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プレゼンは資料作りで決まる! 意思決定を引き寄せる6つのステップ 天野 暢子

本書は2006年に設立された「プレゼン・コンシェルジュ」という会社の代表取締役である、天野暢子氏によって書かれた書籍となります。社名も非常に独特な響きですが、どうやらホテルのコンシェルジュのホスピタリティをモチーフに、世界初の「プレゼン・コンシェルジュ」を名乗った方です。

 読者の対象層ですが、業種に関わらず全てのビジネスマンに対して、社内外へのプレゼンテーションを控えているタイミングで、下記のような流れでプレゼン本番を迎えることを教えてくれています。
 ①どのような構成で考えるか
 ②どういう資料の書き方が相手に伝わるか
 ③資料のビジュアルはどう編集するか
 ④最終的な仕上げと、当日に向けた心構え、プレゼンのテクニック論

上記の①~④は一般論によるプレゼンのお作法的な所から、氏の個人的経験に基づく知恵がふんだんに盛り込まれており、プレゼン初心者~中級者くらいまでには、役に立つ内容が書かれています。

本書に書かれている内容のほんの一部を引用させていただきますが、
 1.出典元を明らかにした上で、外部データを積極的に利用する
 2.○○を導入すると、□□%の効果が出ます
 3.伝えたい項目は1pごとに3点でまとめる
などのエッセンスが記載されています。

例えば、「1.」は自分の通したい意見に裏付けを与える為の、ロジック強化に繋がる話ですし、「2.」に関して氏は「ベネフィット(お得感)」と記載していましたが、導入をした場合の具体的な効果、合理性、必然性を相手に印象付ける上で、どこのビジネスシーンでも当たり前のように使われている論法です。(CMや雑誌の広告記事などでも良く見かけますよね)
そして、「3.」は意思伝達に関するテクニックのようなものに当たると思いますが、仮に伝えたいことが10~20個有っても、たかだか十数分のプレゼンでオーディエンスへ伝えられるということはそう多くは有りません。そこで伝えたい内容をあえて3つに絞ることで、プレゼンの受け手の脳裏にその3つだけを強烈に焼き付けるように働きかける訳です。

などなど、当方も業務上、様々な企業のプレゼン内容を拝見することも多いのですが、良かったなーと思うプレゼンに符号するようなポイントというのが、本書には凝縮されていたような気がしています。昨今、プレゼンに関する書籍の数は大変な量が有りますが、本書に書いてある内容はそんなにドラスティックな内容とかを記載している訳では無いものの、いわゆるプレゼンの「教科書」的な使い方が出来る本だと思います。


プレゼンする際の資料の作成方法が読むだけで学べる

本書を私が利用したシーンなのですが、当時入社1年目の頃、何故か会社を代表するような形で企業メッセのプレゼンターに抜擢されてしまいました。

当然、入社1年目なので、プレゼンに関するお作法なんていうのは大学時代のゼミの発表やビジネスコンテストのプレゼンくらいしか経験が無く、準備期間も2カ月無いくらいだったので、これはまずいという思いで急遽購入したのがこちらの書籍でした。

使い方としては、まずは訳が分からない中で本書を一読し、プレゼンというのはこういう段取りで作るんだという意識を持った後に、自分が行わなければいけないプレゼンと照らし合わせて、どのように本書の内容を水平展開すれば良いのかをひたすら考えていました。

私が上述している「1~3」なんてまさしくそうで、自分のプレゼンテーションにもそのまま反映した物でして、本書の中にもサンプルのパワーポイントのイメージ等が有ったので、まずは模倣するくらいの意識で自分のプレゼンをせっせと作った覚えが有ります。模倣というと抵抗が有る方もいらっしゃるかと思いますが、スポーツにしろ、勉強にしろ、どんなこともまずは模倣から始まると私は思っていて、模倣のクオリティが上がってきた段階で初めてオリジナリティーを出していけば良いというだけなので、そこはそういう意味でお考えいただければと思い増す。

本書を踏まえて作ったパワーポイントのドラフトを職場の上司・先輩方に見せた所、内容(製品知識など)に関しては色々と指摘を受けたものの、概ねのストーリー構成に関してはそこまで突っ込みを受けず、この本を熟読しておいて良かったな、と心の底から思った覚えが有ります。
この本を読むまでは、私も学生時代はとある企業が開催したビジネスコンテストで全国大会まで進んだり、プレゼンに関しては全く自信が無い訳では無かったのですが、当たり前ですが学生レベルと社会人レベルとで、大きな乖離が有るのだなと痛感しました。

結果的に、私のプレゼンは大盛況とまでは行かないものの、そこそこ盛況に終わりました。
ですが、他の企業のプレゼンターがその会社の部長クラス以上が実施していた物に対して、私は入社1年目のペーペーが他の業務との兼ね合いの中で二か月という準備期間で実施し、遜色が無かったという評価をもらったので、それなりに成功したのでは、と勝手に自己評価をしています。私は決して優秀な人材では無い為、そんな私が出来たのであれば、世間の方々であれば問題なくエッセンスを活かせると思います。


学生やこれまでプレゼン経験のない社会人におすすめの一冊

この書籍を以下のような方におすすめいたします。
 ・大学生、高専生
 ・これまでプレゼン経験の無い社会人の方(とは言え、経験が有る方でもおすすめ)
 ・上記には該当しないが、それなりの重圧の中でプレゼンテーションを実施しなければいけない方

繰り返しになりますが、本書はプレゼンの教科書的な存在であり、天野氏もそれを意識してか基本的なお作法から、応用的なテクニックまで網羅してくれています。
その為、プレゼン経験の乏しい学生さんや、社会人の方、それなりに経験を積んできた方でも読んでいて「なるほどな」と思うポイント、テクニックは多いかと思います。

私もプレゼンが有る時は決まって本書を取り出し、改めて全部一読したりはしませんが、必要な箇所だけを辞書的に読み、そうだこうだったな、と理解を深めるような使い方をしています。実際、会社でもプレゼンはこうやって作ってくださいなどの講義も有るのですが、この本に記載されているような内容と重複することがほとんどであり、良い意味で目新しさが有りません。

プレゼンという切り口では同じような某アップル社元CEOのプレゼン術なんてものも有り、それも読んでみましたが、あれは読み手を選ぶ本であるのに対して、こちらは誰が読んでも習得、応用出来る本になるかと思いますので、これからプレゼンを控えている方には強くおすすめです。ぜひ本書と触れ合い、成果に直結するプレゼンテーションを実施していただければと思います。

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