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人生を変える習慣のつくり方 グレッチェン・ルービン

この本は、アメリカの作家グレッチェン・ルービン氏が執筆したもので、2016年12月に発行されたものです。タイトルにもあるように、「どうすれば人は変われるか?どうすれば人生が良くなるのか?」を考える上で、その人の日々の生活を形作る習慣について、筆者自身や周囲の家族や友人の体験談を元に掘り下げてまとめています。

「運動をする」、「定期的に掃除をする」といったことが良い習慣であり、「夜遅くに甘いものを食べる」、「深酒をする」といった習慣が悪いものであるということは、誰でも頭ではわかっています。それでも、良い習慣を身につけたり、悪い習慣を断ち切ることは容易ではありません。筆者は、習慣について人の行動をさらに掘り下げて、

 「楽しくないことを習慣にするのが難しいのはわかるが、楽しくても習慣になりにくいものがあるのはなぜか?」、「一晩で習慣が身につくこともあれば、長年と習慣が突然消えることもあるのはなぜか?」、「ダイエットに成功しても、リバウンドで以前より体重が増える人が多いのはなぜか?」といった疑問の答えを探し、習慣に関して人の4つのタイプを見つけました。

アップホルダー(約束を守る人):外から課される期待と自分で課す期待の両方に進んで応えようとする。
クエスチョナー(疑問をもつ人):あらゆる期待を疑問視し、自分で正当だと判断した期待にだけ応えようとする。
オブライジャー(義務を果たす人):外からの期待には進んで答えるが、自分で課す期待にはうまく応えられない。
レブル(抵抗する人):外からの期待、自分で課す期待に関係なく、あらゆる期待に反発する。

外から課せられる期待とは、常識的に良いとされるものや、職場などの環境から求められるもの。自分で課す期待とは、「体重を減らす」、「健康のために毎日運動する」といったものです。

本書の中では、様々な実例を交えながら、各タイプごとの考え方や、習慣を作る上でのコツが記されています。

本書で筆者が強調しているのは、「習慣を身につけられるかどうかは、意思の強い弱いだけではない」ということ。自分自身が上記のどのタイプの傾向があるかを理解した上で、自分のタイプにあったやり方で習慣を作ることを勧めています。

また、せっかく身に付けようとしている習慣を壊してしまう誘惑に対して、どう立ち向かってゆくかについても記されています。例えば、「ワインを飲みすぎないようにする」という習慣を身に付けようとする時に、「少しだけなら飲んでも良い」と許してしまうとどうしても飲みすぎてしまいがちです。しかし、自分の手の届く範囲に無いものには誘惑されにくいので、ワインを家に置かなければ自分との葛藤する必要もなくなり、良い習慣を維持しやすくなります。


自分の習慣を知り自分を理解する

本書では、習慣との付き合い方を考える上で、先に記した4つのタイプだけでなく、さらに細かな気質についても記しています。例えば、朝早くから活動するか、夜になってから活発に活動するか。何かに取り組む時に、短距離走のように一気に突き進むか、長距離走のようにコツコツ続けるか。買い控えるか、買いすぎるか。ものを増やして満足するか、減らすことで落ち着きを得るかです。

重要なのは、これらの問いを通して自分自身を良く見つめて、自分にあったやり方を見つけることが成功の秘訣とされています。万人にとっての良い習慣は存在しないので、著名人や成功した人がやっている習慣がそのまま自分にも身につく訳ではないのです。また、良い習慣を身につけられないからといって、自分の意思の弱さを嘆く必要は無く、そもそも自分にあったやり方でなければ習慣というものは身につかない、と教えてくれます。習慣を身につけるためには、自分がどのようなタイプの人間かを理解することが大切なのです。

私は、4つの分類でいうとオブライジャーに分類されます。オブライジャーの気質として、「人との約束は大事にするが、自分との約束、例えば新年の目標などはあまり大事にできない」といったものがあり、まさに私のことをぴったり言い当てていると思いました。そういったオブライジャー気質の人は、例えば「読書の習慣をつけるために、読書会に参加する」のように、自分一人ではなく周囲のメンバーに対して責任が発生する状況の方が行動しやすいと書かれています。オブライジャーの弱点を表す例もあり、「同僚の報告書のチェックは頼まれればすぐにでもやるが、自分の報告書を書き上げる時間が取れない」のように、自分よりも周囲を尊重してしまうということがあります。

本書でオブライジャーである自分について理解したところで、今までなかなか習慣にできなかった「朝早く起きてランニングする」にチャレンジしてみました。今までは自分の意思の力だけでやろうとしていたので、何度も挫折してきたのですが、オブライジャーである私には自分の活動を監視してくれるものや人が必要でした。そこで、これを機にリストバンド型の活動量計を買ってみて、自分がいつどのくらい運動できているかをFacebookで公開するようにしたところ、時々サボってしまうことはありますが、これまでよりも長く継続できています。

こういった人それぞれの気質や得意・不得意な状況について、実例を交えて詳しく書かれているので、自分自身を見つめ直すことを助けてくれる本です。また、これは習慣とは直接関係無いのですが、家族や友人についても4つのタイプを意識することで、周囲の人をより深く理解して、人間関係を円滑にするためにも役立つ本だと思います。

今まで目標を立てながら継続できなかった人におすすめ

今までに「ダイエットをする」、「毎日コツコツと勉強をする」といった目標を立てたのに継続できなかった、と感じている人にこそ読んで欲しいと思います。

繰り返しになりますが、習慣を身につけるために、まず大切なのは自分を知ること。言い換えれば、今まで自分を知らずに始めて身につけられなかった習慣であっても、この本に沿って自分を知ることで、習慣にできるかも知れないのです。自分がどんな状況や環境なら習慣を維持できるか、また習慣が途切れてしまいやすいのはどんな時か、それに対処するにはどうすれば良いかがわかります。

 この本の特に良い所は、「これを習慣にしなければいけない」とか、「このやり方に従いなさい!」といった押し付けがましい事が無く、続けやすくするための逃げ道を用意してくれていることです。

基本的に、習慣にすることは毎日続けなければいけません。それは、一度始めたことを中断してしまうと、もう一度始める時にまた最初の一歩を踏み出すことになるため、非常にエネルギーが必要になってやめてしまうことが多いからです。ただし、逃げ道として「どうしても中断せざるを得ない状況になった場合は、再開する日を決めておく」という事が書かれており、たとえ習慣が中断になってしまっても、自分自身に罪悪感を感じずに済みます。

こういった、習慣を継続するための優しい方法がたくさん詰まっていますので、これまで良い習慣を身につけるのに失敗した、と感じる人にお薦めです。

www.lifehacker.jp

人生を変える習慣のつくり方

人生を変える習慣のつくり方