ビジネス書籍ユーザーレビュー

ビジネス関連書籍の紹介日記です

なぜ、あなたの仕事は終わらないのか スピードは最強の武器である 中島聡

本書はすべてのビジネスマンにとっての仕事の基礎中の基礎である「時間術」について書かれたビジネス書です。

どうしたら与えられたタスクを時間通りにこなすことができるのか、ほとんどの人が働く上で直面したであろう課題について、著者の経験や得た知識を紹介しながらヒントがつづられています。

2016年11月時点では、紙媒体の書籍のみで10万部を超えるベストセラーとなっているようです。

この本の著者の中島聡氏は、コンピュータ技術者として数々のソフトやシステム開発を行ってきた伝説のプログラマーとして評されるIT業界では有名な人物です。

 高校時代からアスキー(コンピュータ関連の雑誌)の執筆を行い、 大学生時代にはCADシステムを使う人にはお馴染みであろう「CANDY」を開発したという実績もお持ちです。
大学院卒業後は、NTTに入社し研究所に配属されるも、一年後には日本法人を立ち上げたばかりのマイクロソフト社に転職し、その後米国マイクロソフト本社に移ってあのビル・ゲイツとも一緒に仕事をして、Windows 95の開発などに携わったそうです。
「ドラッグ&ドロップ」や「ダブルクリック」などパソコンを日常的に使う人なら誰もが知っている
もはや当たり前の技術を形にした、という偉大な実績をもつ筆者。
ここまで書くと大変優秀で、そもそもポテンシャルがずば抜けている人物であるのではないか、まるで雲の上のような人だという印象を受けてしまいます。
実際その通りなのですが、「あるあるだな」「なるほど」と思えるような具体的なエピソードを交えながら、すべての人に分かりやすく筆者の思いやアドバイスが伝わります。

現在もブログ「Life is beautiful」を運営されており、それを読むと中島氏の人柄や考え、そしてロジカルな説明がいかに上手であるかを知ることが出来ます。
購入を迷っている方は、こちらのブログをまず読んでみてみると良いと思います。
本をすべて読んだ感想としては、具体的なハウツーももちろんあるのですが、読み手のそもそもの考え方を問いながらなぜそうすべきなのか、どうしてうまくいくのかを納得できるように丁寧に説明しています。

著者の哲学や信念なども深く掘り下げて、単なる時間術の攻略についてのみでなく人生観を見直すきっかけにもなるような本です。
ゆえに、読む人によっては活字を追うのが疲れてしまうかもしれません。
しかし、具体的な方法さえ知って実行すればいいというわけではないことを教えてくれた本でもあります。


仕事の全体像をみて、作業時間を見積もること

この本にかかれている内容で印象深く残り、学べたことは「仕事をするうえで求められているのは、きちんと時間通りに仕事を終えること」ということです。

当たり前のことじゃないか、そんなの新入社員でも分かるぞ、と思われると思います。
しかし、みな分かっているのにできていないのが現状です。
だから私もこの本を手に取りました。仕事を時間通りに終える、というミッションをこなすには、まずは仕事の全体像をみて、作業を見積もることがキモであると、この本が教えてくれました。

例えば、「こんなプログラムを作って」と言われてなんとなくプログラムの基本仕様を理解して、いざ組み込もうとしても実際には「こんなケースの時にはどうすれば?」「とりあえず起動してみたけどエラーばっかり」
といった細かい問題が出てきて、想定よりも時間がかかることがあります。
しかも、そこでプログラムが出来たら終わり、ではなく、試験項目を挙げてそこに合否の結果も書き込む、プログラムをパッケージ化する、場合によっては上司に試験結果やプログラムコードのレビューをしてもらう必要もあります。
そのためのスケジュールも確保して…となると、「プログラムを作る」という仕事のゴールを迎えるためにはただプログラムを作るだけでは足りないのです。

仕事を頼まれて、締め切りが例えば1週間あったとしたら
最初の1、2日はなんとなく仕様書を読み込んで他の仕事をしたり定時で帰ったり、というのをやりがちですが
そうではなく、最初から全力でプログラムを作ることに専念するべき、と著者は言います。
そこで思ったより時間がかかりそうなら、早めに上司に納期の相談をすればお互いのためになるのです。日本人は、最初は余裕をもちすぎて後からラストスパートで対応しようとしても、結局「間に合いませんでした」となる傾向にあるようです。

私自身もシステムエンジニアで、まだ小さい子どもがいる母親でもあるので時間短縮勤務をしています。時間が常にないことが悩みの種でしたが、これを読んで、仕事におけるマインドとやり方をさっそく変えました。与えられた仕事がどんなに簡単そうに見えても、言われたらすぐに取りかかってゴールまでの細かいタスクを洗い出しその日のうちになるべく多くのタスクをこなすことを目標としました。そうすると、短い時間でもこれだけ自分は仕事をこなせている、という自信にもなるし
完成までどのくらいか、というのを上司に聞かれたらすぐに答えられるようになりました。
場合によっては、納期までに終えるのは難しいから納期を伸ばすか他の人にまかせたい、と適切なタイムマネジメントができるようになったと思っています。
上司の期待には100%応えられないかもしれませんが、納期に間に合わなかった、よりはマシですので。

社会に出てまもない人や自分の仕事に無駄が多いと感じている人は必読

入社から数年経っている中堅社員でも役に立つtipsはたくさんあったのですが、できれば入社したばかりの若手社員に読んでもらいたいし経験が浅い社会人でも読みやすいビジネス書だと思います。

仕事のタスク管理が出来ていないと思う人、自分の仕事に無駄が多いと感じている人には、ぜひとも読んで明日にでもすぐに、本に書かれていることをなにか一つでも実行してみてほしいです。

ちなみに大学生でも読めると思いますが、まだ働いた経験のない人にはピンとこない内容もあるかもしれません。

ただ、著書の終盤の方に書かれている、好きなことだから大変な仕事でもこなせる、というビジネス書というよりは著者のメッセージたちは
就職活動中の学生さんには、とても響く内容だと思います。
実際に入社してから、また読み返して具体的な時間術を学んで実行してもらえれば、と思います。
私自身も、身を引き締めるために定期的に読み返していますが、何度読んでも参考になります。

また、著者の仕事上の経験談が多く盛り込まれていることから、専門分野であるコンピュータ業界の仕事の話が多く出てきます。
どれもとても丁寧に説明されているのですが、やはりIT業界やシステム系の横文字に抵抗がある人には、やや読みにくい本でもあるかもしれません。
逆に言うとIT業界に身を置いている人には、とても身近でサクサク読める話だと思いますし、中島さん自身からのメッセージもよく染み渡ると思いました。

synodos.jp

なぜ、あなたの仕事は終わらないのか スピードは最強の武器である

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