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ビジネス書籍ユーザーレビュー

ビジネス関連書籍の紹介日記です

プロフェッショナル・ミーティング 長田英知

この本の著者である長田英知は、東京大学法学部公法学科を卒業後、政治家やコンサルタントといったキャリアを積みました。コンサルタントと政治家という一見違うようにみえて「ファシリテーション能力が問われる」という共通項を武器に、ミーティング・ファシリテーション能力を磨き上げ、様々な組織に戦略コンサルタントとしてサービスを提供しています。

本著書は、そんな彼のキャリアから学んだミーティング・ファシリテーション、いわばプロフェッショナル・ミーティングとはなんなのか、PDCAサイクルに基づいた視点で記された本です。

 構成としては、基礎編としての第1章から第3章では一般論でいうミーティングの存在意義や、どのようなミーティングの種類があるのか、またPDCAとの関連性はなんなのか述べられています。その後の実践編、第4章から第7章では、PDCAの各部分において有効となるミーティングをストーリーやコツとともに紹介しています。

当著書の冒頭にも述べられていますが、適材適所のミーティングが非常に重要視されています。というのも、会社で開催される会議は、全体の業務のうち平均15.4%も占めており、その1回1回を無駄に行ってしまうと、それだけ作業効率の悪いものとなり、従業員にとっても価値のないものというレッテルを貼られてしまうからです。

一方で、会議に時間を取る企業が成功しているという事実もあります。そのような事例から、当著書では「適材適所のミーティング」を行うことがどれだけ会社の成果に当たるかを紹介しています。さらに、そのミーティングをPDCAと関連付けて考える必要性を述べているのが当著書の最たる特徴です。

これまで別物として考えられてきたこの2つを掛け合わせることで、より効率的なミーティングについて考えるきっかけになります。また、製造系の会社におけるミーティングと、営業系の会社におけるミーティングは、そのPDCAを回すスパンがそもそも違うということを説明しており、そのような違いがある上でどのようにすれば適材適所にミーティングを行えるのか、実践編の各章で述べられています。

会議がPDCAサイクルのどの位置なのかを定められるようになる

1つ目に挙げられるのが、いかに多くの会社で会議がうまくいっていないか、という事実です。実際に当著書では、3人に2人が会社の会議が生産性向上やイノベーションといった価値の創造に貢献していないと考えている事実が述べられています。さらにその傾向は業種によって大きく異なり、さらには外資系企業と日本企業という比較でも大きな差が出ていることがわかりました。総じて言えることは、外資系企業のほうがより長い間会議を行っているが、創造的な会議を行っており、価値創造に貢献しているということです。

そして、本著書の売りは、適材適所のミーティングをするために、行われるミーティングがPDCAサイクルのどの位置にあるのか定めるということです。もちろん意識すべきことではありますが、実際の会社のミーティングではなんとなく場所と人、議題が決められて肝心のミーティングの目的やミーティングの進め方が定められずになあなあで進んでしまうということがあると思います。そこで、PDCAを意識することで、これから行うミーティングがどのような目的を持って行われるのか、そのためにはどのようなミーティングの進め方をすべきであって、それを進めるにあたって誰が必要なのかが決まってきます。このように、これまであったミーティングの価値観をPDCAと掛け合わせるだけで大きく変えることができると主張している点が、本著書の最も共感できる部分です。

また、この本にはビジネスの場面ですぐに使える情報も載っています。ビジネスパーソンであれば、会議をする上で1度は議事録を取ったことがあるのではないでしょうか?一方で、ちゃんとした書き方を習わない人もいるそうです。この本を読むことで、具体的に議事録に必要な項目が何であるのか一瞬で理解することができます。このような形で、全部で56のコツが各章の中に散りばめられています。どれもビジネスの場で使える有益な情報なので、ぜひ読んでいただきたい部分です。

会議の本質的な意義を知りたい人におすすめ

この本は、会議の存在意義や見出せないでいるビジネスパーソンや会議に慣れていない学生におすすめです。すでに述べたように、この著書はミーティングにフォーカスをしており、ミーティングを主催する側、召集されている側双方にとって有益な情報が述べられています。特に主催側にとっては、会社員が会議をどのように捉えられているのか、また、どのようにすれば価値のあるものになるのか考える良い判断材料だと思います。

一方で、召集側にとっても、今自分が会議に価値を見出せない理由が明白になり、上司の方に言えるきっかけになるかもしれません。多くの人が耳にしたことあるPDCAですが、実際に実践できている人・組織はそう多くないです。

まずは全体の中で15%も占めているミーティングをうまくPDCA回していくことでより組織の改善スピードも早まっていくのではないでしょうか。ぜひこの1冊で、組織におけるミーティングの存在意義を高め、改善する組織として効率UPを目指してください。

anond.hatelabo.jp

プロフェッショナル・ミーティング

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