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「言葉にできる」は武器になる 梅田悟司

こちらの本は株式会社電通のコピーライターである梅田悟司さんが書かれた本です。梅田悟司さんは上智大学大学院理工学研究科を修了したのちに、株式会社電通に入社されています。また在学中に「STAR STARTS RECORDS」という会社を起業しています。この本は自分の「内なる言葉」を見つめ、自分が本当は何を考えているのか、内なる言葉から探り、気持ちを把握し鍛える方法について描かれている本です。

 普段から私たちは企画発表やプレゼンなど、自分の言葉を外に向ける機会が沢山ありますが、なかなか思い通りに言葉が浮かばず、自分の思いを表現できないことがあると思います。

本書ではそのような問題が起きるのは、自分の「内なる言葉」を意識する力が足りていないと指摘しています。すべての思考は言葉から生まれていて、自分の意見を磨くにも言葉が重要であるということを説明しています。

現代はインターネットが普及し、言葉を外へと発信する機会がとても増えています。けれど自分の「内なる言葉」に向き合っていなければ思考は深化せず、発信する言葉も成長されません。そのことに対して著者は注意を喚起し、著者自身が言葉と向き合った経験を教えてくれています。

何もせず、物思いにふけっている時、私たちは考え事をしているように思えますが、実は違うと著者は本書で指摘しています。それは考え事をしているわけではなく、思い出しているだけなのだと本書には描かれています。

そこで重要なのは一度誰かに話したり、紙に書いたりすることで「思考と記憶を切り離すこと」だと本書では書かれています。思考だと思われていたものも、実はそうではなく、記憶を辿る行為と区別をつけるためです。

私たちは普段どんな行動をしていても、無意識のうちに頭の中で「内なる言葉」が話されており、それを思考と呼んでいると著者は書いています。そしてその「内なる言葉」をタネにして、外への言葉、つまり意見を育てることが重要なのだと本書には書かれています。

言葉を外側へとアウトプットする前に自分の「内なる言葉」を見つめ、自分の意見を育てること。それが現代の沢山の言葉の発信がされる時代でするべきことです。自分の意見を育てずに外へと発信をしても、自分の意見は発信する言葉には変換されません。

そして本書ではその「内なる言葉」に意識を向け、意見を育てる具体的な方法、またコピーライターである著者が実践している言葉の扱い方などについて詳しく紹介されています。


頭にあることを紙に書き出し「なぜ?」と自問していくこと

第一に自分の頭にあることを紙に書き出すこと。今あなたに悩んでいることがあり、それを頭の中で考えつづけていてもその問題が解決されることはないと著者は指摘しています。なぜなら頭の中が考え事で一杯になっており、それだけでよく考えているように感じ満足してしまうからです。また考え始めると、最初に考えていたことを忘れてしまいますし、頭の中で考えているだけでは脈絡がなくまとまりません。

このような問題を解決するために著者が提示しているのが、一度考えていることを紙に書き出すことです。

具体的に本書で提示している方法は、適度な太さのある水性ペンでA4サイズの紙に「内なる言葉」をどんどん書いていく方法です。A4サイズの紙にのびのびと書くことで自分の「内なる言葉」と向き合うことができ、また自分が書き出したことを書いた後に俯瞰してみることができるからです。

その時に自分が感じている疑問に対して頭に浮かぶことをとにかく書き出すことが大切です。

次に「なぜ?」「それで?」「本当に?」を投げかけること。先ほど紹介した、A4にその時感じている疑問やテーマに対して書き出した、「内なる言葉」の考えを進化させる作業に入ります。「なぜ?」「それで?」「本当に?」という言葉を投げかけることで、内なる言葉を拡張し、解像度を上げていくのです。

著者はこのように考えを進化させていく方法を、「T字型思考法」と呼んでいます。

最後に「内なる言葉」を分類することです。はじめに頭の中にある「内なる言葉」を書き出し、次に「なぜ?」「それで?」「本当に?」といった言葉を投げかけることによって考えを拡張し、解像度を上げていきます。

そして次に今まで書いてきた言葉たちを同じ仲間ごとに集め分類するのです。分類することによって自分の考え方がどれくらい、どこに偏っているのか確認ができます。自分の思考のクセが分かるのです。

同じ仲間で分類することができたあとは、その仲間の集まりに名前をつけます。名前をつけることによって自分の思考の方向性が分かり、思考を明確化することができるのです。すると今まで自分が考えていたことが明確になるだけではなく、これから自分が深化させていく思考の方向性も定まります。

また時間軸、人称軸、事実軸、願望軸、感情軸といった指針で方向性を分けることにより、「内なる言葉」の全体像が分かるようになるようです。

自分の意見を話さないといけない人や今の生活に課題のある人におすすめ

企画発表やプレゼンなど、自分の意見を話さなければいけない人仕事の関係などで自分の意見を会社の人などに発表する機会がある人も多いと思います。そういった人たちは、まず資料作成のために市場規模などの情報を集めるのではなく、「なぜ自分がその企画をしたいのか」、「今自分が周りに伝えたいことは何か」を考えることが重要です。そして本書はそういった「内なる言葉」を見つめ、自分の意見を育てるための方法が書かれています。外に発信する前に、まず自分の意見をしっかり深めることが企画発表、プレゼンなどを成功させるコツだと思います。


また、今現在悩んでいることがある人・今の生活に課題を感じている人にもこの本はおすすめです。就職活動・仕事・結婚・人間関係など私たちは生活の中でその都度考えたり、悩んだりする課題がたくさんあります。そしてその問題の一つ一つを解決するのにも本書は活用できます。

悩み事をただ頭の中で考えているだけで解決することがはできません。そして解決するために行動を起こすことも大切ですが、その前に自分が何を問題だと感じているのか、どう行動を起こすのが解決に繋がるのかなど、自分の「内なる言葉」と向き合う必要があります。行動を起こす前に、一度自分が本当は何を望んでいるのか、どうしたいのかを確認する作業が大切です。

いつも同じ悩みにぶつかってしまう人も、自分の「内なる言葉」に向き合えていない可能性があるので本書をオススメします。

 

www.waseda-neet.com

「言葉にできる」は武器になる。

「言葉にできる」は武器になる。