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ビジネス書籍紹介日記

ビジネス関連書籍の紹介日記です

部下を定時で帰す仕事術 佐々木常夫

ビジネス書籍

著者の佐々木常夫氏は1969年に東レに入社。うつ病と肝臓病を併発し43回の入退院を繰り返した奥様を看病し、三人の子供の育児を担うため、毎日18時に退社することを迫られました。仕事と看病と育児を両立ささせるため、定時に退社しつつ成果を出す仕事術を作り上げました。

それと当時に、課長として自分の課の合理化を徹底し、部下も定時に帰りながら次々と成果を生み出す組織を構築しました。

そして2001年に同期トップで東レの取締役に就任し、2003年に東レ営研究所社長となりました。まさに仕事術、マネジメント術の化身ともいえる方で、ちょっと凡人にはまねできそうにはない実績の持ち主です。

 しかし、本書を読んでみると、佐々木氏が最短距離で最大の成果を生み出すために実践してきた事の一つ一つは非常にオーソドックスなものであることがわかります。どれも凡人である私たちにも実行可能なものです。

佐々木氏の、仕事効率を最大化する「3つのステップ」は次の3ステップで構成されています。

  1. 計画を先行させる「戦略的仕事術」
  2. 時間を節約する「効率的仕事術」
  3. 時間を増大させる「広角的仕事術」

 

①の、計画を先行させる「戦略的仕事術」では、仕事と時間に追われるのではなく、戦略を立て先手先手を打って仕事進める方法が紹介されます。そして、②の、時間を節約する「効率的仕事術」では、仕事を効率的に進めるためのさまざまな実践的な方法が紹介されます。

そして、③の、時間を増大させる「広角的仕事術」では、自分の時間を増やすための部下との協働のしかたや、上司とその上の上司との関係の構築の仕方、自己研鑽の方法などが紹介されます。

つまり、まず最初に「戦略的仕事術」によって最短距離で最大の成果を生み出す為の戦略を立て、次にその戦略を「効率的仕事術」によって効率的に進め、そして「広角的仕事術」によって部下や上司と効果的なチームワークを発揮し、仕事以外にも視野を広げることでさらに効率と効果を最大化させる、という構成です。

このほかにも、3つのステップに分類できない有益なヒントが紹介されています。

すぐにでも使える仕事術

部下を定時で帰す仕事術には、大局観を持って仕事の戦略を立てる方法などの「鳥の視点」からの仕事術から、手帳の2冊使う方法などの「虫の視点」からの仕事術まで網羅されています。すぐにでも使えそうな仕事術が多く書かれているので、付箋を貼りながら読んでいると本が付箋だらけになってしまいました。

その中でも私の役に立った仕事術を紹介したいと思います。まず一つ目は、①計画を先行させる「戦略的仕事術」の中にある、「『在任中に何を成すか』を決める」というものです。佐々木氏は東レ時代、3年間同じ部署にいることがほとんどなく、短期間での転勤を繰り返してきました。

何も考えずに漫然と仕事をしていると3年間という時間はあっという間に過ぎ去ってしまいます。そこで、佐々木氏は、いつも着任したときに、「その職場の在任中になにを成すべきか」という自分のミッションを決めて、できるだけ早く達成する方法を考え、業務に臨んできたそうです。転勤する度にミッションを設定して達成する、という成果を繰り返してきたことが、佐々木氏が同期トップで役員にまで出世した秘密だと思います。

私自身は専門職的な仕事を長年しており佐々木氏とは環境が異なります。しかし、長年同じ部署で同じ仕事をしているとマンネリに陥りがちです。

仕事に精通し難易度の高い業務もこなせるようになるのは、専門職という業種の長所ではありますが、一方で、「この業務を自分以上にうまくやれる人間はこの会社にはいないのだから、自分はこの業務をやっていれば良いのだ」というように、仕事に対する考え方が硬直化してしまいがちです。これでは会社が置かれている環境に変化が発生したときに対応できません。長年にわたって同じ部署で同じ仕事をするからこそ、3年や1年などで達成するミッションを設定し自ら変革を生み出していき、部署や担当業務のあり方を変えていけば、長年専門職をやったとしてもマンネリになることはなく会社に対し付加価値の高い貢献をし続けていくことができると気づきました。さっそく日々のルーチンワーク以外のミッションを設定することにしました。

他には、業務案件を入れたクリアファイルを4つ持ち、常に仕事を4つ持ち歩いている状態にして、移動時間や、会議と会議の間などの隙間時間を見つけたら仕事に取りかかる、という方法も早速まねしてみました。

手帳の後ろのページに暗記したい情報を書き込み、隙間時間を使って暗記するというのも有益でした。佐々木氏は「担当事業のマーケットサイズ」「競争相手のシェアや自社の強み・弱み」などの基本的な数字を書き込んで暗記したそうです。社長になってからは論語や過去の偉人の名言を書き込み暗記して、会議やスピーチで使って話の説得力を高めていたそうです。誰にでも、暗記しておいてさっと口から出せると便利な数字や知識があると思います。それらを手帳などに書いて常に携帯し、暗記してしまいうというのは優れた方法だと思います。

本書には、他にも個人スキル磨く上で非常に有効なさまざまな方法や、チーム全体の能力を高める方法が数多く紹介されています。誰であっても自分に合った方法が見つかることと思います。

係長や課長クラスの方におすすめ

部下を定時で帰す仕事術はタイトルが「部下を定時で帰す仕事術」となっており、部下を持った係長や課長クラスの方を対象として書かれています。部下を持って部署を運営している人は読んで損はないと思います。自分の部署を、最短距離で最大の成果を生み出すチームに変える方法がきっと見つかります。

部や役員クラスの人にも、「第一章 計画を先行させる『戦略的仕事術』」を読むことは、自分が担う組織が進むべき方向とミッションを明確にし、達成するために最優先で実行する上で参考になると思います。

部下を持たない社員の方々にも本書を読んでほしいと思います。個人スキルを磨くための方法もたくさん紹介されており、すぐに使える仕事術が見つかるはずです。

また、部下を持ち部署を運営する人物に求められているスキルがどのようなものかを、一社員であるうちに知っておくことは大変有益です。本書でも「常に上位者の視点に立て」と書かれてあります。

つまり、自分の地位よりも一段高い地位の人の視点にたって仕事を考えると言うことです。一段上の視点で考えると、仕事で発生した課題に対してより柔軟な解決策を思いつくことができます。また、一段上の視点で考えることで、一段上の地位に出世する準備をする事もできます。

このように、本書は係長や課長を主な読者としつつも、すべてのビジネスパーソンにおすすめできる書籍です。

blog.livedoor.jp

部下を定時に帰す仕事術 ~「最短距離」で「成果」を出すリーダーの知恵~

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