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ビジネス書籍ユーザーレビュー

ビジネス関連書籍の紹介日記です

ドル消滅 国際通貨制度の崩壊は始まっている! ジェームズ・リカーズ

この本は、経済評論家にして投資家でもあるジェームズ・リカーズ氏が書いた本です。
国際基軸通貨である米ドルの繁栄は、実は砂上の楼閣であり、すでに崩壊のカウントダウンが始まっていること、そんなドルのかわりに特別引出権(SDR)が台頭する可能性が高いこと、もしくは昔の金本位制に戻ることなどが書かれています。

この本の特徴は、Aという原因があるからBという結果が起こるという考え方ではなく、A、B、Cの原因が合わさった結果としてDになるという考え方を用いている点にあります。そのため、実際にこういう結末になるかは予測が難しいですが、それでもドルが基軸通貨から転落するという予測には一見の価値があります。

 それ以外にも、この本では金の価格が比較的低水準で推移しているのは、中央銀行が価格操作しているからであり、株式市場の動きや世界経済の動きとは特に関係がないこと、また、その金価格が急騰したら、それはドル崩壊と金の台頭のサインであること、中国経済の繁栄はすでに終わりつつあり、いずれ不況になることなどが書かれています。

この他に金価格や中国経済の話題以外にも、他各主要国の経済政策(当然日本も入っています)への評価とその結末、今までに行われた金融政策の歴史、色々なものがごった煮になっています。そのため、ドルのことだけ知りたい人が読むと、肩すかしを食うかもしれませんが、ドルのことだけでなく、現在の世界経済の状況と、その世界経済が今度どうなるか知りたい人にとっては役に立つ本だと言えるでしょう。

この本はドルが国際基軸通貨から転落するというキーワードをとっかかりにして、世界経済のこれからを予測する、近未来予測本だといえます。あまり聞いたことがない話も多いので、どこまで的中するのかはわかりませんが、一見の価値があることは間違いないと言えます。

基軸通貨米ドルの脆弱性を学べる

この本から私が学んだことは、基軸通貨としてのドルの意外な脆弱性です。世界でもっとも信頼できる通貨はドルなので、将来日本が財政破綻する時に備えて、出来るだけドルを手に入れておこう、私はそう思っていましたが、この本で指摘されているように、よく考えるとドルも円や元、ユーロと同じただの通貨にすぎず、絶対的に信頼できるものではありません。


将来どうなるかわからないため、財政破綻しそうな国の通貨である円、政治的にがたがたなユーロと同じ、ただの通貨に過ぎないのです。円や元、ユーロが総崩れになってもドルだけは安泰、そう考えるのは間違っているということに、この本のおかげで気が付きました。

もちろん、世界経済の未来がこの本で書かれている通りになるとは限りませんが、それでもドルが未来永劫基軸通貨でないことだけは確かです。ですので、米ドルを買うのはやめておくことにしました。

また、日本の財政破綻に備えて、何をなしたらいいのか、その答えもこの本に書かれています。その答えは各国の中央銀行と同じことをすればいいのです。

この本に書かれているように、今各国の中央銀行が、ポストドルである金の保有量を増やしています、金は、ドルやポンドなどと違い、人類が文明を築き上げてから今まで、一貫して貴重品であり続けたものです。その意味で、まさにドルを超える基軸通貨だと言えます。この金を出来るだけ買い増ししておく、それが財政破綻に備えての答えだということを、私はこの本で学びました。

もしこの本で書かれているように、米ドルの崩壊と世界経済の混乱が起こるなら、金を買うことに間違いはありませんし、
日本の経済が破たんした場合でも、金を買うことに間違いはありません。
将来、ドルの崩壊も日本経済の崩壊も起こらなかったとしても、金に投資したことが損を招くわけではありません。なので、私は米ドルの代わりに金を買うことにしました。

これがどういう結果を招くのか、それは10年、20年経たないとわかりませんが、きっと将来このことが役に立つ、私はそう思っています。


米ドルの信奉者に読んでもらいたい本

この本は、世界経済の先行きが知りたい方、日本の財政破綻に備えたいが何をすればいいのかわからない方、とりあえずドルを買っておけば何があっても安全と思われている方にお勧めできる本です。特に、ドル信奉者の方には強くお薦め出来ます。ドルを安全資産だと思ってたくさん集めたのに、そのドルが崩壊してしまった、となれば目も当てられません。そういうことを防ぐために、ドルと言う通貨の脆弱性について今から知っておいた方がいいです。

もちろん、将来ドルが崩壊しない可能性の方が高いでしょうが、それでも、ドルを信頼しすぎるのは危険です。ドルという信頼するのかしないのか、それは各々が決めることですが、少なくとも、一度この本を読んでドルに対する否定的な見方を知っておいて損はありません。
もちろん、世界経済の現状を学ぶための本としても使えるので、普通のビジネスマンの方が、経済的な教養を学ぶためにこの本を読むのもよいでしょう。

logmi.jp

ドル消滅 国際通貨制度の崩壊は始まっている!

ドル消滅 国際通貨制度の崩壊は始まっている!