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ビジネス書籍ユーザーレビュー

ビジネス関連書籍の紹介日記です

経営者の心得 新将命

経営のプロフェッショナルとして日本、ヨーロッパ、アメリカの企業の第一線に携わり、社長、副社長を務めてきた新将命(あたらしまさみ)による著書。
講演や研修、執筆も多数行っており、「リーダー人材育成」に尽力している。

前半の内容は、「経営者にとって必要なものとは」という視点を軸に「人間力」というキーワードを重視している。
「人間力」とは経営者にとって必要な要素であって、部下を従わすためには「スキル」や「知識」のみでなく「人間力」がもっとも大切であると述べている。

経営者は「信頼」「尊敬」「意欲」の3つの要素が重要であり、また、高い「倫理観」を持ち、自責の概念を持つことで、自然と部下は付いてくるものだと述べている。
また、経営者は利益のみを重点に置くのではなく、人材を育てることに尽力しなくてはならないことを強く述べており、経営者自身も「メンター」という自らを高めてくれる良き理解者、指導者を持つべきだと述べている。
人材を育てるうえで重要なことは、明確な「企業理念」を持つことであるとも述べている。
「企業理念」とは、その会社が存在する意義を社内、社外に伝えるために必要な事項であって、「企業理念」が明確に社内に伝達されていない企業は統一性を持つことができないと述べており、また、優秀な人材とは「企業理念」を見て集まってくるものだとも述べている。

後半では、具体的に経営をするうえでのポイントを説明しており、「企業理念」を基に具体的に「どうなりたいか」「いつまでに」という項目を達成するための、短期と長期の目標を立てることが重要であると述べている。
目標を立てた後に、具体的に計画に落としこむうえで、「戦略」と「戦術」という言葉を使っており両者の違いを説明している。
「戦略」とは「何をやるか」であり、「戦術」とは「どうやるか」であり、「戦略」を作るのは経営者であって、「戦術」を作るのは現場責任者であると述べている。
最後にはグローバル化に伴い、外国人の積極的な採用や、高齢者化による、定年退職者などの採用も視野に入れていくべきだと述べている。

経営者の「人間力」が利益よりも重要である

この著書を読んで、私が役に立ったと思う部分は、経営者は利益を最優先してはいけないということです。
会社を経営するうえで、利益を度外視することはできません。赤字続きでは会社はいずれ倒産してしまいますし、赤字経営の企業には人材も集まらないでしょう。
しかし、この著書では、利益を最優先事項にしていません。むしろ利益は後から付いてくるものだと述べているような気さえしました。
この著書では、利益を優先する前に、まずは経営者の「人間力」の鍛錬と「企業理念」の設定が重要であると述べています。
「人間力」と「企業理念」という言葉は、この著書の一番のポイントであると私は思いました。

知識やスキルをたくさん備えている人はそれだけ登用の機会も増えるとは思います。しかし、「人間力」とはそういった外面に見えるものではなく、内面に備えている「謙虚さ」や「自責の念」などがもっとも重要であると主張しています。
そういったものを意識して、鍛え上げていけば、部下に対して信頼してもらえますし、自然と部下がついてくる。つまり、「人間力」とは他者とのコミュニケーション能力をいうのではないかと思いました。

また、「企業理念」は会社を存在させるうえで必ずなくてはならないものであると述べており、またそれは明確に社内に浸透していなくてはいけないと著書は述べております。
これは「企業理念」が単に形だけのものではなく、言葉の通り「理念」として定着していなくてはいけない。ということを述べていると私は思いました。
また、経営をするうえでの重要事項を述べている部分では、著者が数多くの企業に勤めたこともあり、体験談を交えた具体例が書かれており、とても参考になりました。
海外で管理職を務めた経験のある著者の体験談は、まさにその現場にいなくては知ることができないことが書かれており、大変参考になりました。

また、著者が講演なども行っている関係か、文章がとても読みやすく、随所にユーモア溢れる言葉も書かれており、経営ハウツー本でありながら、とても読みやすいものとなっています。

経営者はもちろん将来を経営者をめざす方へ

この著書は、経営者になるために必要なことは何か。ということをメインにしているものですから、経営者はもちろん、これから経営者を目指そうとしている方に参考になると思います。また、著書の中では経営者のみならず、現場責任者についても書かれている部分があります。経営者と現場責任者の関係性の問題や、経営者がすることと、現場責任者がすることの区別などについても書かれております。ですから、会社で部下を一人でも抱えている現場責任者、またはそれに類似する管理職の地位にある方などには参考になると思います。
また、この著書では、主軸は経営のハウツーですが、内容は人間の精神面の部分を述べている箇所が多く見られます。仕事をするうえで、コミュニケーションの重要性や人間として強くならなくてはいけないということも述べています。失敗を積み重ねることが人間を鍛えるうえで重要な要素であるとも述べています。ですから、仕事に悩んでいる方や、会社での人間関係がうまくいっていない方などにも読んでいただきたいです。

www.freee.co.jp

経営者の心得

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