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売上1000万円を稼ぐ! 「地域一番コンサルタント」になる方法  水沼啓幸

著者の水沼啓幸氏は高崎経済大学経済学部卒業後、法政大学大学院でMBA取得。地方銀行の栃木銀行を経て2010年に地域企業を対象としたコンサルタント会社を設立しています。専門は財務・金融・事業承継の中小企業診断士です。

本書は地域に根ざした経営コンサルタントの著者が、コンサルトとして独立するまでと、独立4年目までに延べ150社を顧客にするに至った経緯とそのノウハウを公開しています。

本書は8つの章からなる250ページの本です。

第1章は「地域一番コンサルタント」を目指そう!。地域でも経営コンサルタントは成り立つばかりか、成功する要因が多いことを紹介しています。

第2章は中小企業の依頼を獲得する営業術。地域で成功するコンサルタントは営業が重要であると著者は強調しています。

第3章は地域で受け入れられるサービス・料金設定。大手コンサルタント会社と差別化を図るためにはどのようなサービスを用意し、料金設定はどのようにすればよいのかなどの極めて実践的なノウハウが記述されています。

第4章は地域でニーズが高いコンサルティングサービス。経営計画を一緒に作成する、月次財務モニタリングサービスなどは、都市部の大企業では常識であっても、地方の中小企業では専門能力のある人材が少ないこともあってあまり一般的ではありません。

第5章は地域密着型のメディア活用。SNSを使ったセルフブランディングは地方でももちろん有効です。また地方紙・地方のテレビ局などの目につきやすい情報を発信していると、思わぬビジネスチャンスが舞い込むこともあります。著者が発信した情報がテレビ局の目に止まり、ニュースのコメントを求められることもあったとのことです。

第6章は大手との差別化をはかる情報ネットワーク。地方独自の人脈・ネットワークつくりについて解説されています。また地方自治体など公的機関との連携を図って情報共有することのメリットも強調されています。

第7章はサービスの質を上げる関係作り。顧客との関係をどのように図っていったら良いのかが語られています。基本的には新規の顧客開拓よりも既成の顧客との関係づくりを向上させていくことが重要だと指摘しています。

第8章はコンサルティングから広がるビジネスチャンス。法人としての売上と個人としての年収の目標設定の仕方や実態について記述されています。また地方の企業は小規模経営であることが多いため、アウトソーシング受託の可能性も高いと指摘されています。


自分強みを活かして地域NO.1となる分野をつくりあげること

地方において独立・開業しても、十分に成功できるということが説得力ある記述によって説明されているのが役に立ちます。地方経済は疲弊しているなどという経済ニュースやドキュメントを目にすることが多いですが、地方であってもやり方次第ではチャンスが広がります。

著者は地方を取り巻く経済環境が大きく変わったため、地域コンサルタントして成功する要因が増えたとして5つのポイントを指摘しています。
1.IT化の普及によって地域企業に変化が求められていること。
2.人口減少の影響による事業のあり方の変化。
3.高齢化進展にともない、事業承継が急務であること。
4.現代的マネジメント手法の重要性が増していること。
5.SNSの普及により、地方であっても情報発信が容易になって、価値を認識されやすくなっている。

 

きちんとした経営ノウハウを習得していれば、都市部のコンサルタント会社に所属していなくても独立・開業のチャンスは十分にあるのです。
ただし、都会と違って企業の数は地域ではかなり限られてしまいます。そのため、自分の強みを発揮して地域NO.1となる分野をつくりあげることが重要だと著者は指摘します。

本書のタイトルが「地域一番コンサルタント」になる方法となっている所以だと思われます。地域一番の分野があると、顧客が別の新たな顧客を紹介してくれるなどの人脈・ネットワーク作りが容易になります。また、ビジネスの情報発信もやりやすく注目度も高まります。
従来はコンサルタントとしての認知度を高めるためには、マスメディアへの登場や本の出版等限られた手段しかありませんでした。しかしSNSの発展により、地方であってもコンサルタントとして社会に認められることは容易になったと著者は言います。いわゆるSNSによるブランディングですね。
著者の実践するSNS活用法は、ホームページ・ブログ、そしてフェイスブックを連携させることです。

ホームページは公式の情報発信ツールという位置づけです。ホームページは最初から完成度の高いものを作成する必要はありませんが、定期的に更新していくことが顧客に安心感を与えることになります。

地域一番のコンサルタントになるためには、ブログが最も有効な手段であると指摘されています。ブログについては、月に数回更新しているとのこと。地元のイベントなど、地域の人が興味を持てる話題について記事を作成することも必要だと言います。記事がおもしろいと、必ずリピーターになってくれるそうです。アクセス解析をするとブログからホームページを訪問していることがわかります。
 フェイスブックは日常で感じたこと、シェアしたいことを発信しているそうです。それによって、顧客との接点が増えていくことがメリットです。

コンサルタントを目指す若い世代のビジネスマンにおすすめ

本書は抽象的な記述は少なく精神論中心の成功自慢話でもなく、具体的なノウハウが満載なので、コンサルタントはじめ独立を目指す人にはすぐに役立つ本といえます。

基本的にはコンサルタントを目指す若い世代のビジネスマンにおすすめです。今は東京などの大都市で勤めていても、いずれは田舎に帰りたいという人も多いのではないでしょうか。あるいは、不測の事態が生じて実家の仕事を継がなければならないということも、一人っ子など兄弟が少ない人にはありえないことではないかもしれません。

コンサルタント業だけでなく、地方でWEB・イラスト制作会社・広告代理店などを開業しようと目指している方にも、ぜひ目をとおしていただきたいと思います。こういった方々のなかには、自分の専門ジャンルでは実力十分でも、経営の知識や営業のノウハウには精通していないという方も数少なくありません。なかには営業なんて経験したことがないなんて方もいるかもしれません。

会社で有能なエンジニア・デザイナー・プランナーであったとしても、独立して自分が経営に携わると戸惑うことも多いからです。著者は独立後まもなく、会社経営に生活資金を投入せざるを得なくなったことを前書きで告白しています。その時の会社の預金残高はたったの7万円。それでも2年目には20社の顧客開拓を成功させています。
そんな著者の本だけに、独立を考えていて経営学の概念的な説明では飽きたらない人にはたいへん示唆に富んだ本です。

anond.hatelabo.jp

売上1000万円を稼ぐ!  「地域一番コンサルタント」になる方法 (DO BOOKS)

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