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図解 池上彰の経済「超」入門 池上 彰

テレビでもいたるところで見かける、池上彰さんの経済初心者向けの本です。

「毎日小学生新聞」の記事を元にまとめたもののようで、字も大きく小学生にもわかるように書かれていて、子供向けの経済学「超」入門なんだろうと思っていましたが、経済が苦手な社会人にも理解できるように工夫されたということで、大人が読んでも面白いです。

 この本は主に経済用語についての意味を説明する体裁になっています。
消費税やアベノミクス、円安、株、金利、そしてTPPまで、わかっているようでわかっていないことを簡単な短い文章で説明してくれます。
大人にとっては、昔学校で教えられたけど忘れてしまったことの復習だったり、時代が変わって新たな用語がどんどん出てくる経済の世界に入るとっかかりとして利用できます。

2014年初頭に書かれているので、その時点での新しい経済用語、たとえば「アベノミクス」についても、池上さんの視点で偏りの少ない(ある意味ノーマルで無難な)書き方がされています。恥ずかしながら、普段「アベノミクス」なんて言葉を使っておきながらも、その意味が何なのか、よくわかっていないで使っていたような私みたいな人間にはハッと気付かされることもあり、その点が面白いです。
逆に経済用語に微に入り細をうがつように詳しくても、それがおおまかに何を意味しているのか、これから日本はどういう
方向に向かっているのかよくわかっていないという人にも、池上さんならではのバッサリと簡単に要約して言い切る部分で、勉強になると思います。

TPP問題については、まだトランプが大統領になる前の2014年の段階ですので、若干批判的にTPPを捉えているように感じました。とはいえ、TPPについての日本にとってのメリット・デメリットをきちんと書いていて、それをどう捉えるのかはあくまで読者次第、というスタンスで書かれています。

2014年時点でタイムリーな話題を扱っているため、たとえば「2015年10月には消費税が10%に引き上げられる(予定)」と書いてあるので、今から読むと少し違和感を感じる部分もあります。ただ、TPPのところで「FTA」や「ETA」についての説明もありました。
FTAが世間に注目されたのは、トランプ大統領が反TPPの立場を取ってからだと思うので、まだまだこの本に書かれていることは
勉強になります。

正直なところ、小学生がこの本を読んでどれだけ理解できるのかは疑問ですが、高校生あたりがざっと現在の日本の経済についてかいつまんで把握するのには向いていると思います。

わかっているようでわかっていない経済用語が簡単に理解できる


経済用語については大人の人でも、わかっているようでよくわかっていないものだと思います。普段ニュースその他で頻繁に耳にしながらも、なんとなくわかったような気分になっていたり、難しそうな用語の場合は右耳から入っても自動的に左耳から出ていくような、完全に無視して聞かなかったことにしてしまったり、そういう人はかなり多いのでは、と思います。恥ずかしながら、私もそうです。そんな私でも、この主に子供を想定して書かれたこの本を読んでみて「なんだ、この経済用語ってこんなに単純なことだったのか」という発見がいくつかありました。

日本銀行とその他の銀行の役割が違うことは、確かに学校で習っていたことは思い出しましたが、直接関わる人でもない限り忘れてしまったりするものでしょう。この本で改めておさらいできました。

この本は字が大きいし文章も簡便でスラスラ読めるので、スッと落ちるように理解でき、どんどん読み進められます。ページ数も200ページ足らずですし、大人なら数時間で読みきってしまえると思います。もちろん自分の気になっている部分だけを読んでも構いません。

池上彰さんはテレビでもそうですが、複雑なことを簡単な言葉で言い切ることが多いように思います。それが、複雑で理解が難しいと感じてモヤモヤしている大人の頭をスッキリしてくれるので、池上さんが今の世間でウケている理由の一つなのだろうと思います。
池上さんのまとめの上手さ、表現の上手さは情報が錯綜しやすい現代社会にはあっているのでしょうし、現代に住む私達にも必要な能力のうちの一つなのだとこの本を読んで改めて感じました。子供向けの本だとバカにしていたら、この重要な点を見落としてしまうことになりそうです。

少ない文章でまとめるように言い切ったとしても、言い切るためにはそれなりの深い膨大な知識の前提があってこそのことだろうと思います。
池上さんの膨大な知識とこれまで培われてきた経験や実績からくる説得力を学べるという、この本の趣旨とは違う面でいろいろと勉強させてもらえる本でした。

もともと子供向けに書かれた本なので、わかりきっていて大人が読むのもどうかと思うトピックもないわけではないですが、大人になればいろいろと余計な偏見が身についてしまったり、一部の初歩的なことが抜け落ちてしまっていたりするものです。それらを復習する意味でも、素早くさっとおさらいできるという点で、こういった本はなかなか良い本ではないかと思います。

経済用語のおさらいをしたい人におすすめ


大人が読む場合は、ひとことで言えば経済用語についてのおさらいに使える本です。もし子供に読ませる場合は、小学生だと読んでも理解するのはなかなか難しい気もします。中学生であれば読ませると日本の社会について理解が深まるのではないかと思います。

大人が読む場合でも、意外と忘れてしまったりわかったふりをしていることをおさらいできるので、興味のある部分をさっと読んで勉強する方法でも使えます。
特に、経済に関して仕事では直接関係ないし詳しくはないけれど、ニュースなどでなんとなく気になっていることがモヤモヤしている、そういう経済用語が貯まってきている、という人が読むと「アッ!」という発見・気付きがあって良いかも知れません。
逆に言うと、もともと経済に関して詳しい人は、読んでもただの時間の無駄になると思いますので、おすすめしません。

本のタイトルにある通り「図解」ものですので、図やグラフなどでの説明もあり、理解の助けをしてくれます。
「池上流プラスワン」というちょっとした小ネタもあるので、それを読んでも面白いですし、ちょっとした意外なことで
自分が得をする、もしくは今まで損していたことに気付かされるかも知れません。

若干情報が古くなっている部分もありますが、この本は日本の金融政策の基本のキが書かれているので、他のもう少し高度な
本を読んでイマイチわからなかった人や、常識過ぎて他人に聞くのが恥ずかしいと思う経済の知識を復習したい人にはおすすめです。

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図解 池上彰の経済「超」入門

図解 池上彰の経済「超」入門