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マーケット感覚を身につけよう-「これから何が売れるのか?」わかる人になる5つの方法 ちきりん

この本はアメリカの大学院留学のあと、外資系企業勤務を経て、2011年から文筆活動に専念されている、ブロガーちきりんさんが書いた本です。ちきりんさんのブログ「Chikirinの日記」は日本で有数のアクセスと読者がおり、多数の本も出版されています。

この「マーケット感覚を身につけよう」は、「自分のアタマで考えよう」と「自分の時間を取り戻そう」からなる、「世の中を生き抜く根幹の力」解説シリーズ三部作のうちの一冊です。

「自分のアタマで考えよう」では、ニュースや仕事など、自分の身の回りにあるあらゆる問題に対する考える方法について書かれており、「自分の時間を取り戻そう」では、仕事や家事の生産性を上げて今よりも自分の時間を増やす方法について書かれています。

そして、この「マーケット感覚を身につけよう」では、グローバル化し資本主義が進んでいく現在の社会で、自分の持っている価値を市場で生かしていくことの大切さが書かれています。市場の中の「価値を認識する力」の大切さを本書では説いています。

Uberというサービスはご存知でしょうか?大まかに説明すると、Uberとは、タクシードライバーなど、専門のドライバーではない人が働けるようになった、車の送迎サービスです。
タクシーとUberのサービスの明確な違いは、まずドライバーは自分の車を利用でき、好きな時間、場所で仕事をしたい時にお客さんのところまで行き送迎をすることができる点です。また車に乗るお客さんもスマホなどで自分の場所を送って迎えに来てもらうことができ、かつ行き先も支払いも事前にスマホで伝えることができるので車でやりとりをする必要がありません。

タクシーのように指定の場所で待っていたり、電話で予約をしたりする必要がなく、さらにドライバーは空いた時間だけ働くことができるのでUberを副業にすることができます。乗る側も乗せる側も多様な使い方ができるようになった新しいサービスです。

このようなUberといった新しくて便利なサービスの出現により、昔からあったタクシーのサービスもお客さんを確保するために変化を余儀なくされます。グローバル化によって市場が苛烈になった例の一つです。

現代を生きていくための戦略として「商品とサービスが売買されている現場の、リアルな状況を想像できる能力」と、「顧客が、市場で価値を取引する場面を、直感的に思い浮かべられる能力」が大切だと本書は書いています。こういった能力のことを「マーケット感覚」と本書では呼んでいます。


市場の中の価値を認識する力が学べる

本書の中で役にに立ったと感じた部分を3か所紹介します。

まず、第一に「選んでもらう」という価値という点です。世の中で売れるものをつくるというのは、「価値のあるものをつくる」ということが大切だと思います。けれどインターネットの発達により、「価値のあるもの」の価値の定義が多様になり、かつ例えばフライパン一つでも、海外から日本のものまで数え切れない数の商品が販売されるようになりました。

そんな今に重宝されているのが「選んでもらう」という価値です。大好きなミュージシャンが聴いているCDをファンの自分も買うのは、「そのCDの音楽自体を自分が聞きたかったから」というよりも「そのCDを選んだミュージシャンのセンスを信頼しており、安心して買うことができた」からだと思います。信頼している人のセンスを信頼して買うものを選んでいる人は多いと思います。
自分がなぜその商品を買ったのか、また本当は何を売っているのかに意識的になることの大切さを本書では書いています。

次に「自分の欲望に素直になろう!」いう点です。マーケット感覚を磨くために、自分の欲望に素直になることの大切なようです。自分の欲望を遠慮したり、自分を守るために抑え込む癖がついてしまったりすると、他人の欲望にも鈍感になってしまい、マーケット感覚が身に付かなくなってしまいます。なので自分が感じた些細な欲望にも敏感になり、欲望センサーの感度を普段から高くしておくことを本書では推奨しています。

今生まれている新しい、市場で売れているサービスは、どれも「たくさんの人の欲望が叶った」サービスです。マーケットとは、要は「たくさんの人の欲望の流れ」を理解することだと思います。なのでまずは、自分が感じている欲望の流れを理解することから始めましょう。

最後に「一つの専門性では無理がある」という点です。インターネットという技術があらわれてから、世界のマーケットは大きく変わってしまいました。国内で市場を独占していた産業も中国などアジア市場の参入により衰退してしまい、優秀なプログラマーは世界のどこでも重宝されるようになりました。インターネットという技術が出てくるまでは考えられなかった市場の流れです。

これから先の未来、何が起きるか分からない中で一つの専門性だけを追求するのはとても危険なことだと本書には書いてあります。10年、20年ごとなどに、その都度新しい専門の知識を勉強することが大切なようです。専門性を身につけた上で、変わりつづけることが大切なようです。

手に入れた一つの専門性も、時代のスピードが速い現代では数年で古い知識になってしまいます。なので現代での得策は、常に自分も変わりつづけ、その都度新しい情報を手にいれることのようです。

自分の働き方に悩んでいる方、自分で商売をはじめたい方は是非読んでほしい

この本をおすすめしたい人は、「今の自分の働きかたに悩んでいる人」と、「自分で商売を始めたい人、起業をしたい人」です。

「今の自分の働きかたに悩んでいる人」は、現在の自分の働きかたと自分の欲望がマッチしていないのだと思います。我慢が足りないとか、耐えるべきだという結論をしてしまえばそこまでなのですが、自分の小さな欲望も大切な市場の流れの一つです。

自分が今よりも満足することのできる働きかたを模索するためにも、マーケット感覚を磨き、自分が売れるもの、または誰が自分の売りたいものを買ってくれるかを考えるのが大切なのです。需要と供給をマッチさせる方法が理解できれば、現状に不満がある自分の状況を打破する方法も思い浮かぶと思います。

「自分で商売を始めたい人、起業をしたい人」にこそ、この本はおすすめです。

一から自分で商売を始めること自体は、インターネットの力を使えば今はそんなに難しいことではありません。ただ難しいのは、「お客様が何を欲しがっているかを把握する能力」だと思います。マーケット感覚ですね。

自分が売りたいものだけを売っても商売はうまくいかないし、かといって市場が欲しがっているものばかりを売っても、本当に自分の売りたいものではない限りつづきません。

そして一から商売を始めるということは、大きさの違いはあれど挑戦です。この本では挑戦することによって出てくる成功と失敗の関係についても詳しく書かれています。

成功を手にいれるためには、市場でたくさんの人の声、フィードバックを聞き、そこから成長していくことが大切です。そしてその繰り返しがマーケット感覚を磨くことにも繋がります。

d.hatena.ne.jp

マーケット感覚を身につけよう---「これから何が売れるのか?」わかる人になる5つの方法

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