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パリピ経済 パーティーピープルが市場を動かす 原田曜平

この本は若者について研究をされている原田曜平さんが書かれた本です。

著者の原田さんはこれまでも若者の生態を研究されていて、さとり世代やゆとり世代といった若者世代についての著書を数多く出されています。

また、そう言った若者がどのように消費をするのかということを紐解き、若者と経済をつなぎ合わせ、今後の日本経済にインパクトのある若者消費の傾向についての情報を惜しげものなく披露してくれています。

この若者と経済という分野において著者は、これまでもオタク経済やヤンキー経済、ニューリッチなどという表現で多くの著書を出されています。

今回のパリピ経済は、比較的新しい本で2006年に出版されたばかりの本です。
この本には、年々拡大するハロウィンの市場規模についての記述や、これまでは名前を聞いたこともなかったようなカラーランなどのイベントに目をつけていて、そう言ったイベントがなぜ流行るのか、またどのように流行りになっていくのかという、イベントが拡大していく条件や流行を作る存在である、特定の若者層について明らかにしています。

また、著者は1970年代などかなり昔の若者が、流行を取り入れていく情報の伝播経路についても分析しています。

そして、それらと今現在の若者の伝播経路とを比較し分析することで、流行の仕方や伝わり方の変化を解説しています。

若者文化と一言で言っても、それらは時代によって表しているものが違います。

昔流行を作っていたテレビや雑誌というメディア主導だった情報の伝達方法は昔のものになりつつあり、自ら発信することができるインターネットやSNSといったツールを手に入れた若者が、何を楽しがり、何を面白いと思い、何のためにそのイベントに参加するのかという動機についても詳しくかいてある本です。

このように、この本では単なる若者批判は一切なく、現代の若者消費が動くポイントはどこで、どういったものであるのかを詳しくかいてある本です。

価値観の変化を前提に物やサービスを開発する

多くの大人がものが売れない時代、消費が減退している時代だと言っているのが、この本を読んで間違いだと気付きました。

何万円もする高級掃除機や、扇風機が大人に売れるのは何故なのか。

それらは彼らの消費の仕方が以前とは変わっていて、さらにそれに企業が気付いているからです。

今の日本には十分な物やサービスが行き渡り、本当に便利な時代です。
昔では考えられませんでしたが、今やクリック1つで自宅から出ずに大抵の物やサービスが購入できます。

企業はこう言った大人の消費についてはよく考え、使いやすいサービスを開発してきました。

しかし、若者においてはきちんと研究をされていないことがこの本を読んでいるとわかります。

この本の中に登場する彼ら・彼女らは高級な車を保有することで満足感を得たりはしません。

代わりにリムジンサービスを女子会に使い、SNSを通じた知り合い同士でその料金を折半しその楽しい経験を買い、それを自身のSNSへアップすることで多くの人たちから承認を得ることで満足感を得ます。

つまり、若者は消費していないのではなく消費の仕方が変わったことにこの本は何度も気づかせてくれます。
このことから学べるのはことは、リムジンサービスが儲かるらしい、人気らしいということではありません。

それまでは会社で出世して良い物を持つこと、良いサービスを受けることが成功していて、満足するという考えが世の中の根底にあったはずですが、彼らはそういった根底自体に魅力を感じないということなのです。

この価値観の変化を前提に物やサービスを開発しなければ、彼らには受け入れられないという事実を知ることができたことは非常に大きい発見でした。

私は個人投資家として会社の株式を購入するとき、それまでは会社の資産性や収益性について着目していましたがこの本を読んだことで将来への投資がどういった分野にされていて、それらが彼らに受け入れられそうかという時代の流れを読むことをこの本を通じて知ることができました。

若者消費について調べ解説している本

この本は、難しい理論や、マーケティングについての学問的考察をしている本ではなく、今現在の若者消費について調べ解説している本です。
ですから、会社勤めの方はもちろんのこと、個人で仕事をされている全てのビジネスマンにおすすめしますが、個人的には商品やサービスを開発・企画する人達に読んで欲しいです。

この本をマーケティングの本と捉えると、企業でマーケティングを担当している人や営業系のお仕事をされている方に合うと思われがちですが、商品やサービスを開発・企画する人達こそ、この時代感を取り入れることで、若者に受け入れられやすい、より良いサービスの開発・企画ができると考えるからです。

そういった方の考えの根底に、こういった若者消費への理解が深まることで結果が出せれば、こういった時代の波を掴みきれていない企業の仕事の仕方や意思決定を、ほんの少しでも時代に合わせた柔軟なものに変えることができるのではないかと考えています。

gendai.ismedia.jp

パリピ経済 パーティーピープルが市場を動かす (新潮新書)

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