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「権力」を握る人の法則 ジェフリー・フェファー

スタンフォード大学ビジネススクール教授、ジェフリー・フェファーの著書で2011年に出版されています。
この本では世の中のリーダーシップ本は、その本をかいた彼らがトップに上り詰めるまでにへてきた抗争や駆け引きには触れず、世の中は公正であり誠実で良心があり控えめな人間が成功すると書かれています。

しかしながら、それは様々な抗争をへて「自分を売り込むことに長けた」人間が書いたものでありそれにより自らに誠実な印象を与えるという自己表現能力が発揮されたゆえのことです。

もし本当にビジネス書で理想とされるような人間がいれば、その人間は決して出世することなく他者の踏み台となることでしょう。

世の中は公正なものであるという思い込みを捨て、あらゆる状況を合理的に認識し、より多くを学び、成功を手繰り寄せるための方法がこの本では分析されわかりやすく書かれています。

そして、この本の使い方として主に下記の2点を著者は述べています。

1点目は、どんな組織もそれぞれ固有の文化を持っており、人間も一人として同じ人はいない。だからこそ、対面する問題に対してどんなアドバイスも、職場の事情、さらには自身の価値観や目標に合わせて調整し、取捨選択するべきであり、この本もそのように応用を加え活用してほしい。

次に、学習は、受け身的な行動であり実際の役に立たない事が多い。だが、』権力や影響力を賢く手に入れ行使する唯一の方法は実践である。
だからこそ、この本を読んで考えるだけでなくぜひとも学んだことを実践し、どんな結果がでるか試してほしい。知識を実践に生かすことこそ新しい能力を開発し、第二の転生として身に着ける最善の方法であると。

権力や影響力を手にする必要な資質は、その多くは決して生まれつき決まっているものでは無く、十分に学習可能である。
自分の強みと弱点をみきわめ自己開発プランを立てて実行すれば望ましい知識を身に着け、スキルを習得することができる。そして、そうして評価され成功し活躍していれば遅かれ早かれ敵対者に遭遇し、敗北することもある。
その時に、いつどのように戦うか、懐柔するかを検討する考え方。また、挫折との付き合い方についても考察されています。

そして、高い地位についた人は明るい部分だけではなく高い地位に伴う影の部分を持ちその代償を引き受けなければならないこと。
また、強大な権力は自信過剰を生み、結局は権力も地位も失うことも少なくない。
人はどのようにして権力を失い、どうしたら失わずに済むか。

また、個人の野心や上昇志向が組織に良からぬ影響を及ぼすのではないかと感じる人も多いことが予想されるため、最終章では一定の成功をおさめた人々にスポットライトを当てている。

ここでは、権力や地位を手に入れるのは可能であること。それも人格をかえなくとも、これまでより少しばかり戦略的に行動すれば可能である事を示している。
あらゆる場面で少しずつ効果的な行動をとるだけで、長い間には結果はまったく違うものになるということが書かれている読み応えのある本です。

世の中は公正・公平ではないということ学べる

良い仕事をして規則を守っていれば、それに見合う待遇が用意されていると私を含め多くの人から語られてきました。しかしながら、私が直面した現実は違っていたため、この本のこの言葉を見た時に感動に近い衝撃を覚えました。世の中は公正だという思い込みは、好き嫌いで他者を判断しやすく、そのため自分と似た人とだけでかたまり改善を促すことがきない。そのためあらゆる状況、あらゆる人から学ぶことを妨げる。

そして、世の中は公正だと思っていると、駆け引きや根回しがモノを言う職場環境で仕事さえでき成果をあげればよいと考えがちになり、その結果敵を作りライバルに出し抜かれ、最終的に蚊帳の外に押し出されてしまう。つまり、足をすくわれやすい考え方である。
そして世の中というものは、成功している人をその成功に見合うだけの人物であると高評価し、いくら仕事ができたとしても不遇な境遇にある人に対してはその本人に何らかの原因があり、そうなるべき人だと見られる「被害者非難」という現象につながりやすい。
また、あまり誉められないような手段で成功が達成されたとしても、原因を成功者の美質や努力に求め、成功を正当化するものである。

だから、あらゆる状況を合理的に理解し、より多くを学び成功を手繰り寄せるために注意深く先を見越して行動することために、世の中は本来的に公正だという考えは終わりにしよう。という考え方に巣食われました。私自身も少ない人数の職場の中、できるはずの仕事を巧妙に押し付けられ、気が付けば自分は全く休みが取れずに残業をしているのに、その相手は上司と仲良くなり仕事の押し付けも黙認。そして、上司公認の中その職場でだらだらとゲームで遊び時折気が向いたときに仕事をするといった人が昇進していき、その人の分まで仕事をしていた私は無理がたたり体を壊ししばらく休みをとることとなったため、重圧に弱い人間として周囲からみられるように。

そんな時に、この本のこの部分を読み目からうろこがおちました。
よい仕事人となるために読んできたリーダーシップ本にある内容だけでは自分を職場の中で守ることができない。
そのような思いから手に取り、空き時間に少しずつ読み進め自分自身を変化させていきました。

そして、上司と共に職場を好きに牛耳り仕事をせず昇進した人からまわされる仕事を人間関係に角がたたないよう断り自身から矛先を反らしました。
すると、次に仕事の押し付け先としてターゲットにされた人は上司では頼りにならないからと上司の上司に直訴し数年後、緩やかにですがその方と上司は主流からはずれていきました。そんな一部始終を見ていて、またより深くこの本を読み込み学び、実践していきたいと感じています。

 誠実で優秀であるが社内の評価が低い方におすすめ

良心に従い誠実な仕事を行い、嘘はつかず控えめで謙虚に振る舞い、強引なやり口やあからさまなゴマすりは控え、汚い手を使わずに仕事を行っているにも関わらず、脚光を浴びる事なく。また、時には利用され、仕事量が多く他者より優秀に業務をこなしているにもかかわらず社内での評価が低い方におすすめです。

これから社会にでる際に、学校で教えられてきた「世の中は公正」であるという思い込みを捨て、社会の中で生き残っていこうとする新社会人の方へもおすすめできると思います。

加えて、出世をしたい。または影響力を持ちたいけれどどうすればいいのかわからず空回りして逆に嫌われてしまっている方などにおすすめいたします。

章ごとに権力に関する基本的な話から、それを手にするための資質をどのようにして身に着けるか、どこからキャリアをスタートさせるか、その後どのようにしてやりたい仕事やポストを手に入れるか、そして敵対する人とどのようにして戦うか、負けた時にどのようにして立ち直るか。権力を手にし、失墜するのはなぜか。維持するためにはどのようにすればよいかなど、将来へのキャリアプランを想像し、起こるべきことに対処するために計画をたてることまで考えることのできる良書です。

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「権力」を握る人の法則 (日経ビジネス人文庫)

「権力」を握る人の法則 (日経ビジネス人文庫)