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難しいことはわかりませんが、お金の増やし方を教えてください! 山崎元 大橋弘祐

「投資」を中心に、住宅ローンや宝くじなどのギャンブル、保険の話等も含めた「お金の効率的かつ賢い増やし方」が書かれている本です。

著書は2人います。ひとりは、出版社勤務でお金のことに関してはド素人だという大橋弘祐氏、もうひとりは、数多くの金融機関を渡り歩いた経験のある資産運用のスペシャリスト・山崎元氏です。

ド素人の大橋氏が、プロフェッショナルの山崎氏に質問し、山崎氏が毒舌を交え、快刀乱麻を断つような明確かつ非常に分かりやすい回答をしてくれるという、軽快な会話形式で書かれています。この二人の会話が非常にテンポが良く、要所要所で思わず面白くクスリとできるので、単純な読み物としても楽しめる1冊です。

具体的な内容を以下に記載いたします。
①定期預金よりましなお金の持ち方
 現在、定期預金をはじめとした銀行の金利がいかに低いかが解説されています。その代わりに、資産運用をした方がお金は増えるというお話がこの項目で書かれていることです。
 しかし、運用と聞くだけでハイリスク・ハイリターンを想像し、大損してしまうというのではという恐怖感を抱く方が多いのも現状です。そこで本書では、銀行よりは金利がマシで、かつ元本も保証される国債への投資を勧めています。
 また、資産運用を始めるにあたり、銀行には行かない方がいいということも、著者の山崎氏より明言されています。銀行はとにかく手数料の高い商品を売りたくて仕方がないところだから、よりコストを抑えるためには、ネット証券で口座を持つことが最善の選択であるということが解説されています。
②具体的な資産運用の基礎知識
 資産運用を始めるための口座開設のやり方から、投資信託のメリット、単利・複利の考え方の違い、国債は固定金利と変動金利のどちらがいいのか、外貨預金をやらないほうがいい理由とは、といったテーマで、山崎氏が大橋氏の疑問に答えていきます。
 多くの方が持っている「投資」という言葉に対する誤ったイメージが覆され、「なんだ、結構安全なんだな」「割と簡単なんだな」という意識が持てるような内容になっています。
③お金を使うときの賢いやり方
 結局、家は持ち家の方がいいの?賃貸の方がいいの?ローンはどうやって組んだら1番得するの?という、家に関する項目から、医療保険には入らなくてもいい具体的な理由や、宝くじを買うことの意味など、様々なお金の使い方に関するお得な知識が身に付く内容になっています。
④NISA口座を開設するメリット
 今話題のNISA口座って持っていた方がいいの?という疑問に、山崎氏が分かりやすく答えてくれます。国の制度として、NISA口座がどれだけ優遇されているかが非常によく分かる内容で、資産運用を考えている方々にとっては必須の知識が書いてあります。
⑤確定拠出年金の基礎知識
 国の年金保障制度に関する知識から範囲を拡げ、確定拠出年金のことにも詳しく触れられています。ここはちょっと分かりづらいかもしれませんが、自分の老後にかかわる大事なことだという意識を持てば、とても役立つ知識が身に付けられます。"

資産運用は誰でも気軽に始めることはできる

資産運用と聞くと、素人の自分が手を出したら大損するに違いない、怖い…という意識を持っている方は多いと思います。しかしこの本を読めば、資産運用は決して手の届かないようなレベルの高いものではなく、誰でも気軽に始められ、ローリスクや元本保証型の運用をする手もあるのだということに気付けます。

資産運用というものに対する自分の中のハードルを下げ、より効率的な方法でお金を増やせるようになるといった意味では、これ以上の本はないのではないでしょうか。
本書では、資産運用のために国債と投資信託の購入を勧めています。国債は、金利は低いけれども銀行にお金を預けているよりはましで、元本が保証されるため、先述の理由で投資に抵抗がある方々でも心配せずに始められます。
一方で投資信託では、手数料が低く、色々な会社の株式がパッケージ化されているためリスクの分散ができ、大損をしない仕組みを取っているインデックスファンドというもののメリットが紹介されています。

