ビジネス書籍ユーザーレビュー

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仕事も人間関係もうまくいく ANAの気づかい ANAビジネスソリューション

この本は、ANAで20年以上勤める社員さん達や、OBの方々に話を聞いて、「気づかい」のコツをまとめたものです。
本は7つの章 (チャプター)に分かれていて、チャプターはさらに5~7つの項目に分かれています。
まず最初の章(チャプター)では、「気づかい」がビジネスにおいて必須のスキルである事が説明されています。
「気づかい」が必要なのは、日常的にお客様と接するキャビンアテンダントだけのものではありません。

また、CAやパイロット、整備部門等での心掛け、ひいては社内全体での社員同士の「気づかい」について説明しています。
章の最後では、先輩が後輩に「気づかい」をする必要性について書いてあります。

第2チャプターでは、時間を守る事が「気づかい」に繋がるという事について説明があります。時間を守ると言っても、時には予定外の事が起きたりする事があります。
本書では、ただ時間を守らなくてはいけないという風に書いてあるのではなく、どのような準備をしたら時間が守れるようになるのかについて、ANA流の準備術が書かれています。

第3チャプターでは、お客様をよく見る事の大切さについて説明しています。同じ行動をしても、お客様の状況によっては「気づかい」が逆に不快に感じてしまう事もあるものです。
それらを見抜く為の観察の大切さだけでなく、観察の眼を、お客様だけでなく、オフィスでも応用するように説いています。
また、初対面の方との会話のきっかけについて触れています。

第4チャプターは、""「初対面ですぐ打ち解ける」にはコツがある""と題されていますが、主に普段の身だしなみの事や、違う部署同士、初めて一緒に仕事をする人同士でもミスが起こりにくい伝達の仕方についての解説があります。

第5チャプターでは、どのような言葉を使うと正確に伝わるか、納得してもらえるかといった内容を紹介しています。
伝えもれや伝え違いが起こらない為に整備士が使う書類のフォーマット等についても触れています。

第6チャプターは、上司が部下に対して行う「気づかい」についてです。しかるべき時と、話を聞いてあげるべき時についてや、待ち合わせ時間に対する事他、部下にいかに自信を持たせ育てていくかについてが書かれています。

第7チャプターでは、これまで説明した「気づかい」をチームで活かすための方法が説明されています。
気軽に情報交換できるように仕組みを作った実例の紹介や、他スタッフへの気配りと不必要な「気づかい」についても言及しています。

接客だけでなく事務についての「気づかい」も学べる

この本を読んだきっかけは、「人間関係がスムーズだと仕事もうまくいくな」と実感する事があった為で、この本のサブタイトル、「仕事も人間関係もうまくいく」に惹かれて読んでみました。
本全体の印象としては、基本的な事を正確に忠実に行っていらっしゃるんだなぁという事です。ANAならではなのは、相当の確認をしている事。
ANAで、企業の至上命題として一番大事にされている""「安全」を確保する""という思いが、仕事への姿勢に表れていると思います。「気づかい」があるからこそ、「安全」が守れるし、仕事もスムーズにいく、という考えです。

以前、接客に携わる仕事をしていた事がありますが、ある程度月日が経つと、物事に対してだけでなく、人に対しても慣れが出てきて、忙しい時にはつい、お互いに「気づかい」を忘れてしまい、挨拶や仕事の動き等の細かい所で表面的になったり、流れ作業のような感じになってしまうような事も出てきます。

そういう時に、ふと気付いて、もう一度初心に返って気を引き締める為に、新人の頃にメモしたノートや、この本のような接客関係の本を読んだりしたものです。
この本は、そういう、初心を取り戻したい時に役に立ちます。

また、接客の「気づかい」だけでなく、オフィスでの事務についての「気づかい」についても言及されているので、接客以外の仕事でも参考になると思います。

特に、チャプター4の引き継ぎについての項目が参考になりました。
ANAでは、仕事を他の人に任せる際に、口頭だけで説明せずに、あえて書面にして、説明が必要な現場まで行って引き継ぐそうです。
この伝え方は、簡単なようでいて、つい疎かにしがちだと思います。
書面で、現場で。というのは、トラブルが起こりにくく、できるだけ真似していきたいです。

また、第2チャプターでの時間を守る項目では、不測の事態が起こりうる仕事だからこその対応の1つとして、事務作業においても、例えば稟議書を起案する際においても、万が一反対されたり、修正が必要な場合の事を考えて行動するべきという事が書かれています。これも大切な考えだと思います。

面白いなと思ったのは、チャプター5に書かれていた、口頭でアルファベットを伝える際の決まり事です。アルファベットの聞き間違いを防ぐために、例えば、アルファベットの「B」なら、「ブラボーのB」と伝える等、アルファベットごとに枕詞が決まっているようで、その一覧表が掲載されています。

「気づかい」はキャリアに関係なく誰でも出来るものだという考えで書かれた本ですが、そのANAの考えを、ぜひ実践していきたいです。


接客業以外のビジネスマンにもオススメ

この本は、前述したように、ある程度接客の仕事に慣れてきた方の再確認としてオススメです。

さらに、自分自身の確認だけでなく、部下を育てる立場の方の指導にも役立つと思います。
役に立つ項目は、チャプター6の、ANA流の部下を育てる優しい「気づかい」もそうですが、他にも、様々なページに先輩上司が後輩にする「気づかい」についてが書かれています。
例えば、チャプター1では、仕事が思うようにうまくいかない場合の事も考慮した、部下への指示の伝え方について触れています。
他にも、チャプター3には、部下に相談されやすい雰囲気作りについて書いてあります。
「気づかい」の行き届いた、仲が良い、雰囲気の良い職場を目指していらっしゃる方は、特に参考になると思います。全体としては、ANAという職場でキャリアを積まれた方々の意見がまとめられているので、これから新しい職場に入ろうという新社会人の方の指南書として一番役に立つと思います。

人と一緒に仕事をしたり、人を相手に仕事をする機会は、接客業の方に関わらず、ほとんどの職業の方が経験する事です。本で触れられている接客の「気づかい」は、例えばお水や毛布を提供した際の失敗談や部下フォロー等、空港や飛行機内での話が中心ですが、応用して活用できると思います。

本文中に""「水がほしい」の意味は100通りある""と書かれているように、その場その場で状況が違うので、現場で実際に経験をしながら、その職場に合った対応を学んでいく必要はありますが、どのような「気づかい」で企業が仕事をしているのかを学ぶのにオススメの1冊です。

d.hatena.ne.jp

仕事も人間関係もうまくいく ANAの気づかい

仕事も人間関係もうまくいく ANAの気づかい