめられたのが本書です。
具体的には48個の項目が紹介されており、主に「対人関係について」「自己研鑽について」「時間の管理方法」「報連相・コミュニケーション」「資料作成について」「国外で働く事」に関する教訓が書かれています。
そのどれもが筆者の実体験に基づいたものであり、実際にエリート企業の社員や経営者の卵が実践している仕事術・思考術です。そして、具体的なシーンと共に論理的に展開される教訓はどれも説得力があり、考えさせられるものばかりです。

 

また、この本の教訓はタイトルにもなっている通り『社会人の基本』とも言える、とても簡単な事ばかりです。
具体的には「睡眠時間をしっかり取る」といった至極当たり前の事から、帰宅前に翌日のToDoリストを作成するといった実践的な教えまで幅広くあります。
しかしこの簡単な48の事について、全て実践している人もおそらく少ないと思います。
基本的な事であるが故に、長く働いていく中で疎かにしてしまったり忘れてしまったりする事もあります。

この本はそういった事を思い出させてくれる、とても参考になるビジネス書であり、新入社員から中堅社員まで、幅広いビジネスマンにお勧め出来る良書です。

 
社会人の基礎中の基礎である報連相の改善法を知ることができる

私がこの本を読んで特に役に立ったと思うのは、報連相についての部分です。

報告・連絡・相談。この3つは社会人の基礎中の基礎であり、おそらく多くの会社で新人にやり方を教育する項目であると思います。

当然私も新入社員時代に研修の中で、報連相の大切さや具体的なやり方について教育を受けました。そして現在も仕事の中で上司や同僚に日々報連相を行っています。
ですが、この本を読んで「自分の報連相にいかに改善点が多いか」を思い知らされました。

まず一つ目が「報連相のタイミング」です。
私を含め、多くの人は報告事項が発生した時点に報告するか、上司の手が空いているタイミングに報告をしていると思います。
本書でも基本的にこの考えの通りではありますが、著者は特に「いかにしてタイミングを逃さないか」を追求しており、「朝のオフィスが静かな時間帯に報連相をする」「上司に聞かれる前に報連相をする」といった具体的手法を提言しています。

二つ目が、報連相を受ける側になった時の対応方法です。報連相のやり方について書かれるビジネス書は多くありますが、受ける側についてここまで書かれている本はかなり珍しいのではないかと思います。
具体的には、仕事を引き受けた時に上司とコミュニケーションについて描写する場面が数多くあり、「相手の時間が許す限り前もって確認すべき事を聞いておく」といった当たり前のことから、「仕事を引き受けたらまず5分間はその業務に取り組む。そして、先に不明点を洗い出しておく」といった、目新しい仕事術まで言及されています。

報連相というものは多くの人が無意識にやっている事だと思います。ですがそれ故に、普段のやり方に少し手を加えるだけで、大きな変化を生み出し、他者との違いを生み出せる分野でもあると思います。
実際に私も普段は報連相についてあまり深くは考えず、その場その場の判断で「今これを報告しよう」「これは後で相談しよう」と考えてきました。戦略的・効率的に報連相を行おうという意識は少し欠けていたのではないかと、本書を読んで反省する部分もありました。

特に仕事を引き受ける際の上司(同僚)とのコミュニケーションについては、もっと早め早めのタイミングを意識していけば、チームとしてより円滑に仕事を進めていけるのではないかとも感じました。

その為、今後は本書で提案されていた「まずは5分間やる」「報連相は朝にやる」といったやり方を積極的に採用したいと思います。

もちろん報連相以外にも、具体的に自らの業務に取り入れたいと思った教訓は沢山あります。中には既に実践している仕事術もありましたが、それはそれで改めて「なぜそういったやり方をしているのか」を考えるきっかけになったので良かったと思います。
例えば、毎日帰宅前にToDoリストを作って翌朝の脳が一番元気な時間帯にスタートダッシュをするという事。

私はこれを日課として行っていますが、今まではなんとなく上司にそう教わったからやっていただけでした。しかし本書では「翌朝にスタートダッシュを切る為」「急に休みになった時に同僚が仕事を進める為」と、具体的且つ説得力のある内容でその根拠を説明しています。
こういった説明のお陰で今の自分の仕事方法についてより理解が深まりましたし、今後も継続して仕事を続けていく為のモチベーション向上に繋がったと思います。

このように、本書を読む事がこれまでの自分の働き方について振り返るきっかけを作ってくれたと感じています。
是非とも本書から教わった事を忘れず、今後も仕事に励みたいと思います。

すべてのビジネスマンに読んでほしい書籍

本書は実際に現在働いているビジネスマンにこそ読んで欲しい本であり、若手から中堅まで幅広くにお勧め出来る本だと思います。

ゴールドマンサックス・マッキンゼー・ハーバードはどれも大多数の方にとって今まで無縁の世界でもあると思いますし、これらのエピソードは読み物としての面白さも当然あります。
ですが、やはり本書の核は実際の仕事術に関しての教訓であると思います。その為、まだ将来どういった仕事をするか考えている段階の学生さんが読むよりも、現在進行形で働いているビジネスマンの方々の方が、本書の内容を理解出来るのではないかと思います。

また、ビジネス書によっては仕事に対する姿勢や思考回路といった、抽象的な内容に焦点を当てている本もあるかと思いますが、この本では具体的に「こういった時はこうやれ」という仕事術まで言及しています。
その点も、学生向きというよりも現役ビジネスマン向きなのではないかと思います。

特にビジネスマンの方にお勧めしたい読み方が、自らの実際の仕事風景と照らし合わせながら各教訓を自分の頭で考え、自分のやり方として落とし込む事です。
実はこのやり方も「読書の方法」として本書に載っている事でもあります。5分読書をしたらその内容について考える時間も作る。そして、それによって本の内容を自分の血肉にするというやり方です。
こういった読み方をした方が今後の自分の業務改善に役立つと思いますし、逆に「ふーんそうなんだ」だけで終わらせてしまったら、読書の時間の無駄と言っても過言ではありません。

自分の働き方について見直す為の参考になるとても良い本ですので、多くのビジネスマンに読んで欲しい本だと感じます。

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世界のエリートはなぜ、「この基本」を大事にするのか?

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