ビジネス書籍ユーザーレビュー

ビジネス関連書籍の紹介日記です

水道事業経営の基本 石井晴夫 宮崎正信 一柳善郎

昨今の人口減社会等の影響により水道事業における財源の確保は年々厳しい状況となっております。また、上下水道に関わる設備は、排水管の破裂などニュースで盛んに取り上げられ老朽化問題は深刻な問題となっております。

地方自治体および公共団体職員においては、安心で安全な水を届けるため、そして持続可能な経営をおこなうためにも水道料金の適正化は急務となっております。また、水道法改正の動きもあり、ますます地方自治体および公共団体職員のとりまく環境は目まぐるしく変化をしていくこと、そしてその環境に対応できる能力が必要とされます。

 しかしながら、料金適正化は簡単に言えば、料金の値上げ。住民や住民を代表する議員からの賛同を得ることは難しく、例年値上げを伸ばしていた地域は少なくはないはずです。これは値上げができないという問題だくでなく、料金適正化を行うことのできる職員、そして水道事業を経営としてしっかりと捉え考えることのできる職員がいなくなり、後世につたえるノウハウ伝統が難しいという現実もあります。様々な問題がある水道事業は今後この問題を放置しておけば、安心安全な水が私たちの生活から離れてしまう現実を認識させてくれる本でもあります。「水道事業」は一部の人のみが関係あるのではなく、私たちの生活を変えてしまう大きな問題でもあるため人ごとにしてはいけない問題です。

本書籍では、日本における水道事業の基礎や現代の水道法が生まれた歴史的背景の理解から現代における水道経営の問題点、そして現状のまま経営を行ってしまった際の将来への影響について解説しています。また、水道に関わる経営学、会計学についてもわかりやすく解説し、地方自治体、公営企業団体職員のみならず、監査関係の方にも有益な情報と考え方を紹介しております。

そして、経営的な視点で業務を考えるためのノウハウのヒントが書かれているため、人材育成のためのひとつの参考書として利用することができると私は考えております。
また、海外事例を通して、日本との比較、そして、公への視点のみならず、公、官と民が連携することで生まれる新しいビジネスにまで話を広げわかりやすく紹介しています。

いわゆる水ビジネスを活用とした地方自治体や民間企業の紹介があり、現在水ビジネスは経済産業省でもちからをいれている事業であり、また水道のみならず日本の財源獲得の一環にもなりうるため、ビジネスヒントにつながる書籍でもあります。"


日常ではあるがあまり知られていない水道事業の流れを理解できる

水道事業における環境は目まぐるしく変化をしております。これは、私たちの生活にも大きく関わることでありながらも、私たちはどこか人ごとに捉えているのではないでしょうか。当たり前にある水がいつの日か当たり前ではなくなる日が近いと本書籍を読み感じました。

また、水道事業における会計は複雑かつ特殊であるため、会計学、経済学等の基礎から応用ができなければ決して理解することができないと思います。特殊であるからこそ人ごとになってしまうかもしれませんが、この水道事業を学問として考え理解すると他の業務にも非常に生きる知識であります。

少し幼稚な言い方になりますが、水道事業にかかわる職員はいち企業の社長と同じ役割をしていると感じました。施設に関わるコストから収入の動きの予想、そして適正な人事配置等を全て行うことができるのですから、これを全て理解しているのであればどこにいっても活躍のできる人材です。

その点においてはこの書籍を読むことで、学ぶことができるので大変オススメです。また、海外における水道事業は普段の生活の中では知り得ない情報かと思いますので、海外を知る材料としても非常に活用しやすい書籍であると思います。

個人的な意見となりますが、先にも申し上げたとおり、水道は私たちの生活に大きく関わることです。水道法改正に伴い、料金が値上げする、水道事業が民間企業のものになる等のマイナスな情報がおおく流れておりますが、本書籍をよみ、現実の問題をずるずると後世まで伸ばせば現状よりももっとひどいことになると容易に考えられるはずです。そもそも適正化をもっと早い段階でやっていれば今のような状態にもなってなかったのかもしれませんし。

人口減社会はどうやっても止めることは難しい。しかし、安心安全な水の供給のためにはまずは住民や住民を代表する議員が勉強しなくてはならないのではないかと私は思います。

現状、水道事業は利益を生むために値上げをしたいわけではないかと思いますし、なぜそうしなければいけないのか、今しなければ今後どうなってしまうかを考える力を私たち住民、議員は学ぶ必要があるのではないでしょうか?

この考え方は、水道だけではなく、普段の仕事の考え方にも繋がるのではないかと思います。水道事業はニッチな話かもしれませんが、私はこの書籍を通し今までにない考え方、物事の捉え方が出来るようになったとおもいます。ぜひ、一度読んでみて欲しい作品です。


地方公共団体や公共企業職員などはぜひ読んでほしい

繰り返しになりますが、主な対象としては地方公共体および公共企業団体職員でありますが、水道法が改正された場合、いわゆる水ビジネスに民間企業が参入しやすくなるため、水道事業にかかわる民間企業担当者にはぜひ読んでいただきたい作品です。歴史的背景を知る場面はなかなかないのではとおもいますので、ぜひ本書籍で勉強していただきたいとおもいます。

また、これも繰り返しとなりますが、水道は私たち住民の生活に大きく関わることです。そのため、地方自治体で働いていない一般の住民にもぜひ読んでいただき、自身が住む自治体について今一度考えていただきたいとおもいます。そして、住民を代表する議員さんたちにもぜひ読んでいただきたいです。値上げが住民の生活を圧迫すると多くの方は考えているかもしれません。でも、考えてみてください。いま、自治体にいる子どもたちが今の状態で今後子どもたちが大人になっても安心安全な水があるのでしょうか?いまやらなくて負担はより大きなってしまうのではないでしょうか?そんな現実から将来を考えさせてくれる書籍であると私はおもいます。

少し話は外れますが、本書籍は文字サイズもちょうどよく、厚さも内容に比べて非常に薄い厚さのため持ち運びにも便利です。文章も読みやすいため年齢に関係なく、またちょっとしたスキマ時間、例えば通勤中の電車の中やバス、またはお昼休みに少しだけでも、読める書籍であると私はおもいます。

anond.hatelabo.jp

水道事業経営の基本

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