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「一緒に働きたい」と思われる 心くばりの魔法 ?ディズニーの元人材トレーナー50の教え 櫻井恵理子

「その魔法は、夢の国のものだけじゃないよ」。
この本の表紙カバーにはこんな文言が書かれています。この言葉の通り、接客業や観光業以外の一般的な企業においても、ディズニーの優れたホスピタリティを活かすことで、円滑な人間関係が築けるようになれることを教えてくれる本です。

ディズニーのホスピタリティというと、ディズニーリゾートに訪れたお客様を「ゲスト」と呼び、そのゲストを最高に喜ばせ、夢の国のイメージを強固なものにする様々な工夫をしている従業員=「キャスト」の存在が有名です。

 この本の著書である櫻井恵理子氏は、そんなディズニーキャストを10万人以上育て上げた、元ディズニーの「カリスマ人材トレーナー」と呼ばれている方です。

櫻井氏は、人材開発部門以外にも商品開発部に勤務していたことがあるそうです。そしてなんとその時に、現在のパーク内では当たり前となっている超有名な大ヒット商品「ファンカチューシャ(ミッキーやミニー等、ディズニーキャラクターの耳をデザインしたカチューシャのこと)」を生み出した張本人とのこと。とにかく色々すごい方です。

現在は大学で「レジャー産業論」等を教える専任講師としても勤務しており、ディズニーで身に付けたホスピタリティを様々な場面で活かす方法を提案している方だそうです。本文は3つの章で構成されています。
①マインド編
ディズニーが大切にしているホスピタリティは、どのような心の持ちようから生み出せるものなのかが、この章に詳しく書かれています。いわば「行動指針」のようなものでしょうか。
相手に対する思いやりを持って、ゲストに最高のおもてなしを提供するキャストのように振る舞うために、一体どのようなマインドを持つべきなのか、人材トレーナーとして経験豊富な著者が、平易な言葉で分かりやすく解説しています。
②コミュニケーション編
マインド=行動指針が理解できたところで、この章では、すぐに実践できる具体的なコミュニケーションスキルが紹介されています。挨拶の仕方や人に何かを頼むときの言葉遣い、声の高さからジェスチャーの大切さまで、その内容は多岐に亘ります。
③行動編
コミュニケーションを学んだあとは、最後に具体的な行動についての紹介です。著者が実際に経験したことも含め、「こういう行動が良い結果を生み出す」という内容が書かれています。こちらも非常に具体的で、やろうと思えば今すぐにでも実践できるものばかりです。
以上、主に3つの章に分けて、ディズニーホスピタリティを自分自身の職場で活かす方法が書かれています。


相手に対する思いやりをもつことで自分の人生が輝く

著者はこの本の結びにこんなことを書いています。楽しんでいる人がいちばん輝いています。そして、仕事を楽しむためには、良好な人間関係を築くことが何よりも大切です。職場の仲間たちとの絆を深めるための方法が、この本に詳しく書いている「心くばりの魔法」です。これを実践することで、自分の人生はどんどん輝きだし、自分の人生が楽しくなることでしょう、と。

この本を読んだ後、まさにその言葉の通りだということが学べます。職場の人間関係なんてうざったい、かったるい、なんて思わずに、自分もディズニーの素敵なキャストのように、相手に対する思いやりを持ってみよう、という前向きな気持ちにさせてくれます。
著者が書いている「心くばりの魔法」とは、具体的には下記のようなものです。

【マインド編】
・身近な人をVIPとして扱ってみましょう。
 実践すれば、自分と違う相手を理解しようとする気持ちが身に付き、人間関係を良くするためのきっかけになります。
・ディズニープリンセスのように、逆境に立ち向かいましょう。
 ディズニーの描くシンデレラは、決して白馬の王子様を待つだけの受け身の女の子ではありません。他のディズニープリンセスたちも同様です。
 彼女たちは現状がどんなに苦しくても、それを冷静に受け止め、真摯に向き合い、立ち向かおうと努力をします。
 そんな彼女たちだからこそ、最後に最高の幸せを手にできるのです。
・職場の仲間を「ゲスト」のように扱いましょう。
 キャストの最高の喜びは与えること。その精神を持って、職場の仲間に敬意を払い、接してみましょう。

【コミニケーション編】
・高めの声で話しましょう。赤ちゃんに話すときのように、高い声は相手に好感度や安心感を与えることができます。
・仲間をほめる環境を作りましょう。決して持ち上げるのではなく、どこが良かったのかを具体的にほめることで、前向きな職場になります。
・うらおもてがないことこそが「おもてなし」であると理解しましょう。
 人間は損得勘定で動くと、必ず裏表が出てきてしまいます。仲間を大切にする気持ちを持てば、自然におもてなしができるようになります。

【行動編】
・早めに出社して、職場の共有スペースを掃除しましょう。
 掃除をすると無心になり、穏やかな気持ちになれるため、1日の初めにいいスタートが切れます。
・相手の気持ちを掴むためにも、思いやりを示しましょう。
 相手の状況を察し、ひとことねぎらいの言葉をかけるだけで、思いやりは示せます。
・仲間を手伝いましょう。
 相手がどんな仕事をしているか観察し、自分から手伝いを申し出ましょう。
上記はほんの一部ですが、本当に具体的に書かれており、これなら明日から実践できそうだなと思うものばかりです。そのため、すぐにでもやってみようという前向きな気持ちになれました。


サービス業の方はもちろんの職場の人間関係に悩んでいる方におすすめ

この本の珍しいところは、ディズニーの有名なホスピタリティスキルを、サービス業に限らず、「読者が今働いている自分の職場」にも活用できるのだと書いてある点です。

そのため、自分の職場の人間関係に悩んでいる人や、自分の職場の雰囲気を良くしたいと考えている人であれば、業界・職種に限らずおすすめできる本です。
1日24時間のうち、ほとんどの時間を過ごす「会社」という場所の居心地が悪ければ、その人は人生の大部分の時間を苦しんで過ごすことになってしまいます。そんなの誰だって望んでいません。それなのになぜ上手くいかないんだろう…。そんな悩みを抱えている人にとって、ディズニーのホスピタリティを実践することは実はとっても効果的なのです。
筆者はこの本の中で「自分がショーを演じるつもりになってみる」というマインドも提案しています。まさに「演じる」ことが大切なのです。
それは決して、本当の自分を隠して、我慢して、相手の顔色を窺うことではありません。人間関係を円滑にし、自分自身が輝くために、相手を心から敬い、思いやってみようという決意を表すことなのです。
「おもてなし」は「裏表無し」の意味、損得勘定で動く人には誰も信頼を寄せません。心の底から相手を思いやる「心くばりの魔法」を身に付けることができれば、本当の意味での「おもてなし」が提供でき、ディズニーリゾートで働く「キャスト」のように、自分の職場でもキラキラ輝くことができるでしょう。

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「一緒に働きたい」と思われる 心くばりの魔法 〜ディズニーの元人材トレーナー50の教え〜

「一緒に働きたい」と思われる 心くばりの魔法 〜ディズニーの元人材トレーナー50の教え〜