更にそこに国内のインデックスファンドと海外のインデックスファンドを組み合わせるやり方や、確定拠出年金なども合わせて活用し運用していくことで、銀行に預けているよりもいかにお金を増やしていけるかがよく分かってきます。「これだったら投資してみてもいいかも…」と思えるようになるのです。
じゃあ投資をしたらいつお金がもらえるの?といった出口の部分についても、本書にはきちんと説明があります。投資信託を売るときは、そのお金が必要になったときに満額ではなく必要な分だけ売ることが大事とのことで、その時にたとえ値下がりしていたとしても、必要なお金なのであるから躊躇ってはいけないという言葉には、目から鱗が落ちました。資産運用にはこんな使い方もあるのだなと感心しました。
投資信託でよく聞く「分配型」というものについても説明があります。分配型には、定期的に運用益が自分の口座に振り込まれて、生活費の足しにできるといったイメージがありますが、実際は手数料がぼったくりに近いほど高いそうです。これも筆者の山崎氏は絶対やめた方がいいと書いています。

以上の事柄からも、あくまで投資は「お金にも働いてもらう」ことで「いざという時のための資金に備える」ために使うことが重要であり、毎月の支出は給与から捻出し、その一部分でも投資に充てられれば最善だということが分かります。
「知は力なり」とはよく言ったもので、一見ハードルが高いと思われる投資についても、きちんと知識を身に付ければ、現状よりもずっと効率的に自分の資産を増やすことができるのだということが理解できます。このことを知っているかどうかで、知らない人に比べ、損をすることは減ると思います。

 

老後資金に不安をかかえている人におすすめ

この本を読んでほしい方々はたくさんいますが、まずはご自身が下記の項目に当てはまるかどうかを考えてみてください。
・貯金はある程度あるけれども、銀行の普通預金に預けているだけで何もしていない
・自分の老後にいくらお金が必要で、それまでにいくら貯めておかなければいけないのかが分からず不安
・勤務先に確定拠出年金の制度があるか分からないまたは
勤務先に確定拠出年金の制度があるが、何の運用商品を選んでいるかがすぐに答えられない
・加入していた積み立て型の保険が満期になり、まとまったお金が振り込まれたが、その満期保険金で新たに保険に入ろうとすると、低金利の影響で、同様の積み立て型の商品にはもう加入できないと言われた
・とにかく将来が不安なので、お金を増やす方法があれば実践してみたい

上記に当てはまる、もしくは当てはまらなくても、いざ考えてみるととても気になる、といった方は、ぜひ本書を読んで資産運用を始めてみようという気持ちになっていただければと思います。

本書を読んだ筆者自身もそうでした。たまたままとまったお金が手元あり、これを何とか将来に備える資金にしたいと考えていました。でも銀行は金利が限りなくゼロに近いし、積み立て型の保険も、マイナス金利の影響でまともな商品はもう残っていません。
このお金を持て余してしまっている現状って、とっても損をしているのではないだろうか?でも資産運用って、株価が暴落すれば膨大な損失額が発生してしまうとってもリスキーなものだし、せっかく貯めたこのお金、元本割れしてしまうのはもったいなさすぎる、やっぱり投資に手を出すのは怖い、じゃあどうしよう…。そんな時に本書に出会いました。
「元本割れしない商品もあるんだ!」「確かにこういう投資信託を買えば、リスク分散できるから大損しなくて済むかも!」「素人でも、投資信託を活用して正しく分散投資すれば、金利+5%の平均点で運用できちゃうんだ!」という、これまでのイメージが大きく覆されることばかりでした。
本書を読めば、投資に対する苦手意識が解消できることはまず間違いありません。投資を始める人にとってはメリットだらけのNISA口座についての説明もあり、まさに至れり尽くせりです。

先述の通り、会話形式でボケ・ツッコミもあり、軽快なコントのように解説が進んでいく文章なので、読書がそもそも苦手な方々にも読みやすい本になっています。本屋さんで見つけたら、まずは手に取ってパラパラとめくってみてください。きっともっとよく読みたいという気持ちになると思います。

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難しいことはわかりませんが、お金の増やし方を教えてください!

難しいことはわかりませんが、お金の増やし方を教えてください!