ビジネス書籍ユーザーレビュー

ビジネス関連書籍の紹介日記です

問題解決フレームワーク大全 堀公俊

この本の著者である堀公俊は、大阪大学大学院工学研究科修了のコンサルタント。様々な組織において変革や企業合併、教育研修などを行っており、多彩な分野でファシリテーターを行っておりました。

2003年には有志とともに日本ファシリテーション協会を設立し、初代会長に就任。ファシリテーションの普及・啓発に努めています。著書には『ファシリテーション入門』『ビジュアル ビジネス・フレームワーク』『問題解決ファシリテーター』などがあります。

当著書は、世の中に100種類以上と呼ばれる問題解決の手法を調べ上げ、それを7つのアプローチに大別。様々な問題解決のフレームワークをわかりやすくまとめた著書であります。そもそも問題解決というものは正確な定義はありません。当著書でもすべてに通用する決定的な問題解決方法はないということを述べています。

一方で、世の中に無数とあるそのような問題解決方法を何も知らずに闇雲に行うよりは、それらを分類し、適材適所で方法を選んだほうが合理的である、という観念から作られています。実際に筆者は「問題を引き起こす個々の要因に着目するか、要因同士の関わり(システム)に着目するかの違い」と、「解決策を論理的に導き出すか、創造的に生み出すかの違い」という2つの軸を元にアプローチを大別しています。

その結果、以下の7つのアプローチに分けられました。
① 問題を生む原因がわからない=ギャップ・アプローチ
② 解決するアイデアがおもいつかない=創造的アプローチ
③ 最適な代替案を選択していない=合理的決定アプローチ
④ 解決策があってもやる気にならない=ポジティブ・アプローチ
⑤ ジレンマのせいで解決できない=対立解消アプローチ
⑥ 問題の設定が適切ではない=認知転換アプローチ
⑦ 解決策が合意できない=ホールシステム・アプローチ

これらがすべて正解というわけではありませんが、1つの方法論としてこれらがあるという認識で筆者は書いております。実際に本書では各アプローチを様々な関係性をもとに図にまとめているので、文章上よりわかりやすく表現されています。より合理的に、効率的に問題解決をしたい人には必見の1冊です。

 問題解決の基本から実践まで段階的に学べる

まず本書の役に立つ点として挙げられるのが、煩雑としていた手法が一目でわかる点です。当著書の1つの魅力が見やすいデザインです。それを踏まえた上で目次を見てみると、一目で「どのようなアプローチに」「どのような手法が」あるのか理解することができます。
例えば、「ギャップ・アプローチ ?真の原因を見つけ出す-」といった具合にタイトル、サブタイトルが記されており、その中に方法として「ロジックツリー」「親和図法」「プロセスマッピング」…といったように明記されています。

ビジネスマンにとっては知っているようなワードもあるため、「あ、これまで使っていたこの手法は●●にあたるんだな」という納得感のもと、興味のある部分から読み進めることができます。おなじみの手法の中にもこれまで知らなかった情報や、正しい進め方などが書いてあり、なんとなくやっていたことの正解を知ることができます。

次に挙げるのがビジネスフレームワークとの掛け合わせができる点です。これもビジネスマンにとっては欠かせない情報だと思います。基本的に目次に書いてあるものが各章、節の中で説明されているのですが、中にはビジネスで使われるフレームワークとともに紹介されているものもあります。
例えば、ロジックツリーの中では、もれなくだぶりなくというコツを紹介していますが、それを3CやPDCAといった例をもとに説明しています。他にも、タイトルの問題解決手法の発展編という形でほかの手法が説明されているので、本屋で著書を手にしてスキミングしたとき以上に得られる情報が大きかったです。
どの章も「基本」「実践のポイント」「これも知っておくと便利」といった具合に説明しているので、基本からすんなり理解することができます。

また、本著書は7つのアプローチ+実践という形で、全8章構成になっています。その第8章では、これまで紹介されたアプローチをもとに事例を読み進めるというコンテンツになっているため、まず第8章から軽く読んで興味のあるところから読み進めるという方法もできます。『問題解決フレームワーク大全』という名にふさわしい構造になっており、実際のビジネスの場ですぐひける優れものです。

問題解決で困った経験のある人におすすめ

本書は、問題解決で困った経験がある人や仕事の整理が苦手な人におすすめです。当著書はすでに述べたようにビジネスの場で欠かせない問題解決のフレームワークが網羅されています。そのため、これまで闇雲に仕事や会議にぶち当たっていた個人、組織にとっては必須の1冊かと思われます。それだけでなく、様々な視点から問題整理や解決策考案の仕方が書いてあるので、ファシリテーターなど包括的に物事を見る必要がある人にとっても大事な1冊となることに間違いありません。ほかの本と比べてビジュアル的にもみやすく、中身も充実しているため、ビジネスマンにぜひおすすめしたい1冊です。

また学生にとっては馴染みのない人もいるかもしれませんが、文系大学生ではミーティングなどを開いてグループワークをすることも少なくないはずです。そのような学生にとってもこの1冊があるだけでより効率的に会議を進めることができるでしょう。

career-theory.net

問題解決フレームワーク大全

問題解決フレームワーク大全