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多動力 (NewsPicks Book) 堀江貴文

元ライブドア社長の堀江貴文氏が書いた新しいビジネス指南書である。ネット、スマホの登場で時代のスピードが早くなっている今、もはや従来のやり方では通用しなくなっていることが増えている。その一つが”働き方”である。

最近、働き方改革と叫ばれるようになったが、これまでの終身雇用型の勤務スタイルは消えつつある一方で、ネットの発達により個人レベルでの活動が目立ってきている。
この変化の中で、我々は仕事に対してどう向き合えばいいのか。その提案として、堀江氏は「多動力」をキーワードとして挙げている。本書は、その多動力とは一体何か、具体的にはどうすればいいのかを堀江氏が語っている。

 堀江氏がいう多動力とは、結論から言えば自分の興味のあることに邁進する力のことである。要は、自分が興味を惹かれるもの、やってみたいと思うものに、次から次へと手を出してとことんハマっていくのである。
堀江氏はこれまでの書籍でも「好きなことを仕事にする時代」ということを度々主張しているが、今回の新著「多動力」はそれをさらに突き詰めたものになっている。また、多動力は、興味のあるものにスピード感を持って没頭する力であるとともに、いくつものプロジェクトを同時に進行する力も含んでいる。ただ一つのことに集中するだけでなく、やりたいと思うことがあれば、ジャンルを飛び越えても複数やった方が効率が良く、スピードを保つことができるというわけである。

なぜここまでスピードにこだわるのか、そこには徹底的に無駄を省くという、効率を重視した堀江氏のこだわりがある。例えば何かに取り組むまでの計画や検討に要する時間。やるかやらないか悩んだり、準備に時間をかけるなら、見切り発車で始めてしまった方が良いというのが堀江氏の意見だ。さらに、飽きたらすぐに別のことに移れという指示もある。通常、やると決めたことはやり遂げるというのが、日本では責任感があるなどと評価の対象になっていたが、やってみてピンとこなかったことをいつまでも続けるのは、それこそ時間の無駄だと堀江氏は語っている。想像していたものと違った、飽きてしまった場合は未練を感じずに、また次の興味へと映る。そうすることで、人より何倍も多くの経験を吸収することができ、ビジネスのチャンスに乗れる確率もグッとアップするというわけである。「多動力」は、これからの新しい時代の波にうまく乗っていくために必要なリズム感が指南された斬新な一冊である。


限りある人生をどう有意義に過ごせるかを学べる

堀江氏によって本書で提唱されている「多動力」は誰でもすぐに実行に移せることである。なぜなら、多動力は必ずしもビジネスで成功するためだけのものではなく、限りある人生をいかに有意義に過ごすかという提案につながっているからだ。自分の場合は、いま興味があってやっている事の他に、興味はあるが手を出せていないものがいくつかあった。
なぜ手を出せていないかと言えば、お金、時間など色々な制約も理由の一つだが、一番の理由は今まさに取り組んでいる事がおろそかになってしまうのではないかという恐れによるものだった。二兎を追うものは一兎も得ずということわざが頭に浮かんでしまい、どうしても後ろめたさを感じてしまっていたのである。しかし、堀江氏の「多動力」はそれを一刀両断していた。

やりたい事は気にせずどんどんやれ、失敗してもいいというのが堀江氏の意見である。そういえば、実際に過去にやってみたけれどやめてしまったこともいくつかあったが、それはそれで経験としては悪くなかった。自分の向き不向きを学べたので、次からの参考にすることが出来たし、やっておけば良かったという後悔が残ることもない。そして、何より、これは堀江氏も言っているが、点と点だった興味がやがて繋がることがあり、さらにビジネスに発展していく可能性があるのである。そもそも多動力の原点はビジネスの種、さらには人生の種を見つけることである。

本書でそれに気づかされてからは、これまで以上に自信を持って新しいことにチャレンジする心構えができた。また、何をやるか、いつやるか、ということにこだわりすぎることなく、思いつきで構わないという価値観が生まれた。これは日々の生活にも直結し、突き詰めれば、毎日その日の気分でやりたいことをやれば良いという感覚を持てるようになった。

もちろん仕事をしながら家事をこなす様は、周りから見ればまだそう大して変わっていないかもしれないが、自分の意識としては大きな変化を感じているのである。今日何か新しいことを見つけたら、今日からやってみればいい。それだけでとても自由な気分になれる。そもそも日本人は皆、本当は自由なのに自由でないと思い込んでいるのではないだろうか。個人レベルで仕事をこなすことが当たり前になるこれからの時代に、自分に制約を設けるのは大きなハンディとなってしまう。そうした制約の概念を取っ払うのに、この「多動力」は最適な書であった。


ビジネスマンに限らず現代を生きるすべての人におすすめ

本書はビジネスマンに限らず、すべての人におすすめできる本である。それは本書が単なるビジネス書ではなく、新時代を生き抜く指南書になっているためであるが、特に読んで欲しいと思うのは決断力に自信のない人、やりたい事がみつからず日々を消耗している実感のある人、今の仕事、生活が好きでない人、などである。というのも「多動力」はある意味これまでの日本社会の概念を覆すものであるので、仕事や人生に変化を求めている人には今もっとも薦めたい一冊である。

それまで「行動力」というキーワードは度々提唱されてきたが、「多動力」は行動力をさらに進化させたものである。まず行動しよう、といったありきたりな提案ではなく、堀江氏は「サルのようにとことんハマれ」「考えるヒマがあったらすぐにやれ」という強烈なメッセージを残している。何か煮え切らない性格、人生に不満を感じている人にとって、これほど背中を押してくれる本はないだろう。

また仕事や勉強に一層邁進したい人には、ビジネスの帝王、堀江貴文氏が提案するビジネスに必要なマインドも大いに参考になる。本書では「電話に出るな」「石の上にも三年は無駄」など、これまでの常識を覆す堀江氏の具体的な指南がいくつも書かれている。どれも意識を変えれば、すぐに実行できるものばかりである。いきなり性格やマインドを変えるのが難しい場合も、本書をにならって一つ一つの行動を見直していけば、随分と変わるのではないかと思う。

tomolog.hatenadiary.jp

多動力 (NewsPicks Book)

多動力 (NewsPicks Book)