ビジネス書籍ユーザーレビュー

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プロフェッショナルマネージャー・ノート ハロルド・ジェニーン

本書は、15万部を超えるヒットセラーとなり未だに売れ続いているプロフェッショナルマネージャーのエッセンス本です。原書が339ページというボリュームであるのに対して、こちらのエッセンス本は実質100ページ強というボリュームで、超訳・速習・図解・キーフレーズなども用いて要領よくまとめられており、原書を分かりやすく解説しています。

書評などには、やはり原書を読まなくてはという感想もありますが、こちらでも十分に理解することができると思われます。例えば、古典的な哲学書を読む場合にも、直に原書をもむというよりも、その原書を読みこなした人のエッセンスを聞くほうが役立つことは多くあります。

その点では、ただでさえ難解な経営書という点からは、実質的に100ページ強という内容は非常に魅力的です。また、このエッセンス本に感銘を覚えたなら原書にチャレンジするというのもよいでしょう。

さて、本書は、ハロルド・ジェニーンによって書かれた経営書ですが、ハロルド・ジェニーンとは、米国の軍事通信に関連していた通信会社ITT社を58四半期連続で増益させたことで知られています。
しかしながら、日本においては、ハロルド・ジェニーンも通信会社ITTもほとんど知る人がないという存在でした。ハロルド・ジェニーンの名を一躍知らしめることになったのは、今を時めくユニクロの柳井氏がジェニーンの著作であるプロフェッショナルマネージャーを絶賛したことに起因します。

柳井氏は、毎日1冊の経営書を読み続けた中でこれほどの衝撃を受けたのはプロフェッショナルマネージャーだけですと述べています。天才経営者として名をはせている柳井氏の言葉だけに非常に説得力があり、多くのビジネスマンの注目を集めることになります。本書は、そんな柳井氏が少しでも多くのビジネスマンや、特に若い社会人に読んでもらいたいということで随所に解説を入れてあり、まさに、エッセンス本中のエッセンス本というところです。

本書では、経営目標をどうおくべきか、経営者やマネージャーに必要なこととは何か、あるいは、系列会社を含めての組織の考え方、経営上の数字の読み方などが、経営者やマネージャーの観点から解説されています。

特に、ジェニーンの経営哲学の中でも柳井氏が重要と考えるものを分かりやすく解説されていますので、読み手としては非常に助かります。短時間でこれほど多くのことを学べる経営書というのもそれほどないのではないでしょうか。

目標から逆算して実行する

ハロルド・ジェニーンのプロフェッショナルマネージャーを一躍世に知らしめることになったのは、逆算して経営するという部分に尽きるでしょう。ジェニーンは、本を読むときには初めから終わりへと読むが、ビジネスの経営はそれとは全く逆で終わりから初めて、そこへ到達するために出来得る限りのことをすることだと述べています。

つまり、経営とは、目標から逆算して、その目標に到達するために考えられる限りのことを良いと思う順に実行することであるということです。柳井氏もこの一文に感銘され、目から鱗が落ちるかのごとく、プロフェッショナルマネージャーをぼろぼろになるまで何度も読み返したと語られています。

極々簡単に言えば、例えば、10キロダイエットしたいという場合には、目標は10キロなわけですから、いつまでに10キロやせるのか、そのためには何をどうしなければならないのかを考えればよいわけです。減量も仕事であるプロボクサーが当たり前のように減量できるのはこのためです。

このように、一見簡単なことが、経営という非常に大きな問題となると見えなくなってしまうこともあるのです。しかし基本は同じなのです。経営者や経営幹部は、数字や実績でのみ評価される存在なわけですから、この基本を忘れては評価されなくなってしまいます。

また、ジェニーンは、生き残りたかったら上位20%以内に入れと語っています。これは、ジェニーンがニューヨーク大学のフービン・ガーナー教授から教わったもので、パレートの法則、80:20の経済法則としても有名です。日本でも日本マクドナルドの藤田さんがユダヤの8:2の法則として紹介されていましたのを覚えています。

ビジネスの世界では、売り上げの8割は全顧客の2割が生み出している。従って、売り上げアップを考えるなら全顧客向けのサービスを考えるよりも、その2割の顧客に絞ったサービス戦略を実行するほうが有効である、などのようにビジネスでは非常に重要な考え方です。
さらに、危機や破局は一夜にして訪れるものではなく、問題が長い間隠蔽され症状が悪化するまで放置された結果だと喝破しています。これは、今日の東芝をはじめとする日本の大手企業には恐ろしほどに当てはまる言葉です。ジェニーンは、怖いのは失敗を恐れて何もしないことだともいっています。これも大企業病とも取れますが、誰もが同じように失敗するものであるが、そこから成功者とそうでない人に分かれることになる。成功者とは失敗から多くのことを学ぶことができる人だと断じています。

日本では、努力することが尊いことだと言われており、努力は人を裏切らないと言われたりしています。柳井氏もそのように考えて一生懸命に努力されていたようですが、ジェニーンは、目標から逆算して考えてみて初めて何を努力することが需要なのかを知ることができる、それをしないと無駄な努力をしてしまうことになりかねないと語っています。

忙しいビジネスパーソンにおすすめの一冊

本書は、忙しいビジネスマンに特におすすめです。ハロルド・ジェニーンの経営哲学を柳井氏が要領よく解説されており、短時間でエッセンスを学ぶことができるようになっています。
また、実際のビジネス現場で仕事をしていると、これらのエッセンスがあらゆる場面に当てはまることに驚くことになるでしょう。従って、経験豊富なビジネスマンにとっては、原書を読まなくてもこのエッセンス本でも十分に役立つことでしょう。

本書の重要ポイントである逆算して考えるという手法は、顧客へのプレゼンは言うに及ばず、上司や会社へのプレゼンする際にも非常に役に立ちます。最近では、多くの経営者や経営幹部の中にも逆算して考えることを実践する人が増えていますので、納得感がありますし、プレゼン自体に説得力が増すことになります。

もちろん、このエッセンス本はこれでもかというくらいに分かりやすく書かれていますので、若い人や学生でも十分に理解しマスターすることができます。

学生の場合には、就職時の役員面接などには非常に有効かもしれません。さらに、投資家などにも有効でしょう。

特に、生き残るためには上位20%に入れという考えたかなどは、投資家のうちの90%を大きく超える人が損失を出しているといわれるFX取引の世界などでも有効です。つまり、それほど利益を上げていなくても、損出を出さないレベルの投資家になれば上位20%にいは入れるでしょうから、失敗から多くのことを学ぶことができれば勝ち組投資家になれる可能性は高くなります。

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超訳・速習・図解 プロフェッショナルマネジャー・ノート

超訳・速習・図解 プロフェッショナルマネジャー・ノート

  • 作者: 柳井正・解説 プレジデント書籍編集部・編
  • 出版社/メーカー: プレジデント社
  • 発売日: 2010/12/27
  • メディア: 単行本
